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撃退するには? 横柄な態度を取る人の心理と対処法

高見綾(心理カウンセラー)

横柄な態度を取る人の心理とは? 職場など、周りにいる偉そうな人。彼らとの上手な付き合い方を、心理カウンセラーの高見綾さんが解説します。

威張って、人を見下した態度を取る横柄な人。そんな人がまわりにいたら、嫌な思いをする上に、どう対応したらいいか困ってしまうものですよね。

横柄な人はなぜそんな態度を取るのでしょうか。今回は、その心理と対処法をくわしく解説します。

横柄な態度を取る人の心理を知って、適度な距離感で付き合えるようにしたいものですね。

そもそも「横柄」ってどんな態度?

横柄とは、人を見下したような態度や、無礼で無遠慮なことをいいます。

横柄な態度の人は相手を尊重する気持ちがないので、バカにしたような態度を取ってまわりの人に嫌な思いをさせます。

横柄の類義語は「傲慢」「不遜」「高飛車」などがあります。反対語は「謙虚」だとされているので、横柄とは良くない意味で使われる言葉だということがわかります。

よくある横柄な態度の例として、

・飲食店の店員さんに対して、上から目線で物を言う
・お礼を言わない
・目上の人にはペコペコするのに、目下の人には威張る
・バカにした態度を取る
・嫌味を言う
・謝らない
・昔の武勇伝など、自分の自慢話が多い

というのがあります。

横柄な態度を取る人の心理

では、どのような心理からこのような態度を取るのでしょうか。

(1)自信がない

本当に自信がある人は、威張ったり自分の能力を自慢したりする必要はないものです。一見自信満々な態度を取る横柄な人ですが、実は自分に自信がありません。

不安で弱い心を持っていることがバレないように必死。バカにされたくないという思いから、偉そうな態度を取って自分を大きく見せ、自信があるように振舞おうとしています。

(2)心を許せる人がいない

横柄な態度の人は、心の底では自分は人から求められていない、自分を受け入れてくれる人はいないと感じており、それゆえ他人に心を許すことができません。

劣等感があるために、常に人と自分を比較しています。

また、弱みを見せると支配されてしまうと思っているため、弱い自分を隠すことに必死で、いつも心に余裕がない状態です。

(3)強い承認欲求がある

強烈な承認欲求があるため、褒め言葉にはめっぽう弱く、自分を見て「あの人すごいよね」「羨ましいよね」と認めてもらいたいという気持ちが強いです。

そのため自分の目の前で他人が褒められたり、賞賛されたりするような場面があるとムッとしておもしろくないと感じます。

常に人よりも上に立っていたいという気持ちが強く、人を下げることで優位に立とうとすることも。優越感を抱いていないと自分が保てない状態です。

(4)プライドが高い

できない自分を認められない上にプライドが高いので、人に頭を下げることができません。

注意されたり自分を否定されたりするような言動をされると、プライドが傷ついて激しく怒り出します。明らかに良くないことを自分がした場合も素直に謝ることができず、むしろ「相手が悪い、自分は悪くない」と相手のせいにしてしまうことも。

お礼を言うことも苦手で、「頼んだわけじゃないし」と憎まれ口をたたいてしまうこともあります。

(5)損得勘定で動いている

人間関係を上下関係や損得で捉えているので、相手によって態度を変える特徴があります。

明らかに目上の人や一目置いている人に対しては、従順になったり好意的な態度を取ったりしますが、部下や後輩、仕事ができない人など、目下だと思う人や自分にとってメリットがないと判断した相手には、バカにして失礼な態度を取ります。

例えば、店員さんなど立場の弱い人に対しては強く出て、自分が優位に立っていることを示そうとします。

(6)自分の思い通りに物事を進めたいと思っている

支配欲が強く、他人を自分の思う通りにコントロールしたいと思っています。

他人を尊重しようという気持ちが欠けているため、従者のようにこき使おうとしたり、自分の思うように動かない人がいるとイライラして怒り出したりすることも。

参考記事はこちら▼

あなたや周囲の人の「偉そうな人度」を診断で詳しくチェックしてみましょう。

横柄な人の上手なかわし方5つ

行動の裏にある相手の心理がわかれば、どんな付き合い方をすればいいかも見えてきます。ここでは、横柄な人の上手なかわし方を紹介していきます。

(1)下に見られないように仕事はしっかりこなす

横柄な人のターゲットにされないためには、最低限仕事ができることが必要です。

横柄な態度をとる人は、相手が自分より上か下かで態度を変えるので、下だと思われないような工夫が必要になります。慣れないうちは大変ですが、日々積み重ねて努力をすることで仕事ができるようになると、「こいつやるな」と一目置かれるようになるでしょう。

(2)礼儀正しく接する

こちらから挨拶をしても無視されたり、失礼な態度を取られたりした場合でも、自分も同じような態度を返すのはよくありません。

横柄な人は、隙を見せるとそれを理由に攻撃してくることがあるので、「あの人は礼儀がなってない」と言いふらされる危険性があります。

正攻法で向き合っていては、ほかの人に悪い印象を与えられてしまう恐れがありますし、トラブルになったとき、自分側に非があると不利になりかねません。

あくまでも自分自身は礼儀正しく接し、隙を作らないように心がけましょう。

(3)横の繋がりを作る

2人きりであればまだいいのですが、まわりにたくさん人がいるときに横柄な態度を取られてしまうと、まわりの人との関係性に影響を及ぼします。

そこでオススメなのが、あらかじめ横の繋がりを作っておいて、自分の人となりを知っておいてもらうことです。

まわりと仲良くなっておけば、横柄な態度の人から嫌味を言われたときも、自分の印象が変わることなく庇ってもらえるはず。

また、横柄な人も、周囲の人と繋がりが強固である人をターゲットにしづらいものです。

(4)感情的に反応しない

失礼な態度を取られたり嫌味を言われたりした場合に、感情的に反応しないことが大切になります。動揺して傷ついた素振りを見せてしまうと、相手に隙を見せることになります。

横柄な人は、自分が発した言葉で他人がぐらぐらしているのを見ると、相手をコントロールできたと思って快感を覚えます。

また、横柄な人は自分が攻撃されることには敏感なので、感情的に反論すると、防御のためにさらに攻撃してくる可能性があります。言い返したくなったときには、冷静に毅然とした態度で論理的におかしい点を述べるといいでしょう。

(5)にこやかに褒める

褒めるのは癪に障ると思うかもしれませんが、横柄な態度の人は、褒め言葉にはめっぽう弱いです。

「自分はすごいんだぞ」というニュアンスの話をしてきたときには、「わぁ、すごいですね~」「〇〇さん、さすがです」とひと言付け加えると上機嫌に。

まわりに人がいるときは、そうしたにこやかな対応ができると、「この人、大人だな」「私にはあんな対応できないわ」と評価が上がります。常に、自分の対応をまわりの人が見ているということを忘れないようにしましょう。

横柄な態度に振り回されなくていい

横柄な態度の人とは、できれば関わらないで過ごしたいものですが、職場にいる場合はそうもいきません。

横柄な人は、格下だとみなした人には態度を変えてきます。

仕事を頑張ってこなし、言動に隙を作らないことで、ターゲットになることを回避していく上手な生き方も処世術のひとつ。また、横の繋がりを作ることも、心の余裕を持つためには大切です。

横柄な態度の人に振り回されず、快適な毎日を過ごしたいですね。

(高見綾)

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