盆栽資格とは?盆栽職人になるために必要な資格とは?活かせる職場やおすすめの資格を紹介
盆栽職人はお客様の注文によって盆栽を仕上げたり、盆栽の手入れに関する指導を行ったりする仕事です。現在では特に外国人からの人気が高く、発注や指導を依頼することが多くなっていることから、盆栽職人は一定の需要があります。
そんな盆栽職人を始めるために特別な資格は必要ありませんが、実力を証明することや信頼を得るためには、資格を持っておくことが望ましいものです。
そこで、この記事では盆栽職人の概要や職場などを見ながら活動する際に相応しい資格について紹介していきます。
盆栽職人の基礎知識
盆栽職人になるために、まずは盆栽の基本的な部分と、なぜ資格の所持が望まれるかという理由について見ていきます。
盆栽職人とは
盆栽職人は、その名の通り盆栽の職人として、鉢植えの中に作品としての形を仕上げていく仕事になりますが、近年ではそれ以外にも様々な活動スタイルができています。
盆栽の基盤となる部分はマツやサツキといった木になりますが、これらは当然ながら最初から成長しているものではないので、盆栽として弄れるようになるまで、ある程度の時間が必要です。
盆栽職人の中には、そんな盆栽の基盤について生産を専門にしている人もおり、反対に盆栽作家として作品を仕上げることを専門にしている人もいます。
また、近年は外国人にも盆栽が認知されていることから、完成品の発注が入ったり、国内外で招かれる形で実演や指導をしていったりすることもあり、この海外とのやり取りを専門にしている人もいます。
盆栽職人の資格所持が望ましい理由
盆栽職人として活動を始めるためには、作品として仕上げられるような知識や技術が必要になってきますが、これに関して国家資格や特別な許可といったものは定められていないので、極端に言ってしまうと、今すぐにでも始められるものです。
しかし、盆栽職人として活動する上で許可とは別に、盆栽関連の資格を取得していると有利になることがあります。
盆栽職人に作品や講師の依頼をする時、選考要素は色々ありますが、同じ条件が並んでいる場合、実績を参考にされることが多くあります。
その場合に始めたばかりであれば実績はないのは当然ですが、それに加えて資格も所持していないとなると、いくら作品としての盆栽が素晴らしいものであっても、信頼を得るのには難しいものがあり、候補から外れてしまう可能性が高くなります。
そのため、始めるための資格や許可はいらない盆栽職人でも、盆栽関連の資格を取得して、仕事の依頼を受ける際の知識や技術の証明ができるようにしたほうが望ましいでしょう。
盆栽職人に活かせる盆栽の知識を学ぶ方法とは?
盆栽職人になるために、それに関連する資格取得を考える場合、資格試験を受けるまでの学習方法について決めなければいけません。
ただ、資格取得者自身の現状から学習できる場というのは限られるので、現在の生活リズムを崩さないような学習方法を選択した方が良いでしょう。
現役盆栽職人へ弟子入り
新しく盆栽職人になるための手段としては、現役で活躍する盆栽職人の元へ行き、弟子入りすることが一番であると言われています。
弟子入りといっても、直接盆栽に関わる指導をして貰うというわけではなく、落語家の師匠と弟子の関係のように、現役盆栽職人の普段の生活や活動を手伝う中で、自分から学び取っていくことになります。
しかし、この方法で盆栽職人となれるのは、5年から10年かかると言われており、今の仕事や家事から離れて、完全に盆栽職人の道へ進むために切り替えなければいけません。
もちろん、本格的な盆栽職人になるためだと考えると最も有効な手段ですが、全ての人が簡単にできるものではないと言えます。
教室・スクール
カルチャーセンター等で開講される教室・スクールの中で、盆栽はフラワーアレンジメントのジャンルに入っており、講座数も多いです。
ただし、その講座の多くは季節に合わせた盆栽の仕上げ方など、趣味で盆栽をする人を対象とするものばかりであり、盆栽全般の知識を学べる講座はほとんど見つかりません。
技術面では得られるものはあるかもしれませんが、資格取得への勉強には向いていない学習方法です。
通信講座
通信講座では盆栽関連の資格について、資格を発行する協会と連携しながら、資格試験対策となるテキストを制作しているところがいくつかあります。
そのため、教室・スクールのように、講座を見つけるまでさほど時間を要しません。
また、通信講座は基本的には時間と場所を縛られずに勉強できるため、仕事や家事をやりながらでも隙間時間を見つけて両立させられます。
資格試験に直結した教材と時間・場所に縛られない部分は、上記の2つにはないメリットであり、特に拘りがなければ、通信講座を学習方法として選択することをおすすめします。
盆栽職人の知識が活かせる職場や仕事内容
盆栽職人としてのスキルを得た後に、実際に働ける職場としてはいくつか候補があります。
そんな資格取得後の職場の候補とその仕事内容を見ていきます。
盆栽の販売・展示
盆栽職人を始めた人の多くは作品としての盆栽を作って販売したり、発注を受けて作ったりしていくものです。
