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偉そうな人の特徴とは? 偉そうにする心理と対処法

笹氣健治(心理カウンセラー)

「偉そうな人が嫌い!」とイライラしていませんか。職場に偉そうな人がいる時、一緒に仕事したくないと思うこともあるでしょう。今回は、偉そうな人の特徴と心理を紹介しながら、付き合い方のコツを解説します。

仕事をしていると、偉そうな態度の人に出くわすことが多々あります。

威張り散らす客、横柄なベテラン社員、自慢話好きな上司など、「あなたは何様ですか?」と思わずツッコミたくなる人がそこかしこにいるものです。そんな偉そうな人にイライラせず、うまく付き合っていくにはどうしたらいいか、その方法を考えてみたいと思います。

偉そうな人の特徴って?

偉そうな人ってどんな人でしょうか?

威張る、上から目線、図々しい、自慢する、うぬぼれ、高飛車、横柄、威圧的、無礼、傲慢、といった言葉がイメージされるのではないかと思います。

これらを整理してみると、偉そうな態度や行動は、「尊大な態度」「自慢げな態度」「横柄な態度」の3つに分類できることがわかります。ひとつずつ詳しく説明していきましょう。

(1)尊大な態度の特徴

「わたしはいい大学を出ている」「わたしは高級住宅街に住んでいる」「わたしの彼は大手企業に勤めている」「わたしは誰々と知り合いだ」といったように、自分はほかの人たちとは違う特別な存在であると信じていて、そうでない人を見下すような態度です。

また、自分は選ばれた人間だと思っていて、他人から特別扱いされることを望みます。

(2)自慢げな態度の特徴

自分はこんなにすごい、自分はこんなに優れている、といったことを周りに自慢して優越感に浸る態度です。

自己顕示欲が強く、周りから注目されたい、うらやましがられたいと思っているのが特徴。何度も繰り返し自慢話をしたり、あざとい自己主張のパフォーマンスをしたりして周りから煙たがられます。

(3)高飛車な態度の特徴

他人をまるで自分の家来かメイドのようにあごで使う態度です。

自分の指示通りにやるのが当たり前というスタンスで、自分の仕事を部下や後輩に強制的にやらせたり、レストランやショップの店員に命令したりします。

「なぜあなたにそんなことまで指図されなきゃいけないの?」と思わずムカついてしまう相手です。

参考記事はこちら▼

あなたや周囲の人の「偉そうな人度」を診断で詳しくチェックしてみましょう。

偉そうな人の心理とは?

次に、なぜ偉そうな行動や態度をとるのか、先ほどの分類に基づいてそれぞれの理由を解説したいと思います。

(1)尊大な態度を取る心理

この態度を取るのは、とてもプライドの高い人です。ところが、そのプライドは脆くて崩れやすいので、虚勢を張って自分のプライドを守ろうとしているのです。

心のどこかに、「自分は無能で取るに足らない無価値な人間だ」という意識があって、そんな自分を認めてしまうことを恐れるあまり、「自分は特別で選ばれた人間だ」と信じ込むことによって、その恐れを打ち消そうとします。

他人を見下したり、特別扱いされたりすることを求めるのも、「自分は無価値な人間ではない」と自分自身に証明するため必死だから。自分を大きく見せようとしているのです。

(2)自慢げな態度を取る心理

自分の優位性を自慢するのは、有能で優秀な人間だと他人から思われたいという心理です。

なぜ他人からそんなふうに思われたいのかと言うと、自分に自信がないからというよりも、なんとかして自信を持ちたいという切実な気持ちがあるからです。

この態度を取る人は、他人から賞賛されたり、うらやましがられたりすることでしか自分の価値を感じられません。「他人からどう思われようが、自分は自分であって自分の価値は変わらない」という確固たる自己認識が持てておらず、他人からの評価によって自分の価値を確認しようとしているのです。

(3)高飛車な態度を取る心理

この態度は、いわゆるマウンティングです。自分が上司だったり客だったり、相手より優位に立てる場面になると、自分のほうが上であることを見せつけようと、高飛車な態度を取るのです。

他人をあごで使って自分の威厳を示そうとするのは、他人との優劣によってしか自分の価値を確認できないから。自分のほうが勝っていると証明し、安心感を得ようとしているのです。

三者の共通点は「不安定な自己評価」

いずれにも共通するのが、自己評価が不安定だという点です。

その根底にあるのは、「無価値な人間でありたくない」という恐れです。無価値な人間はダメ人間であり、存在価値がない人間である。そういう意識があるために、自分が無価値な人間であると認めるのをとても恐れています。

だからこそ、それを認めないよう無意識のうちに偉そうな態度や行動をしてしまうのであって、自分を守るために必死の抵抗をしているのです。

上手な距離感とは? 偉そうな人とのかかわり方

偉そうな人が周りにいると非常に面倒くさい思いをします。うかつな行動をしてしまうと執拗に攻撃をしかけられてしまう恐れもあります。

周囲の偉そうな人たちへの対応は、なるべくかかわらずにスルーすることが基本です。とはいえ、仕事の都合でどうしてもかかわらなければならないときもあるでしょう。

そこで、先ほどの3つの分類それぞれに応じた対処法について紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

