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女性の平均年収は? 働く女性の給料の実態

藤井佐和子(キャリアアドバイザー)

前田ハナ

キャリアカウンセラーが教える女性の年収の実態とは? 年代別の平均年収を解説。平均年収が高い職種や年収を上げるコツを紹介します。

社会に出てバリバリと働いている女性も珍しくなくなったのではないでしょうか。

「毎日必死に働いているけれど、同年代の女性より給料が低いのかも……?」と不安になったことはありませんか? 女性の就労状況に詳しいキャリアカウンセラーの藤井佐和子さんに、女性の平均年収を教えてもらいました。

専門家が解説する「女性の平均年収」

女性の平均年収はどのくらいなのでしょうか。まずはその金額と、女性を取り巻く年収の実態をキャリアカウンセラーの視点から解説してもらいました。

年代別女性の平均年収

20代の平均年収

20代の平均年収

平成28年度の国税庁のデータによると、社会人としてスタートする20~24歳の平均給与は男性だと299万円、女性では254万円。さらに25~29歳では男性402万円、女性306万円となります。

30代の平均年収

30代の平均年収

ある程度キャリアを積んできた30~34歳を迎えると、男性では497万円、女性では306万円。そして35~29歳では男性578万円、女性292万円という数値になっています。

年齢によって年収がアップしているのは男性も女性も同じですが、同年代の男性と比較すると女性の年収が少ないことは明らかです。

男性の平均年収と差が生まれる理由

どうして社会という同じフィールドで活躍しているのにも関わらず、男性のほうが女性より平均年収が高いのでしょうか。大きな理由として女性の非正規雇用が多いことが上げられます。

たとえば、派遣社員のおよそ30%が事務職ですがそのほとんどが女性です。非正規雇用だと、勤続しても年功序列でお給料が上がっていくことがありません。正規雇用であったとしても、女性だと一般職や地域限定職に割合が占められており、あまり昇給を見込めない傾向に。

ただし最近では、女性活躍推進法の流れもあと押しとなり、男性と同等の女性総合職採用を増やす企業が増えています。

ですが、実際には結婚や出産による退職、産休育休期間中の一時的な給与ダウン、復帰後のブランクによる昇進の遅れも影響して、なかなかその差は縮まっていないのが現状です。

職業による傾向とは?

女性の平均年収は職業によって傾向があります。

たとえば、若手の女性が興味を持つようなサービス業や一般事務職などは比較的賃金が低いといえます。給料以外の理由から本人が仕事を選んでいることも影響しているでしょう。

一般事務職を選んだ場合、将来的に管理職登用につながりません。サービス業だと生涯賃金も低くなりがちで、30代で年収が頭打ちになってしまうことも。

ビジョンがないと年収は上げづらい

また、30代40代になったときの希望の生活スタイル、必要な資金など、ビジョンを描いていないことも、中々年収を上げられない要因となります。

女性の場合「将来、どんな相手と結婚するのかわからないから」と、職業選択をあまり考えていないということも一因かもしれません。

言い方を変えると、自分ひとりでの将来像を立てづらいためか、やや結婚相手に依存的なキャリアビジョンとなってしまい、計画的キャリア選択ができていない例も見られるのです。

 

20代女性の給料の実態

どんなに仲良しでも、なかなか給料の金額までは聞けないですよね。20代の女性はどれくらいの収入があるのか、実際のところを聞いてみましょう。

20代女性の手取り月収

Q.あなたの月収(手取り)を教えてください。

20代女性の平均手取りは?

10万円未満(3.2%)
10万円以上~15万円未満(29.1%)
15万円以上~20万円未満(53.6%)
20万円以上~25万円未満(11.2%)
25万円以上~30万円未満(1.6%)
30万円以上(1.3%)
※有効回答数125件

平均値は15万円以上20万円未満というところですね。続いて、満足度も聞いてみました。

約半数が給料に「満足していない」現実

Q.今の給料は仕事内容に見合っていると思いますか?

