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【賢い貯金の仕方】お金が貯まる! ひとり暮らしの社会人にオススメの方法とは

續 恵美子/エフピーウーマン(ファイナンシャルプランナー)

社会人の貯金に関する動向は、民間銀行を含めてさまざまな機関がアンケート調査を行っています。これらの調査結果を見ていて思うのは、今の若者はお金に関して堅実な考えの人が多いということ。節約に努め、貯金に励む様子もうかがえます。

一方で、ひとり暮らしの社会人は自分自身で生計を立てている場合がほとんどで、貯金をしたくても思うように貯められないという人がいるのも事実です。今回は、ひとり暮らしをしていても、お金が着実に貯まっていく――そんな方法をご紹介したいと思います。

ひとり暮らしの社会人の貯蓄事情とは?

金融広報中央委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2017年)」によると、金融資産保有世帯において、20代の人たちは平均して年間手取り収入の19%を貯蓄(※)に回しているようです。つまり、手取りが250万円なら年間47.5万円、手取りが300万円なら年間57万円、手取りが400万円なら年間76万円を貯蓄に回しているということですね。5年前の2012年と比べてみると、当時の20代・ひとり暮らしの人が貯蓄に回している平均割合は年間手取り収入の17%でしたから、貯蓄傾向は高まっている様子です。

※この調査の「金融資産」には預貯金のほか、株などの有価証券や保険も含まれます。この記事ではまとめて「貯蓄」として扱います。

では、貯蓄額はどうでしょうか。同調査で2017年の20代・ひとり暮らしの金融資産残高は平均で363万円、中央値は170万円です。中央値は少ないものから多いものの順に並べて中位に位置する値で、より実態に近い数字を表していると言われます。2012年の中央値は129万円でしたから、中央値で見た場合、5年前と比べて年間41万円上がった計算になります。

それでも依然19.4%の人は「貯蓄しなかった」との回答。5年前に「貯蓄しなかった」と回答した人が20%と、少ししか減っていない状況を見ると、昨今では、貯める人は「しっかり貯める」が、貯めない人は「まったく貯めない」、と両者の間の隔たりが大きくなってきているのかもしれません。

まずは自分のお金の使い方を把握しよう!

ひとり暮らしでもしっかり貯金できる人がいるにもかかわらず、貯金がまったくできないというのは、実は「ひとり暮らし」を言い訳にして、貯金できないと思っているだけかもしれません。貯金に回せる金額の大小は人それぞれにちがっても、賢く貯めれば、少しずつでもお金は貯まっていくものです。まずは今の自分のお金の使い方を把握することからはじめてみましょう。

ひとり暮らしの場合、家賃や光熱費・水道代など生活費関連の支出があるのは仕方ありません。でも、どんなものにどれだけお金を使っているか、各費目が収入の何割を占めているのか確認するのは家計管理の上でも大切です。また、食費では外食が多いのか、コンビニ食が多いのか、スーパーで食材を買って自炊が多いのか……というような費目ごとのお金の使い方を把握することも大切です。こうすることで、削れるところや見直しができそうなところがわかってきます。

「先取り貯金」でお金を貯める

賢く貯金するための鉄則は「先取り貯金」をすることです。毎月の給料から「貯める分」をきちんと決めておき、貯金に回すお金を引いた残りで生活していく方法です。先に各費目の家計に占める割合を確認しましたが、貯金分を除いた残りの手取り収入で新たに予算を組み直しましょう。

貯蓄に回す金額は、前述調査では平均で手取りの給料の19%という結果ですが、これはあくまで多い人もいればゼロの人もいる中での平均値。取りかかりとしては手取り月収の10%を目標にしてみましょう。手取りが20万円なら、月々2万円ずつでも1年で24万円、2年で48万円と着実に増えていきますよ。節約が上手になってきたら手取り月収の15%程度に目標をアップしてみてください。もちろん、それ以上を目指すのもいいですが、節約心が高まるあまりに付き合いが悪くなるなど、社会人として大切にすべき人間関係に支障をきたさない配慮も大切です。

「給与天引き」&「目的別貯金」で賢く楽しく貯める

極端に節約しなくても、楽しみながら賢く貯金するには、金利や税制を味方につける方法と、目的に応じた商品を選ぶ方法があります。

まず前者の方法として、会社に社内預金制度や財形貯蓄制度などの天引き制度がある人はぜひ活用してみましょう。社内預金は一般的な預貯金よりも金利が高めの場合が多いですから、継続していくうちにお金の増え方がちがってきます。将来的に賃貸ではなくマンションを買いたいと夢を持っているなら、財形住宅貯蓄で貯めていくのもいいでしょう。利息に税金がかからないので、その分お金が増えていきます。

後者の、目的に特化させた商品で積み立てていくのも賢い方法です。たとえば、旅行費用を貯めるには旅行積立、洋服やプレゼントなどの買い物にはデパート積立などがあり、旅行や買い物好きな女性にオススメです。どちらの場合も貯まったお金の用途や使える場所が限られていますが、金利が高いのはメリットです。たとえば、デパート積立はデパートやコースによっても多少の差はありますが、1年間積み立てると満期時に13カ月分として受け取れるのが一般的です。満期になるまで買い物はしない、洋服は貯めた商品券で買うなど、マイルールを作っておけば、プチプラブランドを愛用するより節約につながるかもしれません。

20代シングルのうちに貯金習慣を身につけよう!

20代のシングルのうちは自分の収入のすべてを自分で独占できる場合がほとんどです。この先、結婚したり、家族ができたりすれれば今のように自由が利かなくなることもあります。女性なら妊娠や出産を機に収入が止まったり、減少したりする可能性もなくはありません。ひとり暮らしだからと言わずに、少しずつでも、今のうちから貯金する習慣をつけていってください。

(續恵美子/エフピーウーマン)

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