【東京DEEPスポット】行きたい!東京池袋の「老眼めがね博物館」には驚きの●●円以下のサングラスが3,000個―店主もアバンギャルド
東京・池袋に、摩訶不思議な博物館が存在する。その名も「老眼めがね博物館」。店名のユニークさもさることながら、外装の派手派手しさはさらに圧巻。建物前面を覆い尽くす膨大な数のめがねに呆気に取られ、足を止める通行人も後を絶たない。
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吸いこまれるように中に入っていくと、さらに驚きの事態に遭遇。完全な価格破壊が起きているのだ。老眼鏡もサングラスも500円以下のものはザラで、100円以下の商品も数多く販売されている。極めつけは「大盛サングラス始めました」のコピーとともに、一山(=10本入り)395円という商品まで陳列されているのだ。
安さの秘密が気になり、同店を営むダンディなおじさま・武井豊さんにお尋ねしたところ、「うちは問屋だから返品された商品がたくさんあるんだよね。5、6年前までここは倉庫だったんだけど、その時は入口まで売れ残り品で溢れかえってたよ」。
しかし、買い手がつかず廃棄する商品は新品で傷ひとつないものがほとんど。捨てるのもしのびないとの想いからスタートした博物館(という名のショップ)だが、物珍しさからか今ではメディアからも熱い視線を注がれている。
注目を集める理由のひとつが、商品につけられたアバンギャルドな謳い文句だ。業者が廃業したため処分品となった48円のサングラスには「理由あり物件」のキャプションが踊り、夏の太陽から目を守るのに最適なスポーツサングラスは「東京オリンピック応援価格」の500円台で提供する。
9割引で280円になったサングラスは「牛丼価格」だ。
武井さんは語る。「商品にはストーリーをつけるようにしてるの。うちは店員がいないから、ポップが宣伝マンの役割を果たしてくれてるってわけ。だって、今はおもしろいことがお金になる時代だから。なるべく笑っちゃうようなことがいいよね。タモさんとかたけしとかみんなおもしろいじゃない」
そう話す武井さんに自慢の商品を着用しての撮影をお願いしたところ、たまさかなのか、選んでくれたのはタモさん風のおしゃれサングラス。そして、私の分まで色違いの一本を差し出してくれるやさしい武井さん。
そんな武井さんの人柄と店そのものの珍しさに惹かれてか、取材中にも、常連/一見さん問わず次々と客が入店してくる。中には携帯カメラで撮影をはじめる人もいるが、武井さんは常ににこやか。「みんなこうやって知らないうちにうちの宣伝マンになってくれてるんだよね」。
宣伝効果を狙ってか、店では、初めての来店者限定で無料メガネも配布している。また、同店を訪れるバスツアーの団体客には、過去に通販で5,000円で販売した売れ残りの老眼鏡を無料で配っているのだそう。
「3,000個在庫があるんだよ」と話す武井さんに、倉庫として活用している2階にお邪魔させてもらったところ、山のように積まれた段ボールの数々に遭遇。しかも、「4階までずーっと在庫で埋まってるの!」とのびっくり発言も。
この夏のサングラスをまだ調達していないなら、本格的に日差しが強くなる前にぜひとも池袋へおいでやす。複数本買っても行き帰りの電車賃以下の可能性大ゆえ、なんなら同僚たちへのプレゼントをまとめ買いするのもよいのでは?
●information
老眼めがね博物館
http://www4.ocn.ne.jp/~bargain/rougan_megane_hakubutsukan/index.html
(松本玲子)