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「人付き合いが苦手」と感じる原因と苦手意識を解消するポイント

小日向るり子

いくらインターネットが発達しているとはいえ、人付き合いを全て避けて暮らすことはなかなか難しいもの。人付き合いが苦手だと感じる原因や、苦手意識を少しでも解消するポイントについて、心理カウンセラーの小日向るり子さんに教えてもらいました。

人付き合いが苦手で悩んでいませんか?

苦手なことはできればやらずに済ませたいですが、実際は人付き合いを全く避けて暮らすことは難しいですよね。

苦手意識があると、それがきっかけで仕事が嫌になったり、鬱々とした気持ちが続くことで休日が有意義に過ごせなくなってしまったり、ということもあります。

今回は、人付き合いが苦手だと感じる心理的な要因と、苦手意識から解放されるヒントをお伝えしたいと思います。

「人付き合いが苦手」と感じる原因

まずは、なぜ人付き合いが苦手だと感じるのか、その心理的な要因を解説していきます。

(1)傷つきやすい

繊細な心を持ち、自他の感情を敏感に把握する気質を持つ方をHSP(Highly Sensitive Personの略)といいます。

HSPは人種・性別問わず人口の15~20%程度いるといわれています。

HSPの気質を持つ方は他人のささいな言動から感情を読み取れてしまうため、その結果として自分が傷つくことも多く、そこから自身を守るために人付き合いを避けるようになります。

(2)自意識過剰

人からどう見られているかを非常に気にする自意識過剰タイプは、「会った途端に顔を背けたけど私の顔に何かついてるのかな?」「向かいの席に座っている人がじろじろ見てくるけど服装が変だと思われてる?」など、常に周囲の人の顔色をうかがっています。

そのため帰宅するとどっと疲れてしまい、結果的に人との接触を避けるようになりがちなのです。

(3)完璧主義

メイクが決まらないと近くのコンビニにも行けない、デートのスケジュールが少しでも狂うとイライラする、といった完璧主義者は、周りの人が大ざっぱに見えてしまっていら立ったり、パートナーにも完璧さを求めてけんかになったり、ということが多いです。

そうしたことが続くと、人と付き合うことそのものに疲れを感じるようになります。

(4)会話が苦手

話をすることが苦手な人も、人付き合いへの苦手意識を抱きがちです。

例えば「今日は暑いですよね」と話し掛けられても「そうですね」とまでは言えるのですが、そこから「明日も暑いようですよ。これから熱中症心配ですよね」などと話を広げていくことができません。

いわゆる“話し下手”と言われる人ですが、これは、元々の気質と親や友人など周りの人との関係性によって形成される性格で、本人にとってもコンプレックスになっていることが多いです。

(5)一人が好きだから

一人が好きなのであれば人付き合いに対して苦手意識など持っていないのではないか? と思われる方もいると思います。

しかし、ここでの「一人が好き」はそうではなく、本当は人付き合いをしたいのに、なんらかの原因で自己防衛心理が働き、意図的に「私は一人が好きなんだ」と思いこませているケースです。

しかし、このタイプは無意識では他者とのコミュニケーションを求めているため、一緒にいて楽しいと思える人ができると「自分は実は一人が好きではなかったのだ」と認められるようになります。

人付き合いへの苦手意識を解放する方法

ここでは、人付き合いへの苦手意識を少しでも解消するための方法を紹介していきます。

(1)人に期待しない

人にあれこれと求めないことです。

自分にも大切にしたい価値観や好きな行動パターンがあるのですから、それは相手にも当然あるのだと考えましょう。

何かを期待するからその期待に沿う行動を相手がしてくれないと傷ついたりいら立ったりしてしまうのです。

人付き合いに苦しくなったら、相手に期待し過ぎていないか、他人をコントロールしようとしていないか、立ち止まって考える癖をつけましょう。

(2)見栄を張らない

例えば、外食時に隣のテーブルにいた人と1時間後に駅のホームですれ違ったとして、分かりますか?

小学校の時の校長先生の話も、テレビの街頭インタビューに答えている人の映像も、インパクトが相当なければずっと覚えていることなどほとんどないですよね。

つまり、自分が思っているほど他人はあなたのことを気にしていないのです。

見栄を張るということには緊張が伴うもの。必要がない緊張を手放すだけで、人との向き合い方はだいぶ楽になります。

(3)気晴らしを持つ

「これが趣味です!」と主張できるほどのものでなくても構いません。これをしていると時間があっという間に過ぎる、気分転換になる、癒やされる、といった心地良いものを持ちましょう。

特に、人から言われたことをいつまでも引きずってしまう、傷つきやすい、というタイプの方は、頭を切り替える術を持っていることは精神衛生上とても大切です。

(4)つながりやすい方法でつながってみる

あなたの周りにいませんか? 対面で話すと口数が少ないのにメールやSNSでは自分の考えや思いを積極的に書く人や、社内ではおとなしいのに業務時間外に趣味の話を振るとおしゃべりになる人。

ネットが発達した現在では、人とつながる方法は対面だけではありません。人付き合い=対面、と固定観念にしばられてしまうと、苦手意識から脱却するのが難しくなります。

とにかく自分がつながりやすい方法で人とつながってみるところから始めましょう。

(5)ニュースに一通り目を通す習慣をつける

これは、会話が苦手なことが「人付き合い」への苦手意識の大きな要因になっているという方にぜひおすすめしたい習慣です。

新聞でもネットニュースでも構いませんので、ニュースに一通り目を通す習慣をつけていきましょう。

コミュニケーションとはテクニックだけではなく、いかに自分の中に話題の引き出しを持っているかの方が大切です。

これは、人付き合いが楽になるというメリットの他にも、自分で予想もしなかったことに興味を持てる可能性があるため、自身の世界が広がるというメリットもあります。

(6)あいさつを習慣づける

どの解決方法もハードルが高い、と思われてしまった方は、今、人間関係にとても疲れている状態かもしれませんね。

そのような場合は無理して苦手意識をどうにかしようと焦る必要はありませんので、とにかくあいさつだけはするようにしましょう。

あいさつさえしておけば、他人から悪く思われることはありません。

自分が試しやすいところからゆっくりと

インターネットの発達により、いつでもどこでも人とつながることができるようになりました。

こうした環境は便利である反面、心身が疲れている時はストレスとなり、最近は「人付き合いがしんどい」というお悩みも増えています。

今回は心理的な要因から解放されるためのアドバイスも紹介しましたので、ぜひやりやすいところから試してみてくださいね。

ただし、これまでは人付き合いが苦手でなかったのに最近急に苦痛になったという方は要注意です。精神的な疾患が隠れている可能性もありますので、早めに専門家や医療機関の受診をしてください。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

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