「人を見下す」人の心理と撃退法
何かというと人を見下す人っていますよね。いったい彼らは何を考えているのでしょうか? 人を見下す人の特徴や心理とその対処法について、コラムニストのやまとなでし子さんに教えてもらいました。
学校で、職場で、あなたは出会ったことがありますか? 人を見下す人々。
漫画『ワンピース』のハンコックのごとく、すべてを持ち合わせた美女であれば見下しすぎて天を仰がれても納得できますが、実際はそうではないのが現状。
人を見下す人って何を考えているのでしょう。
そんな見下す人々についてやまとなでし子的解釈をしていきたいと思います。
見下す人の特徴とタイプ
まずは、人を見下す人に共通してみられる特徴についてです。
彼らを観察しているといくつかのタイプに分かれます。
マウンティングの人生。人生すべてが勝負のフィールドタイプ
すべてのものに勝ち負けの精神を持って生きている彼ら。その対象はコミュニティでの評価や自分自身の学歴、休暇の過ごし方から持ち物、住んでいる場所や家柄、果ては彼氏、旦那の顔や学歴、年収にまで至ります。
自分がどれだけたくさんの軸で人に勝っているかを計算して、自分が上に立っていることを確認して安心し、悦に浸るのです。
幸せの評価軸は自分自身にはなく、どれだけ人より優れているか。
比較のために相手の情報を手に入れる必要があるので、ずけずけと個人情報に距離感なく踏み込んでくるのも特徴的。
また、ストレスを抱えやすく生きづらい傾向も。
自己評価が妙に高いタイプとコンプレックスの塊タイプ、その複合タイプがいます。
お前は神か。酔った説教オヤジタイプ
人のアラを探し相手を批判して悦に浸る、まるで酔って説教をしてくるオヤジのようなタイプ。
自己肯定感が異常に高く自分自身は完璧な人間のつもりでいるタイプと、自分を棚に上げて全知全能の神かのような目線で話してくるタイプの二種類がいるのですが、どちらも現実の姿は伴っていないので矛盾も多々。
モンスターエンジンの「神々の遊び」の如く、「お前が神だったのか」とツッコミたくなるものの残念ながら人間です。
人が劣っている点や失敗や間違いは大好物なので小さなことでも見逃しません。
「あなたのためを思って」と善人の皮を被って、ただ批判したいだけの陰湿なタイプもいるので見極めに注意。
私の身近にも、人のSNSにあがっているあらゆる写真を批評し、自分はすべてをわかっている人間かのごとくいちいちケチをつけていた知人がいました。
やれ料理の彩りにセンスがない、化粧の仕方が古い、その服にあのカバンの色はない、などと裏垢でつぶやいていたことがとある事情で公に。
そんな彼女がSNSによくあげていた料理の写真たち。実際あまり上手ではなかったがお料理が好きなのだろうと温かく見ていた周囲もさすがに我慢がならず、じゃああなたはどうなの? と、「人を批評する割に」を冠言葉に「お皿がいつも同じでこれしかないのか?」「なぜ毎回品数が1品?」「おいしくなさそう」などと逆に厳しく批評し返されることに……。
紀元前に生きてるの? インドもびっくりカーストタイプ
自分基準のカーストを作り、自分よりも上と判断した人には媚びまくり。下だと判断した場合には上の人に見られないよう裏でチクチクと見下す行為を働きます。
自分が認めた相手としか絶対に仲良くしないので友人関係も限られていたり、人数が極端に少なかったりします。
たとえば、私をいつも褒めそやしては「仲よくしたいです!」「ご飯や旅行に行きたいです!」と距離感にひいてしまうほどアグレッシブに誘ってきた後輩。
少しずつ違和感を覚えて距離を置いたところ、実は同期には「あなた本当に要領が悪いね〜」「仕事できないね」「私のほうが仕事ができるし評価もされている」などと見下す発言をたびたびしていたことが発覚。
ちがうコミュニティに行ったあとも自分軸のカーストを作り同様の行為を働いていました。
純粋培養天然物タイプ
実際に成果を出し続け、主に学業でトップを走ってきた中にまれにいるのがこのタイプ。
常にトップにおり蝶よ花よと褒められ、やれ優秀だ、神童だと祭り上げられてきたので、自分は選ばれし者という選民意識が強く、自分以外の人が下だという考え方が体に染みついてしまっているので、無意識のうちに見下してしまっているのです。
