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人のせいにする人の心理とは? 特徴とケース別対処法

織田隼人(心理コーディネーター)

篠崎夏美

人のせいにする人の心理や特徴とは? 仕事で上司や同僚にこのタイプがいると、困ってしまっていますよね。心理コーディネーターの織田隼人さんが対応のコツを解説します。

職場や友人など、周りに「人のせいにする」人はいませんか? なんでも責任を人に押しつける人がいると、対処に困りますし、ストレスが溜まりますよね。そこで、人のせいにしてしまう心理と、そんな人への対処法を心理コーディネーターの織田隼人さんに教えてもらいました。

人のせいにする心理

そもそも人のせいにしてしまう心理とは、どういう心の状態なのでしょうか。主な心理状態を3つご説明します。

自分の間違いを認められない、認めたくない

自分の行動が正しいと思っており、その結果間違いを認められない人は、人のせいにすることがあります。自分が正しいと思っているので自分自身の過ちを認められないのです。人のせいにする人は、プライドが高かったり、自分に自信がなかったりする場合が多いです。そのような人は自分の過ちを認めると心が折れてしまうので、自分の正しさを示すために間違いを認めず、人のせいにしてしまうのでしょう。

責任を別の人に転嫁したい

謝ってしまうと自分に責任がのしかかってきて面倒になるので、その面倒ごとを避けるために人のせいにしてしまう人も。このタイプの人はその場限りのウソもつきやすいので要注意。「とにかくその場だけ丸く収めてこの場を逃げてしまおう」という人は、人のせいにしてしまう傾向があります。

自分を責めることから逃れたい

受け身の人に多いのですが、「自分は誰かに言われてやっているのだから、自分のせいではなく言った人の責任である」という形で人のせいにする人もいます。この場合、とにかく自分は言われたことをやる、という受動的な立場をとって、できる限り責任を逃れようとしていることが多いです。責められる、というのは漢字を見てもわかるように「責任を負うこと」。責任を負いたくないので、主体的に動くのではなく受動的に動く人にこの傾向が強いようです。

人のせいにする人の特徴

人のせいにする心理は、「心の弱さ」が元になっているようです。しかし誰でも弱い部分はあります。そこで、人のせいにする人にはどのような特徴があるのかをご説明します。あなたの周りの「人のせいにする」人に、あてはまるのではないでしょうか。

自分に自信がない

人のせいにする人は「責任を負う能力が欠けている」ともいえるでしょう。なんとなく自分でも、責任を負って対処することが難しいと感じているので、責任から逃れようとします。この背景にあるのは自信のなさ。自分の能力があまり高くないことを薄々自分で気づいているので、責任を回避しようとするのです。

反省をしない

人のせいにする人は自分で責任をとらないように動くので、あまり反省をしない傾向にあります。反省をしないと自分にフィードバックがないので行動が改善されません。同じ失敗を繰り返す人は反省をしないことが多く、それは人のせいにする人の特徴でもあります。

言い訳が多い

人のせいにしづらい時に言い訳をすることが多いのも特徴です。とにかく責任を負わないためにいろいろと手を尽くすので、人のせいにしたり、言い訳をしたり、表面上だけ取り繕ったり、ウソをついたりといろいろと面倒なことをしてきます。その場限りの対処をすることが多でしょう。

人のせいにする人の対処法と上手な付き合い方

人のせいにする人と付き合わなければならないときは、どんな対処や付き合い方をすればよいのでしょうか。自分のせいにされた場合と、近しい人が「人のせいにする」人の場合についてご説明します。

自分のせいにされた場合

エビデンス(証拠)を突きつける

人のせいにする人と一緒に仕事をしたり、プロジェクトを組む場合には、マメに議事録をとったり、発言を残したり、資料を積み重ねてエビデンス(証拠)を作っていく必要があります。いざという時にはエビデンスで「○月○日にこの発言がありました」と見せて自分に責任を押しつけられるのを避けるようにしましょう。しっかりと相手に責任があることを突きつけなければ、相手からどんどん責任を押しつけられてしまいます。

周りを巻き込んでおく

人のせいにする人は噂をばらまいたりすることもあるので、自分の周りの人とこまめに情報共有をしておきましょう。普段から味方をつけておくことが大切です。味方となってもらうのは同僚だけではなく、上司も必要です。人のせいにする上司の場合には、その人より役職がもうひとつ上の上司と情報共有をしておきましょう。

深く関わらず、距離を置くようにする

人のせいにする人と親密にやりとりをすると、どんどん面倒ごとが増えていきます。失敗を押しつけられたり、面倒な仕事を押しつけられたりしやすくなるケースもあります。ですので、人のせいにする人とは徐々に距離を取ることも必要でしょう。あまりにひどい場合には転職なども考えたほうがいいかもしれません。人間関係をバッサリと切ることが必要なときもあると思います。普段から逃げ道をしっかりと準備しておきましょう。

彼氏や親など近しい人が「人のせいにする」人の場合

距離を置くことができないか考える

身近な人が人のせいにする人の場合であっても、距離が置けないかどうかを考えましょう。恋人の場合には別れた方がいいかもしれません。親族の場合には別居についても考えましょう。別居が無理でも、仕事などを言い訳にして上手く距離を置くことを考えたほうがいいかもしれません。とにかく距離を置くことが、心の平穏に繋がります。

相手の言葉にあまり耳を貸さないようにする

相手の言葉を真に受けすぎず、スルーするスキルを身につけることも有効な手段。たとえばセミが鳴いていても、人はそれほど気にならないもの。相手が人間だから気になっているだけなのです。相手のことをセミのようなものだと思って、話をあまり真剣に聞かないようにしてください。スルーするスキルを身につけて心の距離を取っていきましょう。

自分の情報を相手に伝えないようにする

人のせいにする人と親密に関わる人ほど、その被害を受けやすいもの。人間関係の深さというのは付き合いの長さ、付き合いの量、そして情報の密度によって変化します。付き合いの長さや付き合いの量が変えられない場合には、情報の密度を下げる必要があります。相手に対して自分の情報をあまり伝えないようにすると、相手はこちらのことを上手く扱えないようになるはず。情報を与えるということは隙を見せることに繋がりますので、隙を見せないためにも自分の情報を伝えないようにしましょう。

人のせいにする人とは距離を取ることが大切

人のせいにする人への対策として一番いいのは、なるべく関わらないようにすることです。ただそれが難しい場合には、証拠を残したり、周りを味方につけたりして対応する必要があります。人のせいにする人には困ってしまいますが、スルーするスキルも身につけて、面倒に巻き込まれないようにしたいですね。

(文:織田隼人、構成:篠崎夏美)

※画像はイメージです

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