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資格って必要? 転職に役立つ資格のとり方

藤井佐和子(キャリアアドバイザー)

ジョーンズ加奈恵

自分の思い描くキャリアを手に入れるために、転職を考える人は多いと思います。では転職するときは、何が自分の武器になるのでしょうか。学歴、職歴などが思い浮かぶと思いますが、その中でもこれから身につけられるのが資格。しかし、やみくもに資格を取得すればいいというわけではありません。そこで、資格取得して転職を成功させる秘訣や活かせる資格などを、キャリアカウンセラーの藤井佐和子さんに詳しく聞きました。

資格が転職に役立つ理由

資格を持つことは、転職にどれだけメリットがあるのでしょうか。資格に対して、企業がどのような部分に注目するのかを解説します。

資格は転職に有利って本当?

資格があるからといって必ずしも転職に有利なわけではありません。重要視されるのは経験です。また、資格がなくてもヒューマンスキルの高さ、たとえば、コミュニケーション力や全体を見る視野の広さ、チームプレー力、結果へのコミット力、持続性、問題意識の高さなど、人となりを見られることも多いものです。しかしながら、資格を持っていることで得られるメリットはもちろんあります。

資格があることの強み

転職するときに資格があることで得られるメリットは、以下のようなことが挙げられます。

経験の裏づけ

職歴が浅いなど、その人の経験が量りづらい場合は、資格がわかりやすい目安になります。社会人経験が少ない人や、営業成績や目に見える成果などのわかりやすい指標がない人は、資格があると経験の裏づけになるでしょう。

意欲の裏づけ

特に未経験の仕事にチャレンジしようとする際、資格取得してまで向き合おうとする意欲が評価につながることもあります。

経験不足を補う知識として

未経験の仕事に転職を検討している場合は、資格を持っていることで、経験のなさを知識で補える可能性があると評価されます。

持っている資格は全部履歴書に書くべき?

転職の際、履歴書と職務経歴書を提出する企業も多いですが、履歴書にはすべて記載した方がよいでしょう。逆に、職務経歴書はその仕事に必要なものを中心に記載しましょう。その理由は、履歴書はその人となりを見るためのもの。一方で、職務経歴書はどんな仕事経験があるかを見るためのものだからです。役立たなくても、履歴書に書いてある仕事は面接時の会話の糸口になることがあります。

資格取得によって転職を成功させるには?

転職するときに資格があると有利になるからといって、やみくもに取得すればいいわけではありません。取得するにあたって失敗しない方法を紹介します。

下調べをする

どんな仕事なのか下調べせずに、資格取得に時間を費やしてしまわないように注意しましょう。実際に3年かけて国家資格を取得したにもかかわらず、いよいよ仕事がスタートというときに向いていないことに気づいて悩んでいた人がいました。まずはその仕事の実態を知り、自分に向いているのか、思っていた理想とのギャップはないかなどを調べてから勉強をスタートしましょう。

途中でやめる勇気を持つ

時間もお金もかけて資格取得に向けて勉強をスタートしたものの、途中で自分に不向きだと気づくことも。それなのに「着手し始めてしまったから……」と最後まで時間とお金を費やすこともやめましょう。途中でやめる勇気も必要です。

離職期間が長くならないようにする

退職して資格取得に専念し、その結果ブランクの年数が長くなってしまうケースも。国家資格など、集中して勉強に時間を費やさないと取れないものもありますが、現状の仕事と両立できるようであれば両立をオススメします。離職期間が1年以上になると、ブランクとみなされてしまうこともあります。

資格取得の目的を明確にする

持っているならどんな資格でもよいということではありません。自身がチャレンジしたい仕事にマッチした資格かどうかが大事です。過去のカウンセリングでは、仕事に紐づかない資格を取得する人を見かけました。その人たちに理由を聞くと「この資格を持っていると何かと有利だと思った」という返答が多いのですが、大事なのは資格を何に活かしたいのかです。弁護士、医師、美容師などの国家資格がないと就けない仕事はありますが、経験があれば資格取得していなくても就ける仕事もありますので、こちらも事前にきちんと調べておく必要があります。

今後ニーズのある資格が必要な仕事って?

転職の目的や就きたい仕事によって、資格取得の必要性が変わってくることがわかりました。しかし、資格が必要になる仕事、資格を持っていると就きやすい仕事はもちろんあります。

今後ニーズのある資格が必要な仕事としてオススメなのが、安定して職を得られる不動産業や、これから需要が高まるであろう保育・介護・ペットにかかわる業務です。

不動産業界は、いつの時代も仕事が存在します。不動産業に就きたいなら、不動産取引の専門家を示す国家資格である宅地建物取引士(宅建)がオススメです。

また保育・介護・ペットにかかわる仕事は、今後ニーズが高まるといえるでしょう。必要な資格としては、保育士、介護福祉士、ペット介護士(動物介護士)などが挙げられます。

AIやロボティクスの進化が著しい昨今、今後なくなる仕事や、逆に新しく必要となる仕事が出てくるでしょう。新たに需要のありそうな仕事や人手不足の仕事に必要な資格は、持っておくと役に立つでしょう。逆を言えば、なくなる仕事の資格を取得しないよう、気をつけたいものですね。

就ける仕事に必要な資格取得なら役に立つ

多くの人が転職するときに、資格はあるに越したことはないと思ってしまいがち。しかし、必ずしも資格があるからといって転職時に有利に働くものではありません。必要なのはチャレンジしたい仕事にマッチした資格かどうか。長い時間をかけて、仕事に紐づかない資格をがんばって取得してしまったということがないようにしましょう。重要なポイントは、あくまでも資格を何に活かしたいのかということです。

(文:藤井佐和子、構成:ジョーンズ加奈恵)

※画像はイメージです

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