日本の首都・東京。人口は1,418万といわれており、地方からの移住者も多く集まっています。平均収入が高く、飲食店や企業の数が圧倒的に多いため、一見「恋愛や結婚がしやすい都道府県」であるようにも思われがちですが、実は東京ならではの恋愛観・結婚観があり、一筋縄ではいかない場合もあるよう。
結婚相談所パートナーエージェントの成婚コンシェルジュ・中村さんにお話を聞いてみると、なぜ今東京での恋愛や結婚が難しいのか、結婚するためにはどうしたらいいのかが見えてきました。
中村さんプロフィール
2011年入社、キャリア14年目の成婚コンシェルジュ。パートナーエージェントの旗艦店のひとつである新宿店で店舗責任者を務める。町田店、横浜店、船橋店などでの経験もあり、関東全域の結婚事情に詳しい。
■平均収入1位の都民、恋愛は「スペック」からスタート?
――中村さんが感じる東京都民の特徴を教えてください。
中村 今の東京は様々な都道府県から人が集まっているので、東京都ならではの都民性というものは見えづらくなっています。ですが、有名大学や一流企業も多く、最先端の情報が集まる都市なので、情報感度が高くなり、意識が高い方が多いのは男女に共通する特徴と言えると思います。
――東京都民の恋愛観についても教えてください。
中村 東京では大学や職場などで関わる人の数も多いですから、他県と比べても異性を知る機会が多いですよね。美男もいれば美女もいる、高学歴な方、お金持ちの方と知り合う機会もありますから、どうしても恋愛に対しての理想が高くなりやすいと思います。
他人の結婚話を耳にしたり、誰かの恋人をふと紹介されたりするだけでも、どこかうらやましく感じてしまう時があるのは仕方ないこと。ですが、ご自分では「恋愛・結婚への理想は高くない」と考えている方が多く、恋愛や婚活のハードルになってしまっている方が多いように感じますね。
――東京都民がしがちな恋愛の特徴はありますか?
中村 恋愛の時点から、お相手の肩書きやスペックにこだわってしまう方が多いように感じます。そもそも、東京で生きていくのに必要なお金が他の都道府県よりも高いことは承知の上ですが、外見だけでなく年収、会社名など気にされる方が多いです。埼玉県や千葉県など関東の他の県では、肩書きの前に「まず相手を知ってみよう」という方もいらっしゃいますが、東京ではお相手のことを知る前に「まずスペックが良くないと、恋愛しても仕方ない」という空気感も少なくありません。
――東京都でおすすめのデートコースはありますか?
中村 東京と一口に言っても、たとえば新宿と池袋、上野って、それぞれ雰囲気が全然違いますよね。よく「高いお店じゃないとダメですか」と聞かれますが、むしろ背伸びしないことが大切だとアドバイスしています。初めてのお食事は、自分らしく会話を楽しめるような、等身大な飲食店を選んでください。幸い飲食店の数は多いですから、ぜひ自分らしいお店を紹介し合って、お互いの金銭感覚を確かめてみてください。
■理想が高い東京都民、条件の見定めは必要不可欠
――東京でモテる男女・モテない男女はどんな人ですか?
中村 「結局イケメン・美女がモテるんでしょ」と聞かれることも多いですが、今までの話からも分かるように、そうとは限りません。関わる男女のレベルが高いので、外見がいいだけではモテるともいかないのが、東京ならではの難しさとも言えるかもしれません。特に女性は、男性に「人間力の高さ」を求めています。女性の気持ちを汲み取る能力や、相手の立場に立って考えられる柔軟さがないと、どんなに外見が良くても結婚まで結びつきません。
――東京都の結婚観に特徴はありますか?
中村 正直にお話しすると、東京の方は「自分が選ぶ立場だ」と思っている人が本当に多いです。例えば、ご出身の地元の友人たちよりは稼いでいるとか、すてきな恋愛経験があるとか、そう思ってしまっている方も東京には多いので、せっかくの恋愛の機会を逃している場合が多いんです。
結婚に関しても、高い理想を持たれる方が多いと感じます。結婚しても東京に住みたいから年収の高い人がいい、結婚しても共働きし続けてくれる人がいい、加えて外見や勤め先などに一定のハードルを設けている方もいるので、結婚相談所に入ったはいいものの「申込みしたい異性が1人もいない」とおっしゃる方もいました。
――東京都で結婚するコツはありますか?
中村 理想の中から“その人にとって本当に必要な条件”を見定めてお伝えすることも、成婚コンシェルジュの役目だと思っています。周囲と比べてしまうことで、なんとなく持っている理想もあるので、自己分析をしっかり行えるかどうかが、東京で結婚するコツになります。しかし、お一人で自分と向き合うのはとても困難なことです。だからこそ結婚相談所があり、私たち成婚コンシェルジュがいるのです。
それに東京での恋愛や結婚は、スピード感が求められます。いざという時に決断する力が必要なので、私たちはそのお手伝いもさせていただいています。東京の恋愛・結婚はとにかくレベルが高いので、コツは色々とあるのですが、周囲の客観的なアドバイスと、素直な受け入れ力があってこそ、そのコツが生きると思います。
■男女ともにレベル高めな東京都で結婚できる人の特徴
――改めて、東京都民の結婚観・恋愛観の総評をお願いします。
中村 最近は20代の方から、40代の方の入会も増えてきており、東京都民のみなさんの結婚への強い意思を感じております。きちんと働いている方が多いですから、男女ともに自己投資が行き届いていて、レベルが高いのは東京での恋愛・婚活のメリットでもあります。
東京の恋愛・結婚はそのレベルの高さゆえに困難な側面もありますが、大切なことは、どの都道府県でも変わらないんです。デートするお相手にリスペクトを持つことや、相手の気持ちや会話に、耳と心を傾けること。これさえできれば、異性から求められがちなスペックのハードルを下回っていたとしても、きちんと結婚できることがほとんどです。だいたいの方が、担当コンシェルジュとのコミュニケーションを通して、人間的にも成長して退会していかれます。東京では「1人で」婚活しないことも、一つ重要なことなのではないかと思います。
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東京は人が多いからこそ判断基準を設けてしまいがちですが、自分にとって何が一番大事なのか、きちんと軸を持って婚活に取り組むことが重要なんですね。そして、中村さんが教えてくださった“どの都道府県でも大切にしたいポイント”がとても勉強になりました!
(取材・文:ミクニシオリ/イラスト:サヲリブラウン)
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※本記事は取材内容をもとに制作しております。県民性について結論づける意図はございません。