(1)尊大な態度を取る人への対処法

丁重に持ち上げながら操作する

特別扱いを望むような態度に出られたときは、なかなかスルーするのは難しいでしょう。そんなときは、相手の言い分を逆手にとって、こちらのルールに従わせるという方法が使えます。

例えば、「わたしはこの会社に長く勤めているのだから、わたしの希望は優先されるべきだ」といった態度を取る人がいたとします。

ここでは「ルールはルール」「みんな平等」といったロジックは通用しません。

このような場合、「長く勤められていて会社に最も貢献されているおひとりですよね。そういう偉い人が率先してルールを守られると、会社はより良くなっていくと思うんですよ」といった旨を伝えてみてください。

つまり、「自分は偉い。だから大事にされるべき」という言い分を、「あなたは偉い。だからみんなの模範になるべき」というようにすり替えるのです。

いったん丁重に持ち上げて自尊心を満足させておくことで、偉い人こそ模範的な行動をするべきだという考え方を飲み込みやすくなります。そうやってわがままな相手を操作する高等テクニックです。

相手の言い分を否定する

毎度のことで、どうしてもムカついて耐えられない。なんとかしてやり込めたい。そんなときには、覚悟を決めてズバリ言うという手段もあります。

「わたしはこの会社に長く勤めているのだから、わたしの希望は優先されるべきだ」と主張されたら、「それとこれは本当に関係あるんですか?」と相手の言い分の前提を否定します。強く反発するのではなく、冷静になって淡々と言うのがポイントです。

もし「会社に長く勤めているってことは、それだけ会社に貢献しているってことだから……」と言い返されたら、「会社に貢献していることと、希望が優先されるべきというのは関係があるんですか?」と、相手のロジックをぶった切ります。

そもそも理不尽なわがままなわけですから、相手は何も言い返せずに引き下がる可能性が高いです。

とはいえ、そのあとのネチネチした嫌がらせにつながることも十分に考えられますので、この対応は、会社を辞めるくらいの覚悟を決めたときだけ使うようにしたほうがいいでしょう。

(2)自慢げな態度を取る人への対処法

自慢に付き合ってあげるフリをする

自分はいかにすごいのか、何度も繰り返し自慢話をされてうんざりしている相手に対しては、割り切って積極的に話を聞いてあげるのもひとつの方法です。

その際は、真剣に話を聞く必要はありません。相手は誰かに聞いてもらいたいから話しているだけなので、適当にあいづちを打ち、ところどころで「すごいですね」と言ってあげていれば、そのうち相手も満足して話を切り上げてくれるでしょう。

その間の時間がもったいないと思うときは、“聞いてあげているフリ”をしながら別の考えごとをすればいいのです。どうせ相手は自分が話すことに夢中になっているので、こちらが上の空で聞いていることにも気づかないはずです。

張り合わない

相手の自慢話に対して、「それならわたしのほうがすごい」「もっとすごい人を知っている」と思うことがあっても、決して張り合わないほうがいいでしょう。

相手は意地になって自分の優位性を主張しようとします。話が長くなったり、悪い印象を持たれてしまったりしかねません。

「そうなんですね。すごいですね」と適当にあしらって、無駄な会話は早く終わらせるに限ります。

(3)高飛車な態度を取る人への対処法

ストレスをためないようにする

人をあごで使う態度はとてもムカつくものです。しかし、下手に言い返したり反抗的な態度を取ったりしても相手を怒らせるだけ。何もいいことがありません。

ここは黙ってひたすら耐えて、相手の言いなりになるのもひとつの処世術です。

「あんた何様?」と思ったとしても、そこはぐっとこらえるべきで、その際にはストレスをためないことに意識を向けましょう。

そのために役立つ考え方として紹介したいのが、自分のことを他人事のように捉えてみるという視点です。

例えば、「あ~あ、わたしは面倒くさいやつに捕まってしまったな」「前にこういうことがあったのはいつだったっけ?」「この人はほかでもこんな態度を取るのかな。他人との優劣によってしか自分の価値を感じられないなんて、かわいそうな人だな」といったようなことを考えれば、嫌な気持ちにどっぷり浸かることを多少なりとも防げるはずです。

客の場合は店の代表者としてキッパリ断る

いくら相手がお客様だったとしても無茶な要求であれば断るべき場面があるかもしれません。

そのときに注意したいのが、理屈で説明しないことです。「今は対応できるスタッフがいない」「お客様だけに特別扱いするのは不公平になる」といった理由を言って納得させようとしても、聞く耳は持たないでしょう。

そういうときは、「当社の方針で対応しかねます」の一点張りで貫き通すのが得策です。

話し合いで納得してもらおうとしても、弁が立つ相手なので、かえって話がこじれて問題が大きくなりかねません。

マウンティングをしかけてきている人だなとわかった時点で、話し合いは意味がないと考えて、腹をくくって要求を拒絶することが、結果的には最短の解決となります。

偉そうな人に悩むだけ損!

偉そうな人は、自分で自分の価値を確認するために他人を利用している人であり、脆くて崩れやすいプライドの持ち主だといえます。

これは本人の問題なので、周りとしては上手に受け流しながら付き合うしかありません。

その際にポイントとなるのが、ストレスをためないこと。

自分が悩むべきことではなく、あくまでも相手の問題であると割り切って考えることが大切です。相手に向き合いすぎてしまう優しさを時には捨てて、自分自身を守りましょう。

(笹氣健治)

※画像はイメージです

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