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高級自動車ディーラーの接客、ここまでやっているところもある

高級自動車ディーラーでは今、接客競争になっている。ブランドを表現した接客を追求するディーラーの最前線をご紹介します。

【今では信じられないバブル時代の慣習あれこれ】

●敷居が高いショールーム?
高級自動車ディーラーのショールームは一般的に、非常に敷居が高いようです。つまり、気軽に訪れることができる場所ではなく、買う気がかなりある人が行くところ。

500万円以上する自動車のショールームで、名前や住所、今乗っている車の車検時期などのアンケートを提出してくれる人は、お店にとっては“宝物”。お一人のアンケートをもらうまでのマーケティング・コストは10万円ともいわれている。そこで接客競争。

●ドリンクのすすめかたは高級ホテルのよう
ショールームの接客の基本は快適さ。その第一歩はドリンクによって、リラックスしていただくこと。大衆車のショールームの場合は、ボタン式の無料ベンディング・マシンで自由に飲んでいただくか、テーブルにメニューがあり、そこから選ぶ形式が多い。実際、土日など多くの人数に対応するにはそれも必要。

高級自動車ディーラーともなると、そうはいかない。ショールームスタッフが対話によって、ゲスト(お客さま)のお好みのドリンクをお聞きする。

高級ホテルのティールームのよう。温かいもの、冷たいものを選んでいただき、その後、数種類のお好みのドリンクを提示して選んでいただく。

最近では、スタッフルームに高級エスプレッソ・マシンをおいているところもある。エスプレッソも、カプチーノも用意できる。エスプレッソ・マシンに加えてドリップ式も可能としている場合が多い。

ブルーマウンテン・ブレンドを用意しているケースもある。もちろん紅茶も茶葉を選ぶことができる。

●ギフトの種類も豪華
高級自動車ディーラーのフェアなどのギフトも豪華。ベルギーのショコラティエ(チョコレート職人)のブランドのチョコレートを一箱などということもある。

2,000~3,000円相当のチョコレートプラス有名なワインといったケースもある。もちろん、その自動車ブランドのロゴの入ったサングラス、ゴルフグッズ、高級ミニカーなども珍しくない。また、その企業が提携しているハワイの高級ホテルのロゴが入ったバスタオル、バスローブといったケースもある。

こうした中で、ゲストの個性に合わせることも珍しくない。あらかじめ好みのものを準備していることもある。例えば、地方の有名な薄皮まんじゅうなどを用意することも。これは営業担当者が事前に好みを聞いておくからできること。もちろん、出来たてほやほやを。

●駅への送迎
自動車ショールームは、駅から離れている立地にあることが多い。訪れる側に自動車がない場合は、最寄り駅まで迎えに来てくれる。

その際、その自動車ブランドのF1ドライバーが着るユニフォームに白い手袋で待つといったディーラーもある。もちろん、ドアの開け閉めは白手袋で丁重に。ここまでくると、高級ホテルに到着したような雰囲気だ。もちろん、帰りも駅まで丁重に送ってくれる。

●教育
もちろん接客教育も工夫している。ラグジュアリー・ホテルのスタッフをトレーナーとして招くといったことも珍しくない。

筆者が実際に目にしただけでもこうしたことが行われている。これより素晴らしい接客もたくさんあるはず。

(文:深山敏郎/(株)ミヤマコンサルティンググループ/コミュニケーションズ・スペシャリスト)

○著者プロフィール
深山敏郎。コミュニケーション改善の請負人として、高級ホテル、外食チェーン、外車ディーラー、IT企業など、20年で延べ4万人あまりを直接指導。夢は、英国でシェイクスピア芝居を英語で上演すること。著書:「できるリーダーはなぜ『リア王』にはまるのか」~100冊のビジネス書よりシェイクスピア~ 青春出版社 9/3刊行 http://www.miyamacg.com/ お問合せ先:info@miyamacg.com 執筆協力:石井公一(いしいきみかず 中小企業診断士)

※この記事は2013年08月27日に公開されたものです

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