販売先は自分で専用サイトを開くことも考えられますが、近年ではオークションやフリマアプリなどでも盆栽を出品できることから、方法は限られていません。
作品は基本的に自分のセンスで作っていくものですが、使う木や展示される場所など、ある程度の指定がある発注を受け、作品を仕上げたりすることもあります。
ただ、最初からすぐに買い取られたり、発注を貰ったりすることは難しいため、まずは盆栽職人として認知されていく必要がありません。そのため、作品創りと同時にSNS等を活用した宣伝・告知にも力を入れていくべきでしょう。
また、近年では外国人からの需要が高いことから、英語でのやり取りができるようにしておくと、取引の面で有利になることがあります。
盆栽教室の開講
盆栽職人のもう1つの道としては教室・スクールの項目でも紹介したような盆栽教室を開講することが考えられます。
盆栽教室では仕上げる過程で切り落としなどの作業が挟まりますが、それでも部屋を汚すほどにはならず、使う道具も持ち込める大きさの物が多いので、場所についてはあまり縛られません。
生徒を募集する際は、初心者向けであることや、どのようなコンセプトの盆栽を創っていくかなど、対象とする人を絞っておくと、利用を考える人も選びやすくなります。
一方、盆栽教室の講師として名前が広まると、普段の場所以外に呼ばれて出張教室を依頼されることもあります。こちらでも需要があることから、外国人が習いに来る可能性があるので、英語の資料などが用意できると、仕事の幅が広げられるでしょう。
盆栽の基盤・素材の販売
初めの方の項目でも書いたように、盆栽職人は作品を仕上げるだけでなく、盆栽の基盤を育てることも仕事の候補になりえます。その場合は、他の盆栽職人と趣味で盆栽をする人のどちらを対象にするかによって、作業量が変わってくることがあります。
後者については、一から始めるのは難しいと感じる人もいることから、半分程度は形を整えて販売するというパターンがあり、この場合は単純に育てるよりも少しだけ作業量が増えるものです。
販売先としては作品としての盆栽と同じように、自分のサイトや出品できるネットショップが主な取引場所になります。
盆栽職人はどのような人に向いているか?
盆栽職人を目指す人の多くは、盆栽が好きでそれを仕事としてやっていきたいという考えがあると思いますが、その気持ちとは別に、盆栽職人を始めるために持っていると良いものがあります。
それはコミュニケーション能力があることです。
盆栽職人は盆栽を作品として創るにしても育てるにしても、向き合う機会が多いのは木々であるように思うかもしれませんが、実際にはそれらを販売したり、他者へ指導したりすることから、人との付き合いの方が多くなるものです。
また、作品創りに関しては、盆栽の中にも流行が存在しており、その流行を知るためには、同じ盆栽職人や取引先とやり取りして情報を得ることが最も有用な手段になります。
これらのことから、盆栽職人におけるコミュニケーション能力は、活動の質を上げるために重要な要素になっており、コミュニケーション能力が高い人は向いていると言えるのです。
盆栽の業界に入った時点では、他とは違う会話に慣れないことから、上手く喋れないことがあるかもしれませんが、慣れてからでも意識して変えられる部分なので、後から身に付けても問題ありません。
盆栽職人の実力を証明できる資格一覧
盆栽職人としての知識や実力を証明できる資格には様々な種類があり、発行する協会によって内容も少しずつ異なるものです。
そんな盆栽職人関連の資格の中で、よく挙げられる3つの民間資格について見ていきます。
盆栽クリエイター資格
盆栽クリエイター資格は日本デザインプランナー協会(JDP)が発行しており、盆栽の手入れや品種ごとの管理など、盆栽の基本についての知識を有していることを証明する資格です。
基本的な部分の知識が証明できれば、販売や盆栽教室において役立つ資格になります。
受験資格 |
なし |
受験料 |
10,000円(税込) |
受験申請 |
公式サイトから申込 |
受験方法 |
在宅受験 |
合格基準 |
70%以上の評価 |
試験日程 |
2ヶ月に1回ペースで開催(年度による) |
苔玉士資格
苔玉士は日本インストラクター技術協会(JIA)が発行しており、苔玉を作るための道具とその使い方を理解していることを証明する資格です。
盆栽の一種である苔玉は、丸くて可愛らしい見た目から、インテリアとしての人気が高まっており、この資格は苔玉に限定されるものの、流行に合った資格になっています。
受験資格 |
なし |
受験料 |
10,000円(税込) |
受験申請 |
公式サイトから申込 |
受験方法 |
在宅受験 |
合格基準 |
70%以上の評価 |
試験日程 |
2ヶ月に1回ペースで開催(年度による) |
盆栽クリエイター資格
盆栽クリエイター資格は一般財団法人日本園芸協会が発行しており、盆栽の基本樹形などの基礎から実技技能までが身に付いていることを証明する資格です。
講座は協会によって指定されていますが、培養管理や繁殖技能についても学べるため、盆栽の基盤の販売にも繋がる資格が手に入ります。
