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ビジネスでは「ずる賢い人」ではなく「賢い人」が生き残る理由

ぱぴこ

「あの人ってずる賢いよね」なんていう噂を一度は聞いたことがあるでしょう。「ずる賢い」とは、ネガティブな言葉なのでしょうか? その特徴は? 外資系OLコラムニストのぱぴこさんが詳しく解説してくれます。

「賢い」と言われた時、どう感じるでしょうか? 一般的には褒め言葉だと取ると思います。

では、「ずる賢い」と言われたら? どう好意的に解釈しても、ディスられたなと感じるでしょうし、「なぜそんなことを言われるのだ……」とショックを受けるのではないでしょうか。

たった2文字付くだけで、正反対の印象を持つ「賢さ」ですが、スマートで賢い大人になりたいと願うのは当然のことといえます。

今回はこの「ずる賢い」と「賢い」の違いと、本当の賢さを獲得するための方法を考えていきましょう。

「ずる賢い人」と「賢い人」の違い

ずる賢いとは、「きわめて巧妙に悪知恵を働かせるさま」(引用:三省堂)とされています。「ずるいこと」を思いついて実行するのがうまく、それが身に染み付いているといえるでしょう。

例えば、法の抜け穴や制度の欠陥を突いて成果につなげる人は、「ずる賢い」と揶揄されることもあります。しかし、この場合は間違いなく「賢さ」を持つ人でもあります

ただ、上記のような「抜け目のない手法」を使う人の態度が横暴であったり、過度な成果主義に走る結果、手段を選ばないような人であったりすると、「賢さ」という褒めるニュアンスが消えていき「ずる賢い」というネガティブな印象で語られることが多くなります。

法を犯さない限り「ずる賢い」の手法は元より、その人の人間性や態度にも紐付いているといえます。つまり、賢さの発揮方法と、それを行使する人の態度や悪意の有無で「賢さ」は容易に「ずる賢さ」に変わるということです。

参考記事はこちら▼

あなたの「賢い人度」を診断でチェックしてみましょう。

働く上で「ずる賢さ」って必要なのか?

では、ポジティブではない言葉として取られることが多い「ずる賢い」ですが、仕事をする上で「ずる賢さ」は必要なのでしょうか?

ビジネスの世界で、常に正攻法及び性善説で突き進むと痛い目を見るイメージがあり、「ずるさ」がある人の方が出世するような気が個人的にはしています。しかし、それは本当に「ずるい」のでしょうか。

日本でいわれる「ずるい」という言葉や感情は、「自分は我慢してルールに沿って生活しているのに、それを逸脱して“良い思い”をしているようで妬ましい」という感情からきているように思います。

先に述べたように、「ずる賢い」は手段や手法よりも結局はその人の人柄や態度に紐付く印象です。したがって、ビジネス上での「ずるさ」は必要ですが、周囲の人から「ずる賢い」と言われる場合には自分自身の姿勢を振り返ることが重要になるでしょう。

「ずる賢い」と言われてしまう人の5つの特徴

(1)人によって態度を変える

「ずる賢さ」を感じてしまう瞬間は、人によって態度を変える場面を見た時ではないでしょうか。

特に地位や立場が上の人に対しては丁寧に接し、自分より立場が下だと判断する人には横暴……などの対比を見ると、「ずるい人だな」という印象を持たれてしまいます。

(2)損得勘定で動くのが人に伝わる

自分の利益になるのであれば頑張るが、そうでない場合には非協力的など、自分の損得で動いているのが見えると、これも「ずるさ」を感じさせてしまいます。

(3)目的のために手段を選ばない

自分の目的のために、人を利用することがあるでしょう。本人にとっては目的を達成するための合理的な手段なのですが、周囲の人からは「そこまでしなくても……」という感情を抱かれてしまうことがあります。

(4)社交的でアピールがうまい

ずる賢い人は、表立った活動や成果のアピールがうまいことが多いです。極端な表現ではありますが「何かしらの成果を上げていない人=うらやましい部分がない人」を、人は「ずる賢い」とは言わないからです。

「あの人は良い人だよね」「優秀だよね」という声が上がるような、成果を引き寄せる行動が上手な特徴があります。

(5)抜け穴を見つけるのがうまい

制度やルールの抜け穴を見つけて、それを利用するのがうまい人も多いように思います。明文化されていない暗黙のルールや常識を、あえて無視したり、禁止されていないギリギリのラインを攻めて効率的に成果を出したり。

ほぼ才能といっても差し支えないですが、誰にでもできることではないので「ずる賢い」振る舞いとして目立ちます。

参考記事はこちら▼

ずる賢い人とは損得勘定で物事を考えがち。あなたはずる賢いタイプでしょうか?

「ずる賢い人」ではなく「本当に賢い人」になるための3つの方法

ここまで見てきたように「賢い」と「ずる賢い」は結局のところ、その人の態度や印象に左右される部分が大きいといえます。つまりやり方があくどくても、「善人」の皮を被っていれば良い……という見も蓋もない言い方ができます。

最後に、「賢い人」と判断されるために心掛けるといい3つのことをお伝えします。

(1)無理をしないで適度に人に頼る

お伝えしてきたように、「ずる賢い」と判断されないためには周りからの印象を悪くしないことが大切です。そのためには、自分の態度や感情を一定に保つことが必要となるでしょう。

「スマートな人間は何でも一人でこなせるだろう」という間違った認識から、業務を抱え込みすぎるとキャパオーバーしてしまいます。そして、イライラしてしまったり、無謀な要求をし続けたりすると、悪評が立ちかねません。

人に頼ることを忘れず、ゆとりを持って仕事をしましょう。

(2)共感するふりができる

行き過ぎた正義感や正論は、人を幸せにしません。賢い振る舞いとしては、自分の意に沿わないことや、生産性のない愚痴などについても「いったん受け止めてみる」ということ。

悪口や愚痴は、自分から発信せずにあくまで「受け止める」だけ。これによって、自分の発言が回り回って「都合が悪いように切り取られる」リスクを下げ、他の人との連帯感を得ることができます。

(3)自分のガス抜きは、コミュニティと関係のない場所で

愚痴や悪口というネガティブな言葉でも、自分だって言いたい時はあります。そんな時は、愚痴の対象から離れたコミュニティや人に頼るなど、なるべく摩擦が起こる可能性が低い場所を選ぶという「一手間」が自分の身を守ります。

ずる賢いと賢いは紙一重。「敵」を作らない振る舞いが肝

「衝突=悪」ではありませんが、日本では特に「軋轢を生まない」ことが重視されがちです。その中で、自分が損をせずに立ち回るには、「社会や人との摩擦を起こさない」ことが重要になります。

衝突せずに自分の主義主張を通せるなら、それが一番「賢い」やり方には違いありません。ただ、衝突を恐れるあまり八方美人な振る舞いになってはしんどいばかりです。いいバランスを取って生活していきましょうね。

(ぱぴこ)

※画像はイメージです

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