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専業主婦 vs キャリアウーマン オンナの勝ち組はどっち!?

仁科友里

こんにちは、ライターの仁科友里です。突然ですが、「あなたは負け組だね」と人に言われたら、どんな気持ちでしょうか? 決してうれしくはないですよね? それでは、どういう人が勝ち組なのか答えられますか? ライフスタイルが多様化した今、勝ち組を定義するのが非常に難しくなっています。しかし、負け組とは言われたくない、できれば勝ち組と言われたいみなさんに、亀の甲より年の功で、ワタクシが盲点につっこんで行きたいと思います。

専業主婦とキャリアウーマンはどちらが勝ち組?

専業主婦とキャリアウーマンはどちらが勝ちなのかということは、みなさんのお母さんの時代から議論が続いていて、小説のテーマにもなっています。ご興味ある方は、女子アナの世界を描いた林真理子センセイの『幕はおりたのだろうか』(講談社文庫)、ひとりの男性をめぐって争った広告代理店の同期女子2人の長き戦い、唯川恵センセイの『永遠の途中』(光文社文庫)をどうぞ。

一般女性の意見は……?

Q.生活費は夫が稼いでくれる優雅な専業主婦(でも家事育児に追われる毎日)と、好きな仕事で認められ余暇などプライベートも充実しているキャリアウーマン(でも結婚出産には縁がなし)、30歳の時点ではどちらが勝ち組だと思いますか?

・専業主婦……42.5%
・キャリアウーマン……57.5%
※有効回答数141件

どちらかに極端に傾いているわけでもなく、みなさん、「どちらかよくわからない」というのが本音ではないでしょうか。

専業主婦派の本音

アラサーのみなさんだと、お母さんは専業主婦であるケースがまだ多いのではないでしょうか。専業主婦になりたいという願望は、お母さんみたいに生きたいという気持ちかもしれません。

・「子を産み、夫を支えるという女としての役目を果たしているから」(26歳/生保・損保/営業職)

・「30歳なら世間的には専業主婦のほうが親族は安心すると思う。でも私ならキャリアウーマンのほうがあこがれます」(29歳/建設・土木/事務系専門職)

・「断然専業主婦が勝ち組です。なぜなら、キャリア追求組には仕事に追われて趣味や遊びを充実させる暇はありません。私は先日まで後者でしたが、結婚して夫を支えたいと思うようになりました。でもまだ仕事が好きなので子供ができるまでは仕事をしています。ただ、今の時代夫の稼ぎだけで悠々自適に暮らせる専業主婦になれる環境が整っているのであれば、全員がなれるわけではないのでそれは勝ち組だと思います」(27歳/商社・卸/営業職)

みなさん、一生懸命考えてコメントしていることが伝わってきますが、決定的な盲点があります。それは専業主婦が「家計を自由に操れる権利を持っている」と思っていることです。年収1500万の男性と結婚すれば、専業主婦でも十分にやっていけるでしょう。しかし、そういう高収入の男性が、女性に財布を渡すとは限らないのです。

私の周囲でも、お財布は夫が握っていて、専業主婦が申告してお金をもらうシステムを採用しているカップルは数組います。高収入の男性と結婚しても、趣味やおしゃれにお金をかけられない。そんな状況になっても、「専業主婦は勝ち組」と言えますか?

また、離婚を専門とする弁護士さんによると、モラハラ夫との離婚のうち、高収入男性と専業主婦というパターンは結構な割合を占めるそうです。妻に収入がないことを理由に妻をモラハラし、妻も収入がないためにモラハラを我慢してしまうのだそうです。

キャリアウーマン派の本音

次はキャリアウーマンです。キャリアウーマンのどんな点に魅力を感じたのでしょうか。

・「後者(キャリアウーマン)の知り合いがいますが、とにかくかっこいい! あこがれの存在です」(33歳/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)

・「主婦は世界が狭くなりそう。キャリアを積めるときに積んでたくさん経験したい」(30歳/事務代行/事務系専門職)

・「30代での独身も多い時代ですし、育児に追われておしゃれもできないようなら、仕事をバリバリして貯蓄して人生を楽しんだほうがよいと思う」(33歳/金融・証券/秘書・アシスタント職)

・「キャリアウーマンから専業主婦には本人次第でいつでもなれるが、子育てに追われる専業主婦からキャリアウーマンになるのは難しいと思うから」(26歳/食品・飲料/販売職・サービス系)

見た目や聞こえ、キャリアの充実、お金を自由に使う権利、転職の難しさがキャリアウーマンのよさと考えられているようですね。ここでの盲点は「変わる」ことを加味していないことです。今、結婚や子どもに興味のない30代女性が、ふとしたことをきっかけに「結婚したい、子どもがほしい」と思うことは、十分ありえます。