本人には見下している気はまったくないのですが、言葉の端々に見下すような態度や発言が含まれてしまうため、自然と人が離れていきます。
それに対して当人は「やっぱりバカとは話が合わない」で片づけてしまい、悲しきかな原因に気づくことはありません。
天然物でうれしいのはうなぎだけ。こちらの天然物はご遠慮願いたい。
見下す人の心理
人を見下す人は心の内で何を思っているのでしょうか。 続いては、彼らの心理を紹介します。
妬みの活火山
異常に負けず嫌いで嫉妬心が強く、人が自分よりも優れていたり評価されていると悔しさと妬みのボルテージがすぐに大噴火。
人が自分より劣っている点を見つけて安心したいのでそのために見下せるポイントを探しています。
たとえば仕事で圧倒的に勝ち目がなくても、「顔と彼氏のスペックは勝ってる! だから私のほうが総合的に幸せなはず」とむちゃくちゃな理論で人を評価して比べ、自分が上に立っていることを確認して安心したがります。
インスタント上昇志向
競争意識が強く、自分のほうが優れているという立場にいたい人種。
本来ならその気持ちをバネに努力をして自分を高めればいいものの、それをせずに言葉や態度で相手を落とす落とす。自分の能力も立ち位置も変わらないのに、そうすることで自分が優れた人間になった気になっているのです。
努力を伴わず一瞬で上に立ち、快感を得ようとする、まさにインスタント上昇志向。
サンドバッグ代わりにストレス発散
自分が下に見ている相手に対し、辛辣な言葉をぶつけることでストレスを発散して気持ち良くなっているのがこれ。
いじめっ子に近い精神構造で、自分より下と判断した相手のすることなすことに苛立ちを覚えやすく、その度に感情的に見下したり馬鹿にしたりするような発言をぶつけます。
他人をサンドバッグ代わりにするのです。
お手上げ。ナチュラルに性格が悪い
見下している意識がなくそもそも性格が悪いパターン。
三つ子の魂百まで。性格はなかなか変わらないし、変えてあげる義理もありません。
まさにお手上げ。安らかに成仏してください。合掌。
見下す人の対処法
続いては、人を見下す人の対処法や撃退法を紹介します。どうしたら見下されずにすむのでしょうか。
完膚なきまでに上に行く
向こうは常に相手のウィークポイントを探しています。
こちらを見下せる隙ができないほどに周囲の評価を受け、上の立場に行ってしまうのはひとつの手です。
鉄壁の個人情報保護
相手にとって見下すポイントに必要なのが個人情報。
どんな内容でも理不尽に見下す材料にしてくる可能性があるので、信用ができるまで相手には極力最低限の個人情報しか渡さないようにしましょう。
個人情報をディーフェンス! ディーフェンス!
伝家の宝刀「ふーん」
相手が見下してきたからといって決してあなたが下の立場というわけではありません。
あらゆる人に対してその愚行を働いている人なわけですから、話などまともに聞かず心の中で「ふ〜ん」で流しましょう。
「ま〜たバカなこと言ってるわ」と鼻で笑えるようになればこちらの勝ちです。
逃げるが勝ち
何においても最強なのがこれ。
そもそもの性格は変わらないのでかかわらないのが一番。
自分の素敵なお友だちだけ囲まれて楽しく過ごしましょう。接点がなければノーストレス。
見下す行為を見下そう
幸せの軸は自分の中にあるもの。
ですが、見下す人々は理不尽に人と比べることでしか幸せを見出せない哀れな人々です。
常に何かと比べ続け、安心することでしか生きられないその姿は泳いでいないと死んでしまうマグロのよう。
おまけに比べるということは常に勝ち続けられる保証もないわけで、哀れなことに彼らはその度にいらぬストレスを抱えているのです。
自分軸の幸せでひとところに落ち着いて生きていくことができる我々のほうが何万倍も幸せなはず。
生きづらくてかわいそうな人だと逆に彼らの行為を見下してしまいましょう。
(やまとなでし子)
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