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独り言が多い人の心理とは? 危険な独り言と対処法

高見綾(心理カウンセラー)

今回は、心理カウンセラー・高見綾さんに「独り言が多い心理」と、やめる(やめてもらう)ための対処法を教えてもらいました。

独り言が多い人は、精神的に不安を抱えているといわれています。

職場など身のまわりに独り言が多い人はいませんか? 独り言の多い人がいると気になるし、困ってしまいますよね。

では、人はなぜ独り言をつぶやくのでしょうか。中には、心のSOSを表すような危険なケースも。

今回は「独り言が多い心理」と、やめる(やめてもらう)ための対処法を紹介します。

独り言をつぶやくのは「ストレス解消」

独り言は、精神的に落ち着き、ストレス解消になるという効果があります。

一般的には、ひとり暮らしをしていたり、普段から人と話す機会が少なかったりすると、独り言が多くなる傾向にあるといわれています。

自分の声を聞くことで安心感が得られる

自分の話を聞いてくれる人がいないと、感情がどんどん溜まっていってしんどくなるもの。

そこで独り言をつぶやくことで、ストレスを解消し、不安や寂しさから自らを解放しようとしているのです。自分の声を聞くことで安心感が得られる効果もあるようです。

「よし、やるぞ!」というような自分を鼓舞する独り言や「次はこれをして、その次は……」といった頭を整理するような独り言は問題ありませんが、精神的に不安定になると「もうダメだ」といったネガティブな独り言が増えていきます。

男性の独り言は自己アピール?

男性が車の運転中に独り言をつぶやくシーンを見たことはありませんか? それは不安やイライラを解消して精神の安定をはかっている最中だということ。またひとりで黙々と作業する仕事などでは、考えを整理するためにつぶやいていることもあります。

恋愛において口下手な男性が好きな女性の前で独り言をいうこともありますが、これは自己アピールのためでしょう。

女性の独り言は「誰かと話したい」

女性は、おしゃべりすることでストレス解消をするので、独り言をいうときは誰かに話したいときです。

テレビにツッコミを入れたりぬいぐるみやスマホに話しかけたりする人もいますよね。

独り言が多い人の心理状態とは?

(1)ストレスを抱えている

不安や緊張などのストレスを抱えている傾向があります。不安な心を落ち着けるために、「大丈夫!」「よし!」など、自分に話しかけるようにしてバランスを取っています。

(2)寂しさや孤独感がある

寂しさや孤独感を感じたくなくて、気を紛らわせようとしています。

誰かに話を聞いてもらいたいけれど、話せる相手がいないときに独り言が出やすくなります。

(3)かまってほしい

コミュニケーションが苦手な人に多い心理です。

本来、自分から話しかければいいのですが、それができないため、独り言をつぶやくことでアピールしています。

「はぁ~」「困ったな」などとつぶやいて、あわよくば「どうしたの?」と気にしてもらいたいと思っています。

(4)自分の世界に入り込んでいる

仕事に没頭していて、頭の中で考えていることを整理しています。

マイペースな人に多く、自分の世界に入り込んで、まわりが見えなくなっている状態です。

心のSOSかも。危険な独り言は「ネガティブ」

ネガティブな気持ちになるような独り言は、心のSOSを表している可能性があります。

「なんて自分はダメなんだろう」「あぁ、またやっちゃった」など、自分を責めるような内容を頻繁に言うときは、精神的に不安定なときです。

「○○さんがむかつく」「こうなったのも全部アイツのせいだ」と他人を攻撃するような内容も要注意です。

中には、精神疾患が疑われるケースもあります。誰かに話しかけているような話し方や声のトーンで独り言を言っている場合は、統合失調症の幻聴が疑われます。

突然怒ったり、暴力的な発言をしたりするケースもあります。

ボーっとしていて元気のない様子で、ボソボソと自分を否定したり、悲観的な内容をつぶやいたりしている場合は心の病気が疑われます。

うるさくて気になる。「他人の独り言」を抑えてもらうには?

まずは自覚を促すこと

ストレスから独り言を言っている人は、自分では気づいていないことが多いので、まずは自覚してもらうことからはじめるといいでしょう。

独り言に対して「え?」「どうしたんですか?」と反応する、同僚や後輩などが相手であれば「独り言多いですね」と素直に伝えてみるのもひとつの方法です。

「大丈夫?」とフォローする

ただし、自覚を促しても、根本的な要因が取り除かれないと、独り言が減らないこともあります。

仕事に対する不安やプレッシャーなどが原因であるのなら、温かく見守りながら、仕事をちゃんと覚えていけるように周囲がフォローしてあげたり、「大丈夫?」「困ったら声かけてね」と声がけしたりしておくとよいでしょう。

助けを求めても大丈夫なんだと思ってもらえれば、少し安心できるはずです。仕事のストレスが軽減すれば自然と独り言は減っていくでしょう。

寂しさや孤独感が原因で、誰かに話を聞いてもらいたいと思って出る独り言の場合も、「どうしたの?」と声をかけ、何か悩みがないか話を聞いてあげると◎。自然と減っていくことが多いです。

かまってほしい相手には反応しない

助けを求めているのではなく、かまってほしくて独り言をつぶやいている人の場合は、独り言に反応しないほうがいいでしょう。

誰も反応してくれないことがわかれば、アピールする意味がなくなります。

かまってほしくて独り言をいう人は、基本的にコミュニケーション下手なので、その人を含めてざっくばらんに会話ができるような職場の状況をつくっていくことが大切です。

それでも独り言が減らないようであれば、上司からやんわり注意してもらうなどの方法を考えましょう。

独り言は不安や孤独感のサインかも

独り言は精神を落ち着けるためのものです。

しかし中には、病気の可能性など危険なものもあります。独り言が多い人は、何かしら精神的に不安を抱えていて、上手にストレスを発散することができていない可能性も。

職場など身のまわりにいると、うるさくて気になってしまうものですが、「なぜこの人は独り言を言うんだろう?」という視点で見てあげると、何か発見があるかもしれません。

身近な人であれば「どうしたの?」「何か悩んでいるの?」と声をかけてあげるといいでしょう。

職場のコミュニケーションが取れているような状態であれば、独り言は改善していくこともあるので、お互いにフォローし合えるといいですね。

(高見綾)

※画像はイメージです

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