お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【ケース別】志望動機の書き方と例文

壷井央子

篠崎夏美

履歴書を書く上で欠かせないのが「志望動機」。その会社で働きたい気持ちを企業側に伝えるためのものですが、いざ書こうとすると言いたいことがまとまらなかったり、どんな要素を入れればいいのか悩んでしまったりする人も多いはず。そこで、志望動機の書き方やNGポイントについて、キャリアコンサルタントの壷井央子さんに教えてもらいました。

志望動機の基本的な書き方

志望動機を書くとき、何を意識すればいいのでしょうか? 企業側に自分の思いを伝えるための基本をご紹介します。

採用ページからキーワードをピックアップする

応募企業について調べ、響いたキーワードをピックアップすることが基本です。応募企業の情報で一番わかりやすいのは、企業HPとは別に作られている「採用ページ」。そこには、自社の応募者のために、事業の内容や仕事内容などが企業HPよりわかりやすく記載されています。特に「新卒採用のページ」は言葉をかみ砕いてわかりやすく記載されているので、ここから自分に響くキーワードを見つけるとよいでしょう。

たとえば、採用ページの「ひとりの夢中が、明日を変える」というキーワードが心に残ったとしたら、それをもとに「仕事を通じて自分を成長させていきたいと常に思ってきたため、『ひとりの夢中が、明日を変える』という言葉に共感し、応募いたしました」というように自分に紐づけて記載します。

自分の経験と結びつける

上記のポイントを使い、「貴社の理念やメッセージに共感しました」や「○○ができるという貴社の仕事に興味を持ちました」と記載しても、これだけではほかの応募者の中に埋もれてしまう可能性が高いです。大切なのは、自分の経験や体験を加えてオリジナルの志望動機に仕上げていくこと。

中途採用であれば、過去の就業経験をどう生かせるかを記載しましょう。たとえば「事務経験を生かしたいと考えており、今までは営業事務のみでしたが、今後は総務など会社全体に関わる事務経験を積みたいと考え応募いたしました」など。「自分の体験・経験」と結びつけることが、あなたにしかない志望動機になる重要なステップです。

転職理由と志望動機を結びつける

転職する際の志望動機として大事な要素があります。それは今回の“転職理由”が、応募する企業の“志望動機”につながっているかどうかという点。今の(前の)会社を「なぜ辞めたいか」という理由が、応募する企業で「なぜ働きたいか」という理由につながると、一貫性が出てより強いアピールになります。

たとえば、「営業職という仕事から事務職へ転向したいと思い、転職を決意いたしました」と転職理由を伝えたとします。一方で志望動機は「前職でも成長を意識して業務に取り組んできており、貴社の成長意欲が高い風土でチャレンジしたいと思い、応募いたしました」となると、それぞれにつながりがないのでアピールとしては少し弱くなります。

こうした場合は、志望動機を転職理由と結びつけ「貴社の事務職においては自身の営業経験を活かしながら営業の方が何を求めているかを理解し、営業事務として業務を円滑に進めていくことができると考え、応募いたしました」とすると、転職理由と志望動機がつながり、いいアピールになりますよ。

NGな志望動機

続いて、よくない志望動機の書き方例についても教えてもらいました。

自分の思いだけを書き連ねている

「私はこんなことがしたいと思いまして」、「こんなことができると思っていまして」という、ひとりよがりの志望動機はよくありません。そのため、会社の情報(会社が重要視しているポイント、会社が求めている部分) も調べずに自分の思いだけを書くのはNG。「自分のしたいこと」や「自分ができること」が、会社が求めていることとマッチしているかが就職活動においては最も重要です。

会社のキーワードと自分の思いだけで終わっている

企業のことを調べてキーワードと自分の思いをつなげて書いただけでは、まだ志望動機の完成度は50%。たとえば「仕事を通じて自分を成長させていきたいと常に思ってきたため『ひとりの夢中が、明日を変える』という言葉に共感し応募いたしました」だと、誰でも言える志望動機となってしまいます。ここに自分なりの「体験」や「経験」を加えることで、志望動機は自分のものになりますよ。

いくつも志望動機を書く

思いが強ければ強いほど、「あのキーワードもいいし、この言葉もいい。自分のあの経験とあの体験も入れて……」とすべて織り交ぜようとし、て3つも4つも志望動機を書いてしまいがちです。志望動機は1~2つに絞るのがいいでしょう。そのほうがあなたの思いもしっかり伝わるはず。

【ケース別】志望動機の書き方と例文

最後に、これまでの解説を踏まえて、バイト、新卒、転職、それぞれケース別に志望動機の書き方と例文をまとめました。

バイトの場合

地元に貴社の店舗があり、何度かお店に行く中で、店員の方の対応が非常にいい点に、しっかりした教育体制があると感じていました。また今回の応募にあたり、貴社のHPなどを拝見いたしまして「社員の育成」というキーワードが多く、この点に大変力を入れられていることを感じ、自分が成長できる環境があると考え志望いたしました。

ポイント

・応募企業を調べ、響いたキーワードをピックアップする
・自分の経験と結びつける

新卒採用就活の場合

大学時代の接客のアルバイト経験より、自分の接し方ひとつでお客様の反応が変わったことから、お客様と向き合っていく営業という仕事に興味を持ちはじめました。また、調べていく中で貴社の「ひとりの夢中が、明日を変える」という言葉に、自分が一生懸命対応した行動や思いひとつで「お客様の対応も変わっていく」と考えてきた自分の信念とつながりました。貴社の営業として、夢中になってお客様に向き合っていきたいと考え、貴社を志望いたしました。

ポイント

・応募企業を調べ、響いたキーワードをピックアップする
・自分の経験と結びつける

転職の場合

自身の営業経験を活かし営業のサポート業務をしたいと考え転職活動をしていく中で、貴社の営業事務職の募集を拝見しました。自身の営業経験と、営業の方が何を求めているかを理解できる強みを生かし、営業事務として業務を円滑に進めていくことができると考えています。

また貴社のHPにある「ひとりの夢中が、明日を変える」というキーワードに、今まで仕事に対して真剣に思いを持って取り組んできた自分にとって、貴社の業務においても夢中で取り組んでいける環境があると感じまして、今回貴社の営業事務職を志望いたしました。

ポイント

・応募企業を調べ、響いたキーワードをピックアップする
・自分の経験と結びつける
・転職理由と志望動機を結びつける

志望動機の書き方はバランスが大切

志望動機を書く際には、自分の思いを書き連ねるだけではいけません。企業情報から求められる人物像を読み取り、自分の経験やスキルをアピールする必要があります。これらをバランスよく盛り込むことを意識してみてください。今回ご紹介したポイントを踏まえ、ぜひあなたの熱意が伝わる志望動機を書いてみてください。

(文:壷井央子、構成:篠崎夏美/マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

SHARE