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出汁をマスターすれば料理上手に! 素材別「出汁の取り方」基本のレシピ

須賀いづみ(フードデザイナー/フードライター)

朝日絵美瑠

お店で出てくる和食のおいしさは、出汁のちがいにあると言われています。家庭では、粉末出汁や出汁パックで手軽に済ませがちですが、きちんとていねいに出汁を取って使えば、料理の味は格段にレベルアップするはず。作り置きしておくことで毎日の手間もかからないので、基本の出汁の取り方はぜひ覚えておきましょう。フードコーディネーターの須賀いづみさんに、出汁の種類や取り方について教えてもらいました。

覚えておきたい基本の出汁の種類

出汁の種類はさまざまで、どんな味わいに仕上げたいかによって出汁の種類を変えるのが料理上手になるためのポイントです。まずは、料理初心者の方が最初に覚えておきたい、代表的な出汁の種類について説明します。

かつお出汁

かつお出汁は、豊かな風味とうまみ、上品な香りを合わせ持っているのが特徴。和食の基本と言われています。お味噌汁や煮物、麺類のつゆなど、家庭料理によく使われるので、出汁の中でも最初に覚えておきたい種類です。

昆布出汁

シンプルな味わいの昆布出汁は、出汁としては控えめなので、食材の香りや味わいを強めにアピールしたいときに向いています。よく使われる料理としては、湯豆腐や鍋料理、炊き込みご飯、根菜の煮物などがあります。薄味で仕上げたい料理に重宝するのが昆布出汁です。

一番出汁

一番出汁とは、昆布とかつお節の両方のうまみを合わせた出汁のこと。昆布に含まれるグルタミン酸とかつお節に含まれるイノシン酸が合わさることで、うまみ成分が7〜8倍にもなると言われています。クセがなく、上品で贅沢な味わいで、お味噌汁なども一番出汁を使うと格段においしくなりますよ。

煮干し出汁

小魚を煮て干したもので取る出汁で、小魚は片口いわしが一般的です。ほかの出汁に比べてしっかりとした味わいで、煮干し独特の豊かな香りが特徴。お肉を使った煮物によく合います。また、地域や家庭によってはお味噌汁にもよく使われていますね。ただし、煮干しは酸化しやすいのが難点なので、一度開封したらすぐに使い切るか、密閉袋などに入れて冷凍保存するようにしましょう。

素材別「出汁の取り方」基本のレシピ

出汁の種類を覚えたら、実際に出汁を取ってみましょう。手間がかかるイメージがありますが、慣れてしまえば実は簡単です。忙しい方は多めに作り置きして、ぜひ毎日の料理に生かしてくださいね。

かつお出汁の取り方

材料

・かつお節 約20〜30g
・水 1リットル

手順

1.水を入れた鍋に火をかけ、鍋底にふつふつと気泡が出てきたらかつお節を入れる。

2.すぐに火を止め、2〜3分そのまま時間をおく。

3.ペーパーを敷いたザルでこしたら、できあがり。

ポイント

水1リットルに対して、かつお節をたっぷり30gほど入れると、うまみの濃い贅沢な出汁が取れます。かつお節は、入れたらすぐに火を止め、出汁がにごらないようにしましょう。こした後の残ったかつお節は、しっかり水気を切って佃煮にするのがオススメです。

昆布出汁の取り方

材料

・昆布 10g
・水 1リットル

手順

1.水に昆布を30分ほどつけておく。

2.1を中火にかけ、沸騰直前に火を止める。昆布のフチから小さな気泡が出てくるのが目安。

3.すぐに昆布を取り出したら、できあがり。

ポイント

昆布を沸騰した状態でグツグツ煮てしまうと、雑味が出てしまいます。そのため、沸騰直前に火を止めて、素早く昆布を取り出すようにしましょう。また、昆布は、5時間から一晩ほど水につけておくだけでも出汁を取ることができます。時間があるときには、ぜひ試してみてください。

一番出汁の取り方

材料

・昆布 10g
・かつお節 20g
・水 1リットル

手順

1.昆布出汁を取る方法で、昆布を煮出して取り出す。

2.火を中火にし、鍋底に気泡がふつふつ出てきたら、かつお節を入れる。

3.すぐに火を止めて、そのまま2〜3分おく。

4.3をザルでこしたら、できあがり。

ポイント

昆布出汁と同じく、雑味が出ないように昆布は沸騰直前に火を止めて素早く取り出しましょう。かつお節を入れたらすぐに火を止めるのも忘れずに。

煮干し出汁の取り方

材料

・煮干し(頭と腹わたを取ったもの) 30〜40g
・水 1リットル

手順

1.煮干しの頭と腹わたを取り除き、フライパンで3〜4分空炒りする。

2.1を水に30分ほどつけた後、中火にかけて沸騰したら弱火にする。アクを取りながら3〜4分煮出し、火を止める。

3.2をザルでこしたら、できあがり。

ポイント

煮干しの頭と腹わたは、ひとつずつていねいに黒い部分を取り除きましょう。そうすることで、雑味のないおいしい出汁に仕上がります。

作り置きした出汁の保存法

毎日、使いたいときに使う分だけ出汁を取るのが理想ですが、忙しいときには作り置きしておくのも便利です。今回ご紹介した出汁は、どれも冷蔵庫で2〜3日間保存が可能。ピッチャーなどのボトルに入れて保存しておけば、料理のときに使いやすいのでオススメです。冷凍なら、約3週間は保存できます。密閉袋や製氷機に入れて、自分が使いやすいようにストックしておくと、手際よく料理に活用できますね。

出汁もおかずと同じように、週末にまとめて作り置きしておけば、慌ただしい平日も効率よく料理ができます。特に、朝から簡単においしいお味噌汁が楽しめるのもうれしいですね。

慣れれば簡単! 出汁をマスターしてお店の味を目指そう

料理の味がイマイチうまくまとまらないという人は、ぜひ出汁にこだわってみましょう。料理のベースとなる出汁をていねいに取るだけで、お店の味に近づけることができます。出汁を取るのは面倒に思えますが、須賀さんに教えてもらった手順に慣れれば、意外と簡単にできそうですね。保存もできるので、ぜひトライしてみましょう。彼や家族にも喜ばれる味を目指して、この機会に出汁をマスターしてください。

(文:須田いづみ、構成:朝日絵美瑠)

※画像はイメージです

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