転職が正解? 仕事が楽しい人・楽しくない人の違い
何らかの理由から、仕事が楽しいと思えないあなたへ。今回は、外資系OLコラムニストのぱぴこさんに、仕事を楽しいと思う人の共通点や、今の仕事を楽しむコツを教えてもらいます。
「仕事が楽しくない」
「今の仕事にやりがいを感じない」
「自分に合った楽しい仕事がしたい」
これらは、キャリア相談の中でも頻出問題です。
私は「仕事は楽しいですか?」と聞かれると、「シゴト タノシイ」と感情を学習しだしたロボットのようになります。「楽しい時もあるし、そうでもない時もある」でしかなく、仕事全体が常にめちゃくちゃ楽しいということは、社会人10年程度の経験の中ではありません。
友人の中には「これが天職!」と仕事自体を楽しみ、謳歌している人もいます。その人たちと比べると熱量が違うことは明らかで、そういった意味でも、「仕事が楽しい!」という感情をずっと持ち続けているわけではありません。
仕事が楽しくない理由
「仕事が楽しいわけでもないんだよなー」と冒頭でいきなり吐露した私ですが、逆にいうと「仕事が死ぬほどつまらない」と思っているわけでもありません。
また「楽しい仕事」と「楽しくない仕事」という仕分けがあります。そんな経験を踏まえながら、「仕事が楽しくない理由」を考えてみましょう。
(1)同じような業務ばかりだから
単純に「飽きている」パターンです。単純作業で創造性を見出せない場合と、慣れてしまって刺激を感じない場合があります。
要は毎日似たようなことばかりで、刺激がなく、成長も味わえないことで「楽しくない」と感じているのでしょう。
(2)仕事で成果が出ないから
仕事に限らず物事は「できると楽しいし、できないと楽しくない」という側面があります。
きちんと仕事をしているけれど、成果につながらない。それによって居心地も悪い。そんな悪循環の中では、誰だって「楽しくない」と感じます。
(3)評価が適切ではなく、認められないから
成果は出しているはずなのに、評価を得られていない場合もあります。
仕事自体の良し悪しというよりは仕事を通した満足度の問題ですが、モチベーションには大きく影響します。
(4)職場の人間関係が悪いから
職場の人間関係は、満足度に大きく寄与します。
転職理由の上位には「人間関係」が並びますし、実際チームの人間関係が良好であれば成果を出せる場合は多いです。
一人でできる仕事は限られていますし、週5日間過ごす職場に「行きたくない」理由があれば仕事が楽しくないのは当然です。
(5)忙しすぎるから
シンプルに忙しすぎる。仕事が超好き! な人でも、休みが月に1日あれば良い方というような生活をしていれば楽しくないですし、「無理」となります。
精神か肉体のどちらの限界がくるのが早いか、というチキンレースはやめましょう。
仕事が楽しい人に共通する特徴
世の中には「天職」ではないけれど、楽しく仕事をしている人は大勢います。
「好きを仕事にしました!」というタイプでなくても、楽しんで仕事をしている人にはどんな特徴があると思いますか?
(1)得意なことを仕事にしている
仕事はできると楽しいので、「得意」なことを仕事にしている人は成果を得やすく、楽しく仕事をできる確率が上がります。
数字を扱うのが得意なので経理……など、「好き」よりも「得手不得手」をうまく仕事で生かしています。
(2)「働く」こと自体が楽しいワーカーホリック
お仕事ジャンキーともいえる「とにかく働くことが好き!」というタイプもいます。仕事をしていること自体が楽しいという、ある種うらやましいタイプです。
この場合、「好き」を仕事にしている人に多いですが、そもそも働くことが好きだよね? という人は一定数います。
(3)趣味など仕事以外の楽しみを持っている
仕事は「金銭」を得るための手段であり、それさえ成されていれば良いという究極の割り切りタイプ。
多くの場合は仕事以外に大好きな事柄があり、その趣味に没頭することが人生の優先度の最上位にある人です。
「仕事」に求めることが少ないため、結果として楽しく仕事をしているように見えます。
(4)達成感を得ることが快感
仕事は、評価や販売目標などさまざまな面で数値化できる指標があります。そして、それらをクリアすることがとにかく楽しく、手段として仕事をしているタイプの人がいます。
筋トレやジョギング、トライアスロンなどの「数値化」できるスポーツにもはまる傾向があります。
仕事が楽しくないなら転職すべき?
