ツムラは、2025年7月24日から27日までの4日間、生理・PMS(月経前症候群)に伴うつらさを体験することができる「違いを知ることからはじめよう展」を東京・丸の内で開催。イベント初日の7月24日に行われた記者発表会には、「みちょぱ」こと池田美優さんが登壇し、生理・PMSについて自身の体験や家族とのエピソードなどを語りました。
■「生理・PMSに伴うつらさの違いを知って欲しい」という女性が9割以上
ツムラが2021年に発足した「#OneMoreChoice プロジェクト」は、生理のつらさを我慢しなくていい社会を目指して活動しています。プロジェクトの一環として「生理に関する意識と実態調査(※1,2)」を行ったところ、生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響する女性の91.9%が「生理・PMS(※3)に伴うつらさが人によって違うことを知ってもらいたい」と思っているということが明らかになったそう。
そうした調査結果を踏まえ、生理・PMSに伴う症状は個人差があり、その症状やつらさによって日常生活にさまざまな影響があること、置かれている環境によってつらさを我慢せざるを得ない課題があることなど、一人ひとりの違いを知ることを通して、自分の体とあらためて向き合ったり、周りのつらさを抱えている人を思いやったりするきっかけづくりとなることを目指し、「違いを知ることからはじめよう展」を開催することになったそうです。
■みちょぱさんが考える生理・PMSとの向き合い方
発表会に登場した池田美優さん(以下、みちょぱさん)は、「#OneMoreChoice プロジェクト」およびツムラが定義した「隠れ我慢(※4)」という言葉に対して、「みなさん我慢をしている場面がたくさんあると思うので、プロジェクトをきっかけに言い出しやすくなったり、言える機会ができたりしたら、すごく良いプロジェクトだなと思いました」とコメント。
「生理・ PMSに伴うつらさを我慢して普段通りにふるまう“隠れ我慢”の経験」をしたことがある女性が68 5%にのぼるという結果をふまえて、実際にみちょぱさん自身も「我慢していたな」と思うエピソードがあるか聞かれると、「仕事上、休むことが難しいので、マネージャーやスタッフさんの前では“隠れ我慢”をしないように心がけています。例えば生理の時はあえてポーチを持ってお手洗いに行くなど、直接的な言葉で伝えるわけではありませんが、『気づいてくる人がいればいいな』と思って、ちょっとでも頑張って出すようにしています」と教えてくれました。
また、「普段感じる生理・PMSの症状」についての調査から、イライラ感や腹痛、眠気、腰痛など、人によって異なる症状に悩まされていることが分かりました。
この結果から、みちょぱさんは「友人に外出もできなくなってしまうくらい生理が重い子がいるのですが、話を聞いているとすごくつらそうだな、人によってこんなに違うんだな、というのを実感しました」と、女性同士でも症状の違いに驚かされた経験があると語りました。
また、自身の症状について「私の場合もオープンに話しますが、眠気が毎月来るんです。生理特有の眠気というか、寝不足ではないんですけど、だるい感じの眠気で。あとは2カ月に1回のペースで腹痛が起こりますね」と教えてくれました。
さらに、みちょぱさんは家庭でも生理であることを隠さずに伝えているそうで、「感じ取るには限界がありますし、やっぱり伝えないと理解されないなと思うので、恥ずかしがらずにちゃんと言葉にして伝えるようにしています」とコメント。
事前に生理の時にどんな状態になるのか詳細に伝えておき、生理中にも「今月は大丈夫そうかも」「ごめん、イライラしてる」など、自分の状況を報告するようにしているそうです。
発表会の中盤では、今回のイベントで展示されている「生理・PMSの症状によって『いつも通りにいかない』状態を疑似体験できる部屋」で体験できる「倦怠感ですこし歩くのも疲れるコート」を、みちょぱさんが体験する場面も。
コートを羽織ったみちょぱさんは、「なんとも言えないだるさと猫背になってしまう感じが、重みで表現されています。これに加えてイライラしたり、お腹や頭が痛かったり、肌荒れもしたり……。これだけではないですもんね。ぜひみなさんにも体験して欲しいです」と呼びかけました。
イベント会場では、「わたしの#OneMoreChoice」と題して、生理のつらさを我慢しなくていい社会へ向けて、“我慢に代わる選択肢=OneMoreChoice“を来場者に書き込んでもらうコーナーを設置しています。
