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10年後になくなる仕事と残る仕事。20代女性が知っておきたいこと

トイアンナ

AI(人工知能)技術の発達で、近い将来なくなると予想されている仕事があることを知っていますか? 10年後、20年後、30年後の未来、なくなる仕事と残る仕事とは? コラムニストのトイアンナさんに教えてもらいました。就職転職の参考にしてみてください。

こんにちは、トイアンナです。私は小学校1年生から算数が苦手で、繰り上がりの足し算や引き算は今も指を使ってしまうくらいです。

幸い、この世には英語・国語・社会だけで受験できる学校があったためなんとか仕事ができていますが、計算機がなければ家計簿も作れないことでしょう。

それだけ苦手分野がハッキリしていると、仕事で事務職になるしかありません。といっても、事務が超得意なタイプにもかなうわけではなく……。たとえば私が経理なんかやった日には会社を計算ミスで破綻させるでしょう。

これまでは報告書を書いたり、すでに計算済みの数字を前に、ビジネスを分析したりする仕事をやってきました。

そして、こういう事務仕事こそAI(人工知能)に奪われる職業の筆頭とされています。

10年後、20年後、近い将来なくなる仕事とは

2014年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン氏の論文『雇用の未来』が発表されました。そこにはこれから無くなる職業が一覧掲載されていました。

特にここでは、20代女性が携わる率の高い職業を抜粋して並べます。

<95%以上の確率で10年後になくなるとされた仕事*>

・電話営業
・保険事務員
・データ入力係
・銀行窓口
・モデル
・レストラン、ラウンジ、カフェの店員
・フードコート、コーヒーショップのスタッフ
・一般事務員
・ネイリスト

*日本で女性が多く働いている職業をランキング順に抜粋。堅い日本語は一部やわらかく意訳。

10年後になくなる仕事で圧倒的に多かったのが、接客または事務……つまり文系就職をした人が担当しやすい職業でした。

10年後なくなる仕事、原因はAIの発達?

ではなぜ、これらの仕事が消えていくのでしょうか。答えはAI(人工知能)が得意とする仕事ばかりだからです。

モデルはAIの合成で作成可能

モデルは、AIによる顔写真のパターン学習で制作可能です。VRやCGの技術も進んでいるため、生身のモデルは今ほど必要なくなるのです。

これから「誰の顔でもない顔」のモデルが多数登場することでしょう。

一般事務はAIが得意とする仕事

一般事務やデータ入力係のAI化は想像しやすいかもしれません。

コピーをとる、紙の印刷データをデジタル化する、文書をFAXで送るといった作業は、そのうち「アレクサ、ファイル名”会議前資料2020年1月20日”のコピーを10部お願い」で済んでしまう可能性があります。

接客業もマニュアル化可能な仕事はAIで十分

意外に思われるのは接客かもしれません。

しかし、銀行窓口やチェーン店のカフェ店員などは、ある程度お客様から依頼される内容が決まっています。内容がパターン化されている注文は、十分AIで対応できるというわけです。

フードコートもレジでトレイをカメラ撮影し、何がお皿に乗っているか判別がつけば会計はできてしまいます。

銀行窓口で働く女性の愚痴を聞いていると、とんでもない注文をしてくるクレーマー客の話題も出てきます。が、そういう客もAIなら冷たく「すみません、よくわかりません」で拒絶できてしまうメリットもあるでしょう。

ネイリストも一部を除いて機械化

ネイルもクリエイティブなデザインができる一部の方を除けば、パターンを選ぶだけで機械に塗ってもらうことができます。

このように、一見接客に見えるものでも、マニュアル化可能な仕事は消えていくと見られています。

2030年までには専門職も消えていく?

