伊藤忠商事株式会社は、2025年3月8日(土)~5月4日(日)までの期間、“今後の社会の在り方を考える”イベント『ITOCHU Femtech Junction!』を開催。ITOCHU SDGs STUDIOにて、「生理」をテーマにした企画展『Period museum -生理と社会の交差展-』やフェムテック・フェムケア商品を展示します。
国際女性デーに合わせてオープンされた『ITOCHU Femtech Junction!』は、女性がより生きやすい社会を目指す、そのきっかけとしてほしいという想いから始まったイベントなのだそう。
今回は『ITOCHU Femtech Junction! オープニングセレモニー』に参加し、イベント開催に至った経緯を伺い、また、伊藤忠商事初の企画展『Period museum -生理と社会の交差展-』をチェックしてきました。
■未来の社会の在り方を考えるきっかけに。ITOCHU Femtech Junction!
『ITOCHU Femtech Junction!』は、“女性の生活課題を自分ごと化し、これからの社会の在り方を考えるきっかけとしてほしい”という想いから生また企画。伊藤忠商事ではオンライン上で企画を提案し、それに賛同する社員を募って事業化を検討していく「バーチャルオフィス」という仕組みを導入しており、その制度を始めてまず上がってきたのが、今回の「Femtech」だったのだそうです。
オープニングセレモニーに登壇した伊藤忠商事代表取締役副社長 執行役員CAOの小林文彦氏は本イベントについて、「社員の中から沸き起こってきた事業計画だった。そしてその手を挙げた方の半数が男性だったことも、個人的に驚きだった」とコメント。
続けて、「Femtechは女性だけのものではない。女性の働く環境改善、健康改善というだけでなく、男性にとっても大切な要素であり、ゆくゆくはそれぞれの家庭の幸せにつながる。Femtechの事業を進めるということは、世の中の社会課題を解決する一つの手段だと考えている。このことを、本イベントを通じて皆様に示したい」と、イベントに対する想いを語りました。
■生理について学ぶ『Period museum -生理と社会の交差展-』
本イベントのメインとなるのが、生理について学べる企画展『Period museum -生理と社会の交差展-』です。
伊藤忠商事が男女3,000人を対象に生理に関する意識調査を実施した結果、9割の女性が「一般的またはそれ以上の知識がある」と回答した一方、6割の男性が「あまり知らない、まったく知らない」と回答。男女の生理に対する知識差が明らかになったのだそうです。
その一方で、約3人に1人が生理経験の有無に関わらず生理に関する社会の意識改善に対して高い関心があるという結果に。そこで『Period museum -生理と社会の交差展-』では、生理と社会の関係をあらゆる側面から紐解き、女性も男性も生理について理解を深められるさまざまな展示が並びます。
入口付近に並べられているのは、サニタリープロダクト。吸水ショーツから月経カップまでさまざまなアイテムが並んでおり、実際に手で触れてアイテムをチェックすることもできます。
教育現場においても生理に関するさまざまな課題が取り沙汰されています。そこで、“生理と学校”をテーマにした展示では、現役高校生たちにアンケートでヒアリング。
ロッカーの中を開けると、高校生が生理に対してどんな悩み・思いを抱えているのか、リアルな声を聞くことができます。
女性の中にも、「生理についての正しい知識がある」と自信を持って答えられる人は少ないのではないでしょうか。
産婦人科医・稲葉加奈子さん監修による“生理とウワサ”コーナーは、「1日に必要なナプキンの枚数は?」「妊活中でないなら生理を止めても問題ない?」など、女性も男性も生理についての正しい知識を学べる内容を展示。
パネルをめくりながらクイズゲーム感覚で生理や女性のカラダについて学べます。何問正解できるか、お友達やパートナーと勝負してみるのも楽しそうですよね。
展示ルーム奥には、生理経験者が自分の言葉で生理の痛みやつらさを綴る“生理と言葉”や、自分の生理について書き込める“生理のトリセツ”コーナーも。生理のつらさや症状は、女性一人ひとり異なります。
自分の生理についてシェアすることは少し勇気がいるかもしれませんが、家族やパートナー、友達と共有することで、共感し合えたり自分をより理解してもらったり、良い関係性を作るきっかけになるかも。ぜひ活用してみてください。
■女性の活躍に必要なこととは
オープニングセレモニーでは、伊藤忠商事 執行役員 法務部安全保障貿易管理室長 寺内香織さん、野村證券株式会社 代表取締役副社長 鳥海智絵さん、株式会社つくばウェルネスリサーチ代表取締役社長 久野譜也さんによるトークセッションも。女性の活躍をテーマに、今の社会に思うことを話しました。
女性の総合職が一般的ではなかった時代から今まで、第一線で活躍を続けてきた寺内さんと鳥海さん。
これまでのキャリアや育休産休などライフステージの変化でお二人が感じたことなど、貴重なお話ばかりでしたが、中でも筆者が特に驚いたのは「昔は出産で亡くなる女性が多かったのですが、今は産後に亡くなる方が多い」という久野さんのコメント。
子育て世代の女性には、収入、キャリア、子育て、そして自身の健康という4つの課題があり、母親はみな“自分のこと”を後回しにしがち。
子どもを産んでからも健康に過ごすための必要なサポートが足りない、行き届いていないのが日本社会の課題。この課題を解決していくことが、女性の活躍、女性が活躍できる環境につながると話していました。
■もっと生きやすい社会に。自分にできることを考えよう
生理や健康、女性のキャリア形成の上での課題など、さまざまな学びがあった本イベント。パートナーに自分の生理や健康についてシェアしたり、助け合ったり。女性も男性も、まずは一人ひとりが自分にできることを考えることがこれからの社会をつくるうえで必要だと改めて感じました。
『ITOCHU Femtech Junction!』開催中は、生理にまつわる企画展の他にも、産前産後の女性のカラダと心のコンディションを整えるワークショップイベントや養生茶・養生スープの無料試飲など、さまざまなイベントが開催されます。ぜひお友達や家族、パートナーと訪れてみてくださいね。
(取材・文:仲野もも)