「仕事がつまらない」と感じる時に転職するのはありか、なしか? というと完全にありです。
が、自分が仕事に何を求めていて、何が今の仕事で不満で、今後どうなりたいのかが曖昧だと、ずっと楽しい職場を探してさまよう青い鳥症候群のジョブ・ホッパーになります。
「単純につまらない」「やりたかった仕事に就きたい」「人間関係が最悪」「残業続きで激務過ぎる」などなど、仕事が楽しくない理由は、何かしらあり、環境を変えることで手に入るなら積極的に行動するべきです。
ただ「とにかく辞めたい」が先走って、「自分がかなえたい楽しい仕事」の条件をきちんと考えずに転職すると、ミスマッチが起こる可能性が高くなるため「ダメ、絶対」です。
好きなことを仕事にするメリット・デメリット
ではここで、好きなことを仕事にした場合のメリットとデメリットを紹介します。
好きなことを仕事にしようと考えているなら、まずは目を通してみてください。
メリット
(1)仕事をしているだけで楽しい
好きなことをしているので、仕事といえども趣味の範疇的な扱いになり、「労働は苦痛」という概念から解放されます。
(2)仕事のモチベーションが持続しやすい
好きの威力により、モチベーションが持続しやすい側面があります。
「つまらないことをやる」「嫌いなことをやる」よりも、「好きなことをやる」方が集中力が出るのは宇宙のことわりです。
(3)仕事にまつわる努力が苦にならない
仕事で成果を出すために勉強は必要です。
仕事自体が楽しくないと、それにまつわる勉強も苦痛になりがちです。しかし、好きだと努力が努力と感じられないため、それすら楽しく実施できます。
デメリット
(1)生活が仕事一色になる
好きで好きでしょうがないと、ついつい寝食を忘れ、使える時間を全て「好き」に注ぎ込んでしまいがちです。
それすら楽しい面ではありますが、「楽しい」からこそ危険なこともあります。
(2)限度を超えて仕事をし、心身を壊す確率が上がる
無理をしていないつもりで無理をしていた……なんてことが起こりやすいのが「好きな仕事に没頭している」時です。
体力やメンタルには限界があり、たとえ楽しいことでもやり過ぎれば体も心も壊れてしまいます。
(3)「好き」が「得意」じゃなかった場合につらい
「好きだけど得意ではない」ということはよくあります。「好きだけど片思い」のようなものです。
そのため、大好きな仕事に就いたものの、適正がなく成果が出せずにつらくなります。
今の仕事を楽しむためのコツ
「楽しい仕事」であれば万事OK! とならないことは、前述のメリット・デメリット比較で伝わったかと思います。
しかし、同じことをするならば楽しい方がいいのは事実です。今の仕事を楽しむためのポイントはどこにあるのでしょうか。
(1)自分なりの達成ポイントを作る
小さな目標を作り、それを達成していきましょう。モチベーションが上がります。
また、評価という基準だけでなく、「自分がどうなりたいか」に関連して改善を積み重ねると、できることも広がります。
(2)業務に関連する勉強をする
業務時間中に、業務に関連した勉強をする時間を作ります。
関連はあるものの「仕事」とは違う作業を入れることで気分転換になり、かつ知識も付くので楽しい部分を見つけやすくなります。
(3)今までと違う業務に挑戦する
社内グループ活動など、今の組織以外の関わりを作ることで、他組織を知れたり人脈が広がったります。
社内のつながりがあると、異動や新しいプロジェクトに関わるチャンスが増えるため、「未来に向けて」の活動ができます。
「楽しい」は絶対の指標じゃないため、思い詰めないで
時代の流れの中で、以前よりも「やりたい仕事」「やりがいのある仕事」など、仕事に対して「仕事だからやる」という以上の、好き嫌いやモチベーションが重視されるようになっています。
そのため、自分が楽しくない仕事に従事していると、それだけで「自分は劣っているのでは?」という捉え方をする人が多いです。
私は転職肯定派なので、やりたいことや楽しい仕事を手に入れるための転職はどんどんするべきだと思います。ですが、世間一般でいわれる「楽しい仕事」と、自分の趣向は必ずしも一致しません。
「楽しい仕事をしていない」という漠然とした不安を抱くのではなく、自分がどんな仕事をしている時が楽しいか、どんな時に成果を出せたかなどの自己分析をしましょう。
(ぱぴこ)
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