ティータイムだけではなく、山小屋でも食べる!「ワッフル」はノルウェーの定番フード
北欧のティータイムの定番おやつといえば「ワッフル」。一般家庭にお邪魔すると、キッチンには必ずと言っていいほど「ワッフルメーカー」があります。
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3月25日は「国際ワッフルの日」
毎年3月25日に制定されている「ワッフルの日」の発祥はスウェーデン。現在は、北欧他国にも普及しはじめています。この日を記念して、ノルウェーの首都・オスロにある屋内型食市場「マートハーレン」では、当日、たくさんのワッフルが特別販売されます。
「ワッフルは小さい頃から食べているわ。おばあちゃんが作ってくれた懐かしい味よ」と話すのは、オスロにある専門学校に通うマルティーネ・グルブランドセンさん(19歳・写真左)。
「ノルウェーでは、お小遣い稼ぎのために小学生が道路で売るお菓子の定番が、ワッフルや丸いパンなんだよ。今でもスキー旅行のときは、休憩場所の山小屋でワッフルを食べるよ」と同級生のアンドレアス・ヴェイエ・ロスヴォルさん(23歳・写真右)も語ります。
甘くて茶色い「ヤギチーズ」やサワークリームのトッピングも!
ノルウェー人の家には必ずといっていいほど、ワッフルメーカーがあります。おしゃべりをしながら、テーブルでワッフルを作り始める光景は日常茶飯事。
定番のトッピングは、「ブルノスト/Brunost」と呼ばれる、甘くて茶色いヤギのチーズ、山々で豊富に採れるベリーのジャム、白砂糖、「ロンメ/Romme」というノルウェー独特の白いサワークリームです。
ワッフルメーカーで作ると、4個の小さなハートが連なり、四葉のクローバーの形を描いています。スーパーマーケットには簡単に作れる「ワッフルの素」も売られており、学校主催の蚤の市などのイベントや行事でも、必ずどこかにワッフル屋台があります。
スウェーデンでは、「ワッフルの日」は半額
ワッフルは、子どもや女性だけではなく、大人や男性も大好きな焼き菓子。オスロで工事士として働く男性たちも、お昼の休憩時間にワッフルを食べます。
スウェーデン/カールスタ出身というモルガン・ヴァレンティンさん(42歳)は、「スウェーデンでは、ワッフルは牛乳を飲みながら、ホイップクリームとストロベリージャムをのせて食べるのが一般的かな。”ワッフルの日”になると、俺の出身地ではすべての飲食店でワッフルが半額になるんだ! 最高だね」とニヤリ。
ちなみに、スウェーデンには「フィーカ」というお茶時間がありますが、このときいただくのはケーキやコーヒーのセットが一般的で、ワッフルが出てくることはあまりないそうです。
デンマークでは、砂糖やジャムをトッピング
デンマーク・コペンハーゲン出身の女性、マリエ・ハウゲ・リッケゴードさん(28歳・写真右)は、ノルウェー人のほうがワッフルの消費量が高い印象があると語ります。
「デンマークと違って、ノルウェーでは生地にカルデモンのスパイスを混ぜているようね。私たちは、コーヒーを飲みながら、砂糖とジャムをのせてワッフルを食べるわ。ノルウェー人のようにチーズはのせないし、”スキー旅行のおやつ”という感覚もないわ。デンマークは山が多くないしね。
海岸線沿いある一般的なサマーハウスでは、バカンス中にワッフルを食べるわよ」と語ります。
ノルウェーの伝統的なホテルなどでは、朝食ブッフェにワッフルが出ることもあり、従業員がワッフルメーカーで焼きたてを作ってくれます。おいしいワッフルを食べたいなら、目抜き通りでもあるカール・ヨハン通り沿いにある老舗ホテル「ベストウェスタン・カール・ヨハンホテル/Best Western Karl Johan Hotel」がおすすめです。
ワッフルはまさに昔ながらの北欧の味。旅行中に飲食店でワッフルを見かけたら、ぜひ食べてみたいですね。
※「ロンメ/Romme」の「o」は、ノルウェー語表記では右上から左下に斜線が入ります。
●文・写真 鐙麻樹
著者プロフィール
鐙麻樹(あぶみ あさき)。上智大学フランス語学科2008年卒業。オスロ大学メディア学学科2012年卒業。同大学大学院メディア学修士課程在学中。ジャーナリスト、フォトグラファーとして、雑誌、WEB、旅行ガイドブックを中心にノルウェー現地から数多くの原稿や写真を寄稿。6カ国語の海外ニュース翻訳家、メディア/企業コーディネーター兼アドバイザーとしても幅広く活動中。
ホームページ http://www.asakiabumi.com/
All Aboutノルウェーガイド http://allabout.co.jp/gm/gp/1080/
地球の歩き方オスロ特派員ブログ http://tokuhain.arukikata.co.jp/oslo/