「シャッター前」「始発組」コミケ用語の基礎知識
毎年夏と冬の2回開催される「コミックマーケット」、通称コミケ。日本だけでなく、世界でも最大規模の同人誌の即売会です。オタク文化の象徴ともいわれるコミケですが、最近では一般層でも興味を持つ人が増えています。さてこのコミケには、いくつもの「専門用語」があります。今回は、コミケ会場で飛び交うコミケ用語や同人用語の一部をご紹介します。
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●壁サークル
壁、壁サーともいいます。これは壁際に販売ブースを設けているサークルのことです。壁際にブースを設けることで通路の混雑を避けることができるため、行列のできやすい人気サークルなどのブースが壁際に配置されます。壁サークル=大手人気サークルと考えていいでしょう。
●シャッター、シャッター前
人気サークルの中でも、特に人気の高いサークルのこと。壁際のシャッターのある部分にブースを設けるのでこう呼ばれています。シャッターにブースを設けた場合、行列は会場外に並ぶことになるため、大人数の行列を整理させて並ばせることができます。長時間並ぶことが必至です。
●最大手
最も人気の高いサークルのことや、一番勢いのある同人誌のジャンルを指す言葉。しかし、コミケ会場では売店やトイレを「最大手」と呼ぶのが一般的になっています。売店やトイレは最大手のサークル同様に長蛇の列ができることから、最大手と呼ぶようになったそうです。
●島
コミケの販売ブースは机を複数並べたものですが、この並べられた机たちを「島」と呼びます。島は主に縦長で、島の位置によって「島端」や「島中」などの呼び方があります。「あのサークルは島端だよ」などと使いますね。こうした島周辺は混雑しやすいので、超人気サークルは壁際に配置されることがほとんどです。
●赤枠、赤バミ、赤テープ
立ち入りや座り込みを禁止するエリア。赤いテープ枠が設けてあったりするのでこう呼ばれています。消火設備の周辺、トイレ周辺などがこれに当たるので、立ち入ったり座り込んだりしないようにしましょう。「黄枠」といった黄色のテープの枠内も同様です。注意しましょう。
●最後尾札
行列の最後に並んでいる人に持つ義務が発生する札。長い行列のできる人気サークルなどに並ぶと、持つ機会があるかもしれません。持たないといけない場合は、恥ずかしがらずに分かりやすい位置に掲げること。
●始発組
電車の始発でコミケ会場に乗り込む人たちのこと。始発で来て、会場に向かう人は非常に多く、始発にもかかわらず駅にはものすごい行列ができます。
●西/東
東京国際展示場(東京ビッグサイト)のエリアを指す言葉。西は西展示場と南コンコース、エントランス一帯のエリア、東は東展示棟と北コンコース一帯のエリアのことです。初めて参加する人はマップとともに覚えておくといいですね。
●絨毯爆撃
ある特定のジャンルの作品を満遍なく購入することや、特定の位置にあるブースそれぞれの作品をまとめて購入することを意味します。「島端から絨毯爆撃で」と言われたら、島の端から端までのブースの作品を順に購入していきましょう。
●ファンネル
コミケ会場は広く、また参加するサークルも非常に多いため、一人で全てのサークルを回ったり、欲しいものを全て購入するのは至難の業です。そのため、友人に頼んだりして複数人で手分けして購入する場合があります。そうした購入するために動いてくれる人たちのことを「ファンネル」と呼びます。
ちなみにファンネルというのは、機動戦士ガンダムシリーズに登場する無線式の攻撃兵器のこと。依頼を受けて購入に走る人たちの動きが、本体を離れて各自攻撃するファンネルの動きのようなので、こう呼ばれるそうで……。ひどい話です(笑)。
コミケ用語や同人用語の中の、分かりやすいものや実際に使いやすいものをチョイスして紹介しました。今年の夏のコミケは8月15日~17日に開催。初めて参加するという人は、ぜひこうした用語を覚えてください。
(貫井康徳@dcp)
2014年9月2日本文を修正いたしました。
※この記事は2014年09月02日に公開されたものです