そこで、みちょぱさんにも「わたしの#OneMoreChoice」を聞いたところ、「ポジティブに開き直る」と回答してくれました。
「生理によって起こる症状をなくすことはできないので、開き直ることにしています。自分の体と向き合って、自分はこういう症状が出やすいからこうしようとか、前向きに捉えて向き合うと、だいぶ楽になると思うんです。生理以外にも言えることですが、私はこの言葉を大事にしてどんどんポジティブに前向きに捉えて過ごしているので、この言葉にしました」と語りました。
■生理・PMSをさまざまな方法で体験できる展示が充実
発表会が終わり、筆者も実際に「違いを知ることからはじめよう展」を見学してきました。
みちょぱさんが体験していた「倦怠感ですこし歩くのも疲れるコート」のほか、「頑張りたいのに集中できないパソコン」では、文字を打ち込むと画面がゆがみ、生理・PMSの症状に伴う集中力低下による影響を体感することができました。
また、生理痛VR体験装置「ピリオノイド」を初めて体験してみた筆者。下腹部に貼ったパッドからEMSによるピリピリとした刺激を感じるのですが、そこまで大きな痛みではなかった、というのが正直な感想でした。
ピリオノイドを提供するリンケージの担当の方によると、女性の多くは「実際の生理痛の方が痛いと感じる」と答えるそうで、筆者も同じく自分の生理痛の方が痛いと感じました。しかし、女性の中でも「耐えられない」と感じる方もいるそうで、やはり人それぞれ痛みには違いがあることが分かります。
男性の生理痛体験として取り上げられることも多い装置ですが、女性も一度体験することで、自分と他の人の生理の違いを体感するというのも、すごく貴重な経験になると感じました。
“いつも通り”に見える日常のワンシーンでも、実は生理・PMSに伴う目に見えない心身の不調を抱えていることってありますよね。この展示では、日常にある「隠れ我慢」に目を向けるきっかけとして、写真の前に立つと「日常の『副音声』」を聞くことができます。
俳優の井桁弘恵さん、動画クリエイターのくまみきさん、あざみ夫婦さんは、日常の中で「隠れ我慢」してしまう本音や、その背景にある思いを語っています。また、マリウス葉さんは、周囲の人が感じる「寄り添いたい」という気持ちとともに、対応への迷いや戸惑い、そしてつらい思いをしている方への思いを「副音声」で伝えています。
同じ女性として共感する声はもちろん、男性もこんなふうに考えてくれているのかも、と思うと、お互いに知ることの大切さを“副音声”でリアルに体験することができました。
■性別を問わず生理・PMSを理解し合うきっかけに
今回のイベントでは、重たいコートや視界がゆがむPCなど、生理やPMSをからだで実感したり、自分以外の女性が生理やPMSをどのように捉えているかテキストを読んだり、さまざまな方法で生理・PMSについて知ることができ、とても充実した展示内容でした。
いつも体感しているはずの生理やPMSですが、やはり自分自身の経験でしかなく、人それぞれに症状の違いや痛みの大きさ、感じ方にも違いがあることに気づくことができ、一人の女性としてすごく貴重な機会をいただいた気がします。
男性に知ってもらうこともすごく大切ですが、私たち女性の中でも生理・PMSの症状はそれぞれ異なることを、お互いが理解し合って一緒に過ごしていくことができたら。そんなふうに考えるきっかけになりました。
※1 「生理に関する意識と実態調査」調査概要 ■実施時期:2025年5月30日(金)~5月31日(土)■調査手法:インターネット調査 ■調査対象:全国の生理を経
験したことがある20代~60代の女性1,500人、同年代の男性1,500人 ■調査会社:マクロミル
※2 男女3,000人に聞く「生理に関する意識と実態調査」の調査結果および、一般向けイベント『違いを知ることからはじめよう展』の詳細は7月9日(水)発表予定
※3 PMS(月経前症候群):月経(生理)が始まる3日~10日前あたりから起こる不調のこと
※4 隠れ我慢:心身の不調を我慢していつも通りに仕事や家事を行うこと。株式会社ツムラが定義
■イベント概要
違いを知ることからはじめよう展
開催期間:2025年 7月 24日(木)~27日(日)
開催時間:11:00~19:00
会場:マルキューブ(東京都千代田区丸の内2丁目4-1 丸の内ビルディング1F)
料金:無料(予約不要)
特設サイト:
(取材・文:松岡紘子/マイナビウーマン編集部)