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いつも機嫌が悪い人の原因と上手な対処法

高見綾(心理カウンセラー)

なぜかいつも機嫌が悪い人っていますよね。そういう人が近くにいると、こちらの気分も悪くなりますし、どう対応していけばよいのか困ってしまうものです。振りまわされず上手に付き合っていくために、機嫌が悪い人の心理を知っておきましょう。人間関係別の上手な対処法や、絶対やってはいけないNG対処法などについてもご説明しますので、参考にしてみてください。

いつも機嫌が悪い人の心理とその原因

いつも機嫌が悪い人は、何が原因で、どんな心理状態にあるのでしょうか。無意識のうちに機嫌の悪さが出てしまっているのか、それとも、あえて不機嫌でいる人なのか、相手の心理を知ることで上手な対処法を見つけるヒントになります。

機嫌が悪いとは

機嫌が悪いとは、イライラなどの嫌な感情が一定の間続いている状態をいいます。誰かに嫌なことを言われたことなどがきっかけとなり、頭の中でその嫌な体験が繰り返しイメージされて、ネガティブな感情が増幅しています。怒りを一生懸命抑えているものの、隠しきれずに、機嫌の悪さとして外に漏れ出ている状態だといえます。

心理的には、不機嫌でいることによって、自分の気持ちを察してほしい、周囲の人に自分の要望通りに動いてほしい、という気持ちが隠れています。いつも不機嫌でいると、周囲の人との信頼関係が悪くなってしまう恐れがありますが、不機嫌な人は自分がネガティブな感情をまき散らしていることに気づいていない場合が多いです。しかし中には、あえて不機嫌でいることによって、周囲の人たちを自分の思う通りにコントロールしたいと考えている人もいますので、見極めが必要かもしれません。

機嫌が悪い人の原因

自分の素直な気持ちを伝えられない

本当は不満があるのに、「~されて悲しかった」「~してほしい」と素直に口に出すことができません。怒りをよくないものだと解釈して、なるべく怒らないように我慢しています。

他人に察してもらいたい

不機嫌でいれば、まわりの人に気にかけてもらえると、無意識のうちに考えています。気をつかってほしい、かまってほしい、自分の気持ちをわかってほしいという欲求があります。

自分本位なところがある

自分のやり方にこだわりがあり、まわりを自分の思う通りにコントロールしたいという欲求があります。言葉で伝えることをせずに、態度で不機嫌さを表現することは、相手に対する甘えから来ています。

被害者意識が強い

ものごとを悪く捉えがちで、些細なことで自分のことを責められたと解釈します。悪いのは自分を不機嫌にした人であって自分は悪くない、と思っています。

心に余裕がない

ストレスを抱えており、心に余裕がありません。そのため、些細なことでもイライラしてしまい、他人を思いやる余裕がありません。

【人間関係別】機嫌が悪い人の対処法

機嫌が悪い人とは付き合わないという選択肢もありますが、上司や彼氏など身近な人の機嫌が悪い場合は、どう対処すればよいのでしょうか。上司の場合、彼氏の場合に分けて、それぞれ見ていきましょう。夫の機嫌が悪いときは、彼氏と同じ対処法を参考にしてみてください。

上司の機嫌が悪いとき

淡々と対応する

怖くてビクビクした態度を取ったり、いつもより声が小さくなったりするようなことはしないように気をつけてください。気をつかいすぎると、その不自然な態度が上司に伝わって、余計にイライラさせることになります。ハキハキと話し、冷静に対応しましょう。

不機嫌になるトリガーに触らない

上司にとって、何がトリガー(その状況になる要因、引き金)になりやすいのか日ごろから観察しておくことがオススメです。「部下の仕事の進捗は常に把握しておかなければ気が済まない」など、それをしておかないと怒ってくるようなこだわり(トリガー)があれば、先まわりして報告をすることで、不機嫌になる原因をなくすことができます。

結論から話す

指示を仰ぎたいときに要領を得ない物の言い方をしていると、「何が聞きたいの?」と上司を余計にイライラさせることになるので、結論から話しましょう。「お忙しいところ申し訳ありません」と切り出し、「○○についてご相談したいのですが」「○○については、A案でやろうと思いますが、よろしいでしょうか?」と端的に質問しましょう。

彼氏(夫)の機嫌が悪いとき

「どうしたの?」と一声かける

「どうしたの?」「何かあったの?」と聞いて、彼氏の反応を見て対応を考えましょう。彼氏が話せる状態であれば話してくれるはずです。もし話してくれないようなら、今は放っておいてもらいたいと思っているか、なぜ機嫌が悪いのかを言葉にして説明できないかどちらかです。

放っておいて見守る

男性はひとりになって考えることでものごとを解決しようとします。彼氏の機嫌が悪いときは、かまいすぎずに放っておいて、ひとりの時間をあげるといいですね。会話はしないけど、同じ部屋にいて別々のことをするのもOKです。過剰に反応せずいつも通り振る舞いましょう。

落ち着いたときに話し合う

もし、いつも機嫌が悪い彼氏で対応に困るほどであれば、落ち着いたときに話し合うことがオススメです。「なんで機嫌が悪いの?」と聞くと彼氏は責められたと感じてしまうので、そうではなく「あなたに不機嫌になられると、私はしんどい」と、自分の気持ちを素直に伝えてみましょう。

機嫌が悪い人に絶対やってはいけないこと

機嫌が悪い人を余計にイライラさせてしまうなど、事態が悪化するNG行為があります。よかれと思ってやってしまわないように、気をつけましょう。

機嫌が悪い人へのNG行為4つ

こっちもイライラする

感情は共鳴する性質があります。相手の機嫌の悪さに囚われていると、こっちまでイライラしてしまうものです。しかしそうすると、こちらのイライラがさらに相手に伝わって、相手の不機嫌さを増幅させてしまいます。

相手の機嫌を取ろうとする

かまいすぎたり、気をつかって相手の機嫌を取ろうとしたりするのはオススメできません。不機嫌でいればかまってもらえると思わせてしまいます。味をしめると、まわりをコントロールするための手段として不機嫌さを使おうとすることがあります。

腫れものに触るような態度をとる

私たちは不機嫌な人に対して、怖さや戸惑いから、腫れものに触るような態度を取ってしまうことがあります。しかし人は、他人に扱われている人間像を自分の振る舞いに反映してしまう性質があるため、「いつも機嫌が悪い困った人だ」というレッテルを貼ると、相手は日常的にそのように振る舞うようになってしまいます。

自分のせいだと思う

相手の気分を害してしまったのは、自分のせいだと罪悪感を持つのはNGです。機嫌が悪い人は、その人自身の感じ方によって機嫌が悪くなっているだけなのです。罪悪感を持っていると、「あなたのせいだ」と言って攻撃されやすくなります。

機嫌の悪い人の心理を知って、冷静に対処しよう

いつも機嫌が悪い人は、自分の気持ちを察してかまってもらいたいという心理を持っているとご説明しました。機嫌が悪い人がいると、つい気になって振りまわされてしまいがちですが、そういうときこそ一定の距離をおいて冷静に対応していくことが必要です。過度に反応せずに、見守るスタンスで上手に付き合っていきましょう。

(高見綾)

※画像はイメージです

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