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無難でOK! 他己紹介のスマートなやり方とコツ【例文付き】

トイアンナ

他己紹介、上手なやり方をご存知ですか? スマートにやるためには3つのコツがあるそうです。元外資系会社員のコラムニスト・トイアンナさんに他己紹介の例文と、やり方のコツについて教えてもらいました。

他己紹介、苦手でした。学生時代なんかは特に、後輩を他の人へ紹介する際「ここは無難に済ませたい。でも相手の記憶に残したいし、会話のアイスブレイクにもなるから、ちょっとは個性を出さなきゃ。とはいえ引かれたらどうしよう」と冷や汗、ダラダラ。

考えすぎて変な他己紹介をしてしまい、「お前、それは失礼だぞ」と先輩にお叱りをいただいて、後輩には申し訳ないやら、消えたいやら。

ところがです。そんな私に「他己紹介が超得意になる革命」が起きました。

そこで今回、私に起きた革命を通じて、あなたも読むだけで他己紹介が得意になるコツをお伝えします。

他己紹介とは? 他己紹介をする目的

そもそも、他己紹介とは「ある人が、他人について紹介する」こと。

よそから新しく入った人のことを「これから仲間になる人です。よろしくね」と内輪へ引き入れる儀式として、内部の人間が紹介するタイミングで他己紹介となることが多いでしょう。

ごくまれですが、新卒採用で「周りの人にあなたを他己紹介してもらってください」というお題が出ることもあります。

他己紹介の目的は「自己紹介よりも客観的な評価」と、「親近感のわく話題」です。自己紹介ではどうしても「私は〇〇高校を卒業して、その後XXへ就職し……」など、経歴だけを語ってしまいがち。

単に経歴だけを紹介されても、新人が多数いる環境では名前が覚えられません。それを他己紹介に切り替えることで、趣味などアイスブレイクにつながる内容も得られるわけです。

他己紹介を頼まれたら、まずは質問を整理しよう

もし他己紹介を依頼されたら、まずは質問を用意しましょう。ここで私に起きた「革命」をシェアします。

私が入社したのは外資系企業だったのですが、外資系企業では、「他己紹介」のテンプレートがはっきり決まっていたのです。

というのも、外資系企業は上司が部下を事細かに紹介する文化があり、他己紹介はもはや業務の一貫。

人によって良し悪しが出てはいけないと、判を押したようにどの会社でも同じテンプレートで他己紹介をしています。テンプレートには「個性を出しつつ、無難に収める」要素が満載。

つまり、そのテンプレートを日本語訳すれば、日本人も他己紹介の達人になれるわけです!

というわけで、テンプレート通りの他己紹介が作れる質問を整理しました。

・名前は?(最悪のミスを防ぐため、正確な漢字を聞いておくことって意外と大事!)
・名前の由来は何ですか?
・高校から先の経歴を教えていただけますか?
・どんなことを勉強されてきましたか?
・好きな科目は何でしたか?
・どんな会社に勤めて、どんなお仕事をされてきましたか?(中途採用の場合)
・さまざまなお仕事、作業の中でもどんなものが得意・好きですか?
・お休みの日は何をされていますか?
・ご家族はいらっしゃいますか?
・いらっしゃる場合、どんな方たちで、どんな風に接していらっしゃいますか?

※これはあくまで外資で使うテンプレートなので、学歴やご家族の有無がセンシティブになりそうな会社では触れないようにしておきましょう。外資の方が「家族円満であれ」という圧が日本企業より強いので……。

1対1でカフェなどリラックスした場所で質問し、なるべくざっくばらんにお話いただくのが、ただでさえ緊張されている新人の方には適切なやり方です。

実例! 他己紹介の上手なやり方【例文付き】

さて、ここからは実際に他己紹介の例文です。今回はメールでのテンプレートとなる他己紹介をお伝えします。もちろん口頭でもあまり変わらないやり方で他己紹介ができるはずです。

先ほどの質問の回答をうまく組み合わせると、こんなテンプレートが作れます。

本日より企画部に配属された〇〇〇〇(フルネーム)さんを紹介いたします。

〇〇(名字)さんは都内の高校を卒業後、大学で文学を勉強されました。日本文学が専攻だったとのことで、なんと平安時代のかな文字が読めるそうです。

そこから印刷文字に興味を持ったということで、新卒では印刷会社にお勤めされました。今でも〇〇さんが手掛けた本『〇〇〇〇』は店頭で買えるそうです。ぜひお手に取ってみてください。今後は自社でもその経験を活かし、印刷部門との連携をお願いさせていただきます。

お休みの日はトレッキングが趣味で、この前は大山へ登られたとか。その名の通り、1252mも標高があるらしいです。その時のお写真を共有していただきましたので、このメールへ添付いたします。

ご家族はお兄さんがいらして、小さい頃は大のお兄ちゃん子だったそうです。兄弟でお金を出しあって漫画の貸し借りをしていたなど、仲睦まじいエピソードを教えてもらいました。

今後は〇〇部長の元で私と同じチームとなります。〇〇さんの役割は引継ぎを兼ねてしばらく私も兼任しますので、ご連絡の際は〇〇さんをto、私をccに入れてください。これから〇〇さんを何卒よろしくお願い申し上げます。

面白いネタに走らないで! 他己紹介のコツ3つ

ここで、いくつか他己紹介をするときのコツをお伝えします。

(1)他己紹介で面白いネタを作らない

他己紹介にするとつい、面白いネタを作りたくなりがち。ですが、ネタに走ってうっかりスベったときの気まずさは、自己紹介の2倍です。やめましょう。

(2)他己紹介では自虐ネタを交えない

他己紹介でつい「私なんて〇〇もできませんがね……」と自虐もトッピングしたくなりますよね。でも、それではあなたの自己紹介になってしまいます。

他己紹介に徹することで、見ている人、聞いている人の焦点を「新しく入った方」からずらさないように気配りを。

(3)質問したこと以外に「役割」を入れる

質問したことだけを並べる他己紹介なら、あなたが紹介する必要はありません。「社内でどんな役割を担う方なのか」「その方の上司は誰で、同僚は誰なのか」を必ず他己紹介には追加してください。

新人が入ると、その部署へ仕事を依頼する際、誰に依頼すればいいか周辺部署は分からなくなります。必ず「この方に関する依頼はこの手続きでお願いします」と、引き継ぎのプロセスを明確にしましょう。

テンプレート通りなら簡単! 他己紹介をやってみよう

難しく感じてしまう他己紹介もテンプレートがあるなら、もう怖くありません。

ぜひこれから、今回紹介したテンプレートをコピー&ペーストして、中身を書き換えながら他己紹介をやってみましょう。あなたのやり方が、社内で他己紹介のお手本になれるといいですね。頑張ってください!

(トイアンナ)

※画像はイメージです

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