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これってパワハラ? パワハラ上司の特徴と上手な対処法

トイアンナ

上司のパワハラに悩んでいる……。一体どうすればいいのでしょうか。元外資系会社員のコラムニスト・トイアンナさんによれば「パワハラのボーダーラインは人によってバラバラ」なのだとか。パワハラ上司との上手な付き合い方について教えてもらいました。

「パワハラ」という言葉が広まった割には「パワハラとは何か」は、意外と広まってないなあ……と思うことが増えました。

上の世代に聞いてみると、

「暴力を振るうのがパワハラ」

「ムリヤリお酒を飲ませたらパワハラ」

「部下の悪口を裏でも言ったらパワハラ」

など、人によってもパワハラのボーダーラインがバラバラ。研修は行われているのでしょうが、それ以上に会社へ昔から根付く風土や、トップの役員や社長の振る舞いが反映されているのでしょう。

そこで今回「これって、パワハラ?」とモヤっとしたあなたへ、撃退法をお伝えします。

これってパワハラ? パワハラ上司の特徴

まず、パワハラ上司の特徴を今年の6月から施行された「パワハラ防止法」に基づいてお伝えします。

パワハラ上司の特徴6つ

(1) 体への暴力

殴る、蹴る、突き飛ばす……は、最も重いパワハラです。体へ害が無くとも、座っている椅子を蹴る、受話器を手にガムテープでぐるぐる巻きにして電話し続けるよう指示する、座ることを許さない、なども暴力に当たります。

これがあったら対処法というか、110番で刑事事件として訴えてほしいです。と、言いつつ私も受けたことがあります、暴力。頭が真っ白になって、何もできないんですよね。

(2) 精神的暴力

「お前、よくそれで就職できたな」「バカ」「ブス」などの暴言は、パワハラに当たります。業務改善命令ではなく、人格否定をするとパワハラに。

(3) 人間関係からの切り離し

人によって態度を変える上司に多いやり方です。「信頼できる人にだけ仕事を任せたい」を言い訳に、同僚が集団で無視して孤立させる、長期間別室で作業させるなど、隔離することもパワハラにあたります。

研修のため別室で作業をさせるなどは、これに当たりません。

(4) 過大な要求

肉体的苦痛を伴う、長期間の労働を命じたり、研修も無いまま高いノルマを課したりするのは典型的なパワハラです。

上司の子どもへ家庭教師として教えるなど、業務とかけ離れた作業の強制もパワハラです。

(5) 過小な要求

部長なのにトイレ掃除だけを延々命じるなど、あえて過小な業務を背負わせて退職へ追い込むとパワハラに。嫌がらせのために仕事を与えないことが、パワハラに該当します。

(6) 個の侵害

例えば「あいつ、ゲイだって」とプライバシーを侵害するなど、個人的な情報の公開はパワハラとなります。

他にも私的な時間も「今何をしているか」報告をさせたり、その後周りへ暴露したりすればパワハラです。

パワハラ防止法とは

パワハラ防止法では特に、以下の3つがそろったものを、パワハラと定義しています。

1.優越的な関係を背景とした⾔動

2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

3.労働者の就業環境が害されるもの

(労働施策総合推進法・第三十条の二)

 

これが弱点。パワハラ上司の心理

では、パワハラ上司はどんな心理で圧をかけてくるのでしょうか。

残念ですが大抵の上司は、何も考えていません。というのも、上司の世代はパワハラを当たり前のように受けてきたからです。

「上司がイライラしているとき、部下に八つ当たりするのは当たり前。むしろ、怒らせたお前が悪い」「気分屋の上司だろうが、それに耐えるのが仕事ってものでしょ」なんて考えている人は、少なくありません。

研修で「パワハラはやめましょう」と言われても、冒頭の通りパワハラの定義はバラバラ。上司は「受けた指導と同じ方法で、部下を教えている」だけのつもり。パワハラをしてやろう! なんていう悪意すらないケースがほとんどです。

因果応報!? パワハラ上司へ仕返しするには

そんな上司へどう対応すべきか。まずは、自社の人事が信頼できるか確認しましょう。まともな会社なら最低でも相談には乗ってくれますが、ひどい会社だと人事から上司へ訴えを告げ口するなんてことも。

まずは、自社の人事がどれくらい信用なるものか、調べてから動きましょう。人事なら、6月施行のパワハラ防止法を知らないわけがありません。

パワハラを報告することで、上司のさらなる出世を止めるきっかけになったり、自分が異動できたり、上司が処分対象になったりと変化につながるはずです。

社長がパワハラ気質な場合は退職も考えて

上司がパワハラ気質なだけなら、上司の上司や人事に相談して片付きます。ですが、部門のトップである部長や役員、社長までパワハラ気質だった場合は、変化の起こしようもなし。退職を検討されても仕方ないでしょう。

なお、パワハラが暴力などに及ぶ場合は、弁護士へ相談して交渉してもらうのもありです(ただし、辞めるまでは「権利を訴えながら勤務を続ける」メンタルは求められます)。

弁護士を連れて行くと急に優しくなる上司がいますが、これぞ因果応報。淡々と手続きを進めましょう。また、パワハラを訴えたからといって辞めさせられそうになったら、無効な解雇としてひっくり返せないか、弁護士にそれこそ相談してください

パワハラ上司との付き合い方は、「無理をしない」に尽きます。「おっしゃることはごもっともです。ただ……」と適度に言い返すくらいの方が、心をやられずに済みます。

パワハラ上司に耐えた末路が、心身をおかしくして退職だったら目も当てられません。あなたは上司のために働いているわけではありません。

(トイアンナ)

※画像はイメージです

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