第1位 仕事内容に比べて給料が安いと思う(52.0%)
第2位 見合っている、適正だと思う(42.4%)
第3位 仕事内容に比べて給料が高いと思う(5.6%)
※有効回答数125件

過半数の人が、「給料が安い」と思っているようですね。では、働く女子の月収と満足度を、彼女たちの本音からさらにくわしく見ていきましょう。

仕事の割に安すぎだと感じる「10万円以上~20万円未満」

・「15万円。仕事内容に比べて給料が安いと思う。なぜか人が居着かない職で、人間が慢性的に足りないのでかなり忙しい!」(26歳/医療・福祉/その他)

・「13万円。仕事内容に比べて給料が安いと思う。非常勤だから仕方ないかもしれないが、もう少し給料を上げてほしいと思うから」(26歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

・「17万円。仕事内容に比べて給料が安いと思う。定型でない判断や調整、折衝が必要な業務で、ストレスばかりかかるから」(26歳/電機/事務系専門職)

・「18万円。仕事内容に比べて給料が安いと思う。基本給が少なすぎてボーナスが低い。残業たくさんしてるのに残業代はすべて出るわけじゃないから」(25歳/学校・教育関連/専門職)

実家暮らしなら問題ないですが、一人暮らしだと生活できないとの声も。仕事内容にかかわらず基本給が低めとの不満が見られました。

仕事に見合ってるかどうか微妙な「20万円以上~30万円未満」

・「21万円。見合っている、適正だと思う。地方でこれだけもらえたら十分だし、楽しくて土日祝休み定時なので言うことないです」(27歳/アパレル・繊維/クリエイティブ職)

・「23万円。見合っている、適正だと思う。この業界の給料自体どんどん厳しくなっているのに比べて、自分の会社はそれほど変わっていないようだから」(28歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

・「20万円。仕事内容に比べて給料が安いと思う。月80時間以上の残業があり、土日もどちらかは出勤しているのに、その手当はほとんどもらえないから(月5000円程度)」(26歳/学校・教育関連/その他)

・「25万円。見合っている、適正だと思う。ほかの仕事をしたことがないからわからないが、残業代をちゃんともらえているし不満がないから」(28歳/情報・IT/技術職)

残業代が出る、定時退社できるなど事情はさまざまですが適正金額だと感じている人が多いようです。

仕事に見合った金額? 貯金もできる「30万円以上」

・「35万円。見合っている、適正だと思う。上期と下期で年に2回評価をしてもらえるので、能力にあった評価をしてもらえているから。」(28歳/医薬品・化粧品/事務系専門職)

・「52万円。仕事内容に比べて給料が高いと思う。早く帰っているので時給にしたら高い方だと思うから」(28歳/情報・IT/経営・コンサルタント系)

きちんと評価されていると実感できれば、仕事に対する意欲もアップしますね。

女性が年収を上げるには?

女性が年収を上げていくには、どのようなことを意識して、どのようなことを実践していくといいのでしょうか。これからの年収をアップするために必要な知識を身につけましょう。

転職もあり? 平均年収が高い職種

平均年収が高い職種に転職するという手段があります。

転職しやすいサービス業、営業、接客業

現在だと、サービス業、営業、接客業などは未経験でも転職しやすいでしょう。実際のところ、事務職を希望する女性が多いのですが、その倍率は0.35倍で3人にひとりしか採用されないと狭き門になっており、給与の点でもそれほどアップは見込めません。

給与を上げたいのであれば、人材不足となっている営業職をはじめとした接客業にキャリアチェンジも可能なのでぜひおすすめしたいところ。感情をうまく使って成果を出すことが得意な人は、コミュニケーション力を生かし即戦力として活躍できるからです。

女性が年収を上げるコツ&下げないコツ

夢占い 鳥

転職まではしないにしても、女性が現在の仕事で年収を上げる、あるいは年収を下げないコツとはどのようなものなのでしょう。

結婚・出産・育児を理由に仕事を辞めない

人生で起こりうるライフイベントで仕事を辞めることはおすすめしません。

ベースダウンは仕方がありませんが、職場でサポートをしてもらいながら仕事を続けられる環境も昨今は整っています。産休育休からの復帰であれば、妊娠・子育て期間辞めてしまうよりもブランクで苦労しないですむはずです。

専門的なスキルをつける

仕事を辞めなければならないことも想定すると、専門的なスキルを身につけておくのがおすすめ。資格や働きたい領域で必要とされる専門知識など、コツコツ勉強しておくとよいでしょう。

年収を上げるための自立したキャリア設計を!

女性が就職活動をするとき、事務職やサービス業など、将来結婚したときに柔軟に対応できる職種を選ぶケースが見られます。

ですが、結婚や出産を機に退職してしまうと、いつか復職したいときに選択肢が限られてしまうことも。ぜひこの記事を参考に、キャリアアップにつながり、年収が高くなりやすい将来設計をしてみてはいかがでしょうか?

(文:藤井佐和子、構成:前田ハナ)

※画像はイメージです

※『マイナビウーマン』にて2015年1月にWebアンケート。有効回答数125件(22歳~29歳、未婚の働く女性)

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