受験資格 |
協会の講座を受講すること |
受験料(認定料込み) |
56,100円(税込) |
受験申請 |
協会ホームページの申込から |
受験方法 |
なし(課題提出を全て終了すると資格発行) |
合格基準 |
ー |
試験日程 |
ー |
盆栽職人になるためにおすすめの資格とは
先に紹介した3つの資格の中で敢えておすすめの資格は「盆栽クリエイター資格」と「苔玉士」です。「盆栽クリエイター資格」では盆栽における基礎についての知識や実力を証明できるので、どの仕事内容でも対応しやすくなります。
一方、「苔玉士」では苔玉の知識についての知識や実力を証明できるので、近年で人気の高いものに対して需要に見合った提供が可能です。
また、2つの資格は受験資格を特に指定していないため、自分に合った教材や講座を選んで勉強を進められるところも良い点です。
盆栽職人資格の取得におすすめ資格講座
もしも盆栽士資格と苔玉士の試験勉強の教材選びに迷っている場合は「SARAスクールジャパン」もしくは「諒設計アーキテクトラーニング」がおすすめの講座です。
その理由はこれらの通信講座は、上記2つの資格を発行している協会より認定校の証明を受けているからです。
通信講座で用意されているカリキュラムを進めていくと、そのまま試験に対応した勉強ができるだけでなく、通常の受験よりも有利になる部分があります。
盆栽・苔玉資格取得講座| SARAスクールジャパン
SARAスクールジャパンの盆栽士資格に関連した勉強ができる講座としては、以下の2つのコースがあります。
SARA School JAPAN |
基本コース |
プラチナコース |
受講料 |
59,800円 |
79,800円 |
受講期間 |
6ヶ月(最短2ヶ月) |
|
添削回数 |
5回 |
5回+卒業課題1回 |
資格試験 |
公式サイトで各自申込 |
免除(課題提出のみで卒業と同時に盆栽士資格と苔玉士資格を取得) |
認定試験受験費用 |
各資格10,000円(税込) |
免除 |
内容としては、盆栽クリエイター資格と苔玉士資格の両方の試験で使える教材とカリキュラムが組まれています。
そして、プラチナコースにある特典として、卒業課題提出のみで盆栽クリエイター資格と苔玉士資格を取得できるというものがあり、このコースでは本来の試験の受験費用をプラスするだけで試験が免除されるという、とてもお得なものになっています。
ただし、片方の資格取得で考えると、苔玉士資格分の受験費用を払う必要があるため、複数の資格は必要ない場合は基本コースでも十分なものです(その場合は講座とは別に認定試験に申し込む必要があります)。
受講期間は1日30分の勉強で6ヶ月が想定されていますが、勉強時間が確保できれば更に早い取得も可能で、公式の想定では最短2ヶ月取得も可能となっています。
盆栽士W資格取得講座| 諒設計アーキテクトラーニング
諒設計アーキテクトラーニングの盆栽士資格に関連した勉強ができる講座としては以下の2つのコースがあります。
諒設計アーキテクトラーニング |
基本講座 |
スペシャル講座 |
受講料 |
59,800円 分割:3,300円×20回(初回4,276円) |
79,800円 分割:3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 |
6ヶ月(最短2ヶ月) |
|
添削回数 |
5回 |
5回+卒業課題1回 |
資格試験 |
公式サイトで各自申込 |
免除(課題提出のみで卒業と同時に盆栽クリエイター資格と苔玉士資格を取得) |
認定試験受験費用 |
各資格10,000円(税込) |
免除 |
講座の概要としてはSARAスクールジャパンと同様になっていますが、使用される教材やカリキュラムは違うものになっています。
認定講座であることは双方変わりないので、公式サイトの情報や資料請求で確認して自分に合うと思う方を選ぶと良いでしょう。
盆栽関連の資格を取得して盆栽職人として活躍してみよう
盆栽の販売や指導などを中心に行う盆栽職人は、始める際の特別な許可や資格は定められていませんが、お客様や生徒から信頼されるためにも、知識や技術が証明できる盆栽関連の資格を取得することが望ましい職業になります。
それを踏まえて資格取得を目指すのであれば、より忙しい中でも勉強が進められ「盆栽クリエイター資格」と「苔玉士」に関し、基礎的な部分から着実に学べるため、専用の資格講座がおすすめです。
そして、この2つの資格は「SARAスクールジャパン」か「諒設計アーキテクトラーニング」であれば、協会認定講座として学びやすいだけでなく、両方の資格試験の免除などの特典を受けられるものです。
盆栽職人としてアピールできるような資格が欲しいと考えている人は、ぜひ上記の資格と通信講座を検討してみてください。
植物・花・園芸資格の関連記事
フラワーアレンジメント資格について
ガーデニング資格について
家庭菜園資格について
水耕栽培資格について
バラ資格について
華道アドバイザー資格について
ハーブ資格について
盆栽資格について
華道家資格について
女性資格取得の通信講座を詳しく見る!