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できる大人のマナー。飲み会後のお礼メール作法

松本繁美(マナーアドバイザー)

おぜきめぐみ

社内の飲み会、社外の方との会食……。社会人になると仕事関係の飲み会は多くなります。そんな飲み会後のお礼メールは、社会人としてのマナーのひとつ。あなたも気のきいた1通のメールで、ワンランク上の好印象を残してみませんか? 飲み会後のお礼メール作法について、マナー講師の松本繁美さんに解説してもらいます。

飲み会後のお礼メールの重要性

お礼メールの重要性1:お礼は人間関係の基本

飲み会でご馳走になった場合はもちろんのこと、割り勘であっても、お礼はすべきです。誘ってもらったことについて、時間を割いてもらったことに対して、感謝すべきだからです。プライベートな友だち同士で飲み会をしても「楽しかったね!」「おいしかったね!」など、終わったあとにメールのやりとりをしますね。それと同じことです。人間関係の基本だと心得ましょう。(松本 :「  ~よね。」という言葉遣いはこのましくありません。)

お礼メールの重要性2:お酒の失敗もメールでフォロー

飲み会ではお酒の力も手伝って、開放的な気分になります。そんなときにどんな態度で、どんな話をするのかが、飲み会の目的でもあるわけです。つい本音トークをしたり、不満をぶちまけたり……。それらをシラフになったときに、お礼のメールでリカバリーやフォローをするのが、社会人としての腕の見せどころでもあります。

お礼メールの重要性3:次に繋げるためのツール(道具)

飲んだら飲みっぱなしでは、ビジネスにおける飲み会の効果は期待できません。次に繋げるためにも、お礼のメールがとても役立ちます。また、飲み会では酔ったところを見せても「お仕事モードに入れば、きりっとした行動を取れる!」というアピールをするためにも、お礼メールはかかせませんよ。

飲み会後のお礼メールを送る際のポイント

ポイント1:お礼メールはスピードが命

まずはできる限り早く送信しましょう。とはいえ、終わってすぐの帰路の途中では、時間が深夜に及んでいたりしますのでNG。よほど親しい相手先や、先輩、同僚宛ならかまいませんが、ビジネスとなれば、翌朝一番に送信するのがベストだと考えます。

飲み会が金曜だった場合は、翌週のはじめに届いているのが望ましいでしょう。ただ、月曜は受信メールもことのほか多いはず。件名を工夫してアピールできるとビジネス上級者です。

ポイント2:誤字脱字などのミスには要注意

メールを急いで送る際に、もっとも気をつけなければならないのは、誤字脱字はないか、敬語がきちんと使えているのかなど、初歩的なミスについてです。もちろん、普段からビジネスメールともなれば、神経を使わねばなりません。これらのケアレスミスには気をつけましょう。

せっかく飲み会でコミュニケーションがとれたのに、メールで失敗してしまっては何の意味もありませんよね。また、飲み会で相手と親しくなったからといって、急に親しげなメールを送るのも考えもの。ビジネス上では、ある程度の距離感も必要です。

飲み会後のお礼メール例

相手別のお礼メール例

上司宛の例文

○○課長(部長など、役職名)

昨晩はご一緒いただきまして、誠にありがとうございました。

○○課長の数々のご経験話を伺うことができ、あらためて課長への尊敬の念を感じとりました。私も及ばずながら、○○課長のように素晴らしい成果を出せるよう、励んでいこうと心に決めました。

また、ご一緒の機会を作っていただければ幸いです。

今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

先輩・同僚宛の例文

○○さん(先輩・同僚)

昨晩はご一緒いただきまして、本当にありがとうございました。

おいしいお食事とお酒をいただきながら、盛りだくさんのお話ができ、会社という組織を忘れてしまうほど、楽しかったです。

また、お仕事でのご苦労なども具体的に伺うことができ、とても勉強になるとともに、励みにもなりました。

これからも、さまざまなアドバイスやヒントを賜れれば幸いです。そして、また、ご一緒できます機会を作っていただけると嬉しいです。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

取引先を接待した場合の例文

株式会社□□ ○○様

いつも大変お世話になっております。△△株式会社の☆☆です。

昨日はご多忙にもかかわらず、お時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
お話も盛り上がり、楽しく有意義なひとときを過ごせました。

また遅くまでお付き合いいただきまして、申し訳ございませんでした。

○○様と、お酒の席ならではのお話もでき、プロジェクトが素晴らしい展開になりそうで、わくわくしながら帰路につきました。

私どもも、ベストをつくして取り組んで参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

取り急ぎ、メールにて御礼申し上げます。

取引先に接待を受けた場合の例文

株式会社□□ ○○様

いつもお世話になっております。△△会社の☆☆です。

昨日はすっかりご馳走になりまして、誠にありがとうございました。

素晴らしいお店で、お料理も最高でした。特に〇〇と○○酒は絶品でした。

今回のプロジェクトの流れも、お互いに良い方向に向かっていることが確認できたような気がします。

次回は私どもでお席を設けたいと考えております。また、お時間を作っていただければ幸いです。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

飲み会後のお礼メールにふさわしい件名

・昨晩のお礼
・飲み会のお礼
・御礼

など、わかりやすい件名で大丈夫です。

結びの文章例

よろしければお時間のあるときに、またお声がけいただければ幸いです。

至らない点も多々ございますが、今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

メールの「放し(ぱなし)」はNG

お礼のメールを送信したからといって、それで終わらせては一流のビジネスとはいえません。飲み会で話題に上がったビジネスの案件を実行、あるいは段取り、調査などをして、相手にいいタイミングで伝えたいものです。そうすれば、相手(取引先、上司、先輩、同僚)は、「ああ、飲み会が無駄ではなかった……」と思ってくれるでしょう。

次に繋げるためにも、お礼のメールはゴールではなく、きっかけだと考え、次のコミュニケーションをどのように取るのかを考えましょう。

スマートなお礼メールで、次に繋げよう

飲み会とはいえ、仕事上のお付き合いは色々と気をつかいますよね。せっかくの機会を無駄にしないためにも、上記を参考に、スマートなお礼を習慣づけ、次のステップに繋げていきましょう。

(監修・文:松本繁美 文:おぜきめぐみ)

※画像はイメージです

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