お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

鮮度が命の鳥肉を豪快に堪能できる店 東京都品川「鳥樹」―湯通しだけのレアなササミ「鳥の塩レモン」510円

手前が看板メニューの「ももタタキ」780円、奧が「鳥の塩レモン」510円

焼鳥といえば、銘柄鶏とか備長炭とか、そんな売り文句が決め手になっている感もある業界だが、この店は違う。仕入れる鶏肉は特に産地にこだわった地鶏などではないし、脂がしたたる鳥肉を豪快に、火柱を上げて焼くのは電気グリルだ。

【創業122年の歴史を誇る街のそば屋「あさだ」―手間ひまかけた小柱のかき揚げが人気「天もり」850円】

だが、うまい。何が違うのか。「焼き物にしろ刺身にしろ、鶏料理を左右するのは鶏の鮮度です」と言い切るのは店主の相原邦夫さん。


ここ鳥樹で仕入れる鳥肉は、すべてその日の朝に市場で締めた内臓付きの丸鶏。それを、その日の予約状況や注文の入り具合をみながら店の厨房で部位ごとに切り分けて調理していくのだが、なんでもないことのようであって実は大変に希有なことなのである。

「内臓付きの丸鶏を仕入れて店でさばくには食鳥処理の免許が必要です。首都圏でこの免許をもっている飲食店は非常に少ない」と説明する相原氏。要するに、鳥は内臓付きで仕入れてこそ鮮度も維持でき、品質の善し悪しもチェックできるのだとか。

つまり、ほとんどの店で使用する部位ごとに解体済みの鳥とは、同じ鳥肉であって同じではないということなのだ。

●鮮度が命の鳥肉を豪快に堪能できる
一羽丸ごとの若鶏は、もも、ささみ、内臓など注文ごとに客の目の前でバラされ調理される。ここも見どころだが、素材も職人の腕も確かなので焼き物は塩だけでシンプルに味付けされる。看板メニューの「ももタタキ」780円は、もも肉一枚を注文と同時に手際よくさばき、塩を振って焼き台にのせられる。

お通しと一緒に「鳥スープ」が出されるが、これも新鮮な鶏ガラのうま味が出ており、塩のみの味付けだがやけにうまい。スープをすすりながら、煙を立てて焼きあがる鶏を眺めていると、いやがおうにも食欲が高まる。ひと口大に切り分けられた「ももタタキ」は、特製の酢醤油を回しかけていただく。

皮はパリっと香ばしく身はホクホクとジューシーに焼き上がっており、ボリュームも申し分ない。

湯通ししただけのレアなササミの「鳥の塩レモン」510円も弾力感ある肉の歯応えを楽しみつつ、さっぱりいただける。鶏ガラだしで仕上げたコクのある「茶碗むし」600円など、鶏料理店ならではの逸品もそろい、鶏のうまさをとことんしゃぶりつくせる名店である。

【店舗データ】
店名:鳥樹 本店
所在地:東京都品川区旗の台3-11-13
営業時間:17:00~24:00
定休日:月、日、祝日(東口店は火)

【その他メニュー名 価格】
・煮込み500円
・鳥わさ510円
・ささみおろし550円
※ドリンク=生ビール610円、サワー390円、日本酒440円ほか

※この記事は2014年05月12日に公開されたものです

SHARE