2010年の国勢調査によると、30歳の女性が34歳になるまでに結婚する率は30%程度、35歳以上の女性が40歳までに結婚する率は2%と、年齢と共に低くなっていくことがわかります。妊娠や出産も年齢と共に確率は落ちていきます。「仕事があれば、結婚なんて必要ないと思っていた」という女性が、30歳をすぎて「家族がほしい」と思うようになり、婚活をはじめたものの、大苦戦するケースは本当に多いのです。「私は〇〇だけでいい」と決めつけるのは、自分の未来を狭める行為に等しいのです。

キャリアウーマンの結婚について

私は『間違いだらけの婚活にサヨナラ』(主婦と生活社)を上梓した関係で、婚活中の女性からメール相談を受け付けています。2012年の「就業構造基本調査」によると、所得の高い女性ほど未婚率が高いというデータが出ていますが、私の読者さんに関して言うと東大卒、医師、弁護士など「高キャリアウーマンほど、彼氏を作るのも結婚するのも早い」という印象を持っています。

これまで男女平等で、並みの男性よりもはるかにいい成績をたたき出して、自分の人生を切り開いてきた女性たちが、結婚のためにいきなり料理を作れとか、すごいですね~! と思ってなくても言えとか、ボティータッチせよと言われても、納得がいかないでしょう。仁科式婚活は「婚活はメリットで決まる」です。高収入な女性は、そこがメリットになりますし、誰が自分にとってメリットがあるかを見定めるために、自分と相手を分析、研究して無駄恋愛を省いてもらいます。これってモロ仕事や勉強と一緒ですよね。結婚と婚活は正反対のイメージで捉えられていた時代もありましたが、仕事で培った技術を婚活に活かすほうが、みなさんのストレスも少なくなるのではないでしょうか。

キャリアウーマンは結婚に向かないという人もいますが、それは相手次第、もっというとお互いのメリット次第です。たとえば司法試験受験生と交際している女医さんがいますが、彼女は無類のメンクイで、正直なところ、彼が合格しなくても一緒にいるだけで幸せと言っています。彼にしても、女医さんと一緒にいれば、合格しようとしまいと生活の心配がないのですから、メリットがあるでしょう。また、東大卒の女性が出産後専業主婦となって、お子さんを再び東大に入れるために教育に燃え、ゆくゆくはそれをビジネスにしたいというケースもあります。2人にメリットがあり、本人が役割に納得していれば、誰でも幸せな結婚生活を送ることができると思います。

女の勝ち組とは何か

上述したとおり、どんな女性が勝ち組かというのは、実は答えが出ない問題だと思います。
なぜなら、恵まれていて勝っているように見える女性でも、言おうと思えば「あそこが欠けている」と言えるから。逆に言うと、自分自身が「勝ち組」となかなか思えないのは、人に文句をつけるイジワル心のせいとも言えるのです。

ですので、とりあえず、「新卒で就職するときより同じか上」なら、勝ち組と考えてみたら、どうでしょうか。私たちのフツウや常識は育った家庭によって作られていて、強く脳に刷り込まれています。たとえば貧しい家庭に育った人が、結婚して世帯年収1000万をクリアする、もしくは自分で年収1000万を稼げるようになったとします。前より生活レベルが上がるわけですから、結婚していようといまいと、それは十分「勝ち組」でしょう。

また、新卒の際は希望の企業にチャンレジすることができますが、年齢と共にそれは難しくなることはみなさんもご存知でしょう。そんな中、新卒時のようにひくてあまたに仕事が探せる人、たとえば国家資格保持者だったり、会社員としてキャリアを積んだ人も勝ち組と言えると思います。

最後に「勝ち組」の意外なポイントは、助けてくれる人がいるかどうかです。
専業主婦として子育てをしていたけれど、仕事に復帰をする。もしくは仕事さえあれば独身を貫いてもいいと思っていたけれど、婚活することにしたなど人の人生には「まさか」の事態がつきものです。こういうときに、子どもを預かってくれたり、婚活相手を紹介してくれる人(血縁に限りません)がいれば、その人は勝ち組だと思います。

まとめますと、勝ち組とは「何を持っているか」ではなく、「人生がぐらついても、助けてくれるもの(お金、仕事、マンパワー)を持っている人」指すのだと思います。

自分にイジワルしない、それが勝ち組への道。


冒頭で少し前の小説をご紹介しましたが、小説とちがい現代男性は「妻子を養う」と思っていません。ここが決定的にちがいます。ということは、2人で協力して幸せになるという時代になったと見ることができるでしょう。となると、女の勝ち組という言葉は消え去り、「勝ち組カップル」「負け組カップル」という言葉が主流になる日は近いかもしれません。

(仁科友里)

※画像はイメージです

※『マイナビウーマン』にて2014年4月にWebアンケート。有効回答数141件。(マイナビウーマン会員:22歳~34歳の働く女性)

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