さらに、近い将来である2030年までには専門的な職業もAIの発達によりとって代わられる可能性があると、駒沢大学の井上智洋氏に予想されています。

医師、薬剤師、看護師

医師、看護師、薬剤師は仕事が二分すると予想されます。

たとえば患者の移動などの力仕事を任せられるロボット、病名や最適な処方の判定ができるAIが導入されれば、病院で主に必要なのは患者の心を慰めたり、話を聞いたり、「この患者さんはこういう傷跡を気にしそうだな」と気遣う部分になります。

技能的な面はどんどんAIに委託され、これらの職業が残ったとしても従事する人数は少なくなるでしょう。その一方で、今の労働環境は改善される……と願いたいです。

FP、会計士

会計士も「こうすれば節税できますよ」というアドバイスまで含めて、AIが担当できる日が来るとしています。

すでにオズボーン氏の論文では個人向けFP(ファイナンシャルアドバイザー)が消える職業にランクインしており、会計士も次に危うい立場にあります。

教師

教師はすでに、一部の優秀な講師の衛星放送やアプリが活用されています。仮にこの「優秀な講師たちのやり方」を学習したAIが生まれれば、教育はAIの仕事になりうるのです。

プログラマー

なんなら、AIを設計するはずのプログラマーすらとって代わられ、AIのプログラムをAIが書く未来という、笑えない予想を立てる人もいます。

ここまでの未来が実現するなら、ほとんどの人類は無職になりそうですし私は悠々自適の無職暮らしを目指したいところですが……。

真面目に将来を考えるとして、どんな仕事がこれから残っていくのでしょうか。

AIの発達した未来でも残る仕事とは?

ここまでで、私のように算数がめっぽうできない人間にもできる、そしてAIが奪えない仕事があります。

それは「感情のやりとり」が発生する仕事です。

感情のやり取りが発生する仕事は残る

たとえばカフェやバーといった飲食店の店員がすべきほとんどの「作業」は消えていくでしょう。掃除や会計、テーブル拭きはAIロボットでも可能です。

しかしお客様の顔を見て、今日はこんなカクテルがお好きかな、じゃあこんな話題を振ってみようかな……と、会話を生む仕事。これは人間に残された仕事です。

人間が尽くすことで生まれる価値は代替不可能

接客でも、高級アパレルブランドの販売スタッフは「なくなる仕事」に入っていませんでした。それは高級ブランドのスタッフが顧客へ与えるのは「特別な場で買い物ができるという高揚感」だったり、「かいがいしく執事のように尽くしてくれるホスピタリティ」だからです。

こういった、人間が尽くすことで生まれる価値はなかなかAIで代替できないからでしょう。極端な話ですが、同じ理由からキャバクラも消えにくい職業と予想できます。

感情労働はAIには難しい

ライターでも、「ゲームの攻略法やスポーツを解説するライター」は消えると予想されていますが、人生相談を受けるコラムニストは生き残る確率が高そうです。

カウンセラー、保育士、占い師も同様に主な仕事が「相手の感情を受け止め、慰めて勇気づけること」にあるため、AIでは補完しづらいはずです。

転職を視野に入れるなら「人間味」を考える

転職を考えているのなら、上記「残る仕事」をできるだけ選ぶようにしましょう。

事務系で転職を考えるのであっても、「取引先同士の事情を把握し、かなりの意訳もすることで取引をまとめられる翻訳担当者」や「なかなか職場を辞めてくれない、けれどリストラ対象になっている人の説得役」など、感情労働が求められる現場を選ぶのがカギ。こういったところでは人間が必要です。

これからの仕事は、感情労働が生き残る……なんだか逆に原始時代へさかのぼるような気もしますが、効率的な業務を競ってもいずれAIに負けるのであれば、感情をいかに仕事へ生かしていくかが重要です。

目の前の転職では同業他社へ動くのであっても、長い目では「この職場へたとえAIが導入されてもクビにならないよう、私が出せる感情労働の価値はなんだろうか」と考えてみるのが、手っ取り早い対策でしょう。

(トイアンナ)

※画像はイメージです

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