離乳食を始める前に知っておきたいこと
離乳食を開始する前に、事前準備や離乳食のおおまかな流れなどを知っておきましょう。
離乳食開始前の準備①|自分に合う離乳食の本を見つける
離乳食開始前に、離乳食に関するお気に入りの本を1冊見つけてみましょう。家庭によって料理のスタイルはそれぞれなので、参考にする本も人ぞれぞれ好みがあるでしょう。
フリージングがいい人、取り分けがいい人、毎日しっかり決まっている方が進めやすい人などもいます。お友だちの意見なども参考に、1冊でも持っていると安心ですね。
離乳食開始前の準備②|脱「泣いたらすぐ授乳」
離乳食を始める時期が近づいたら、「赤ちゃんが泣いたらすぐに授乳」というだけではなく、泣いている理由を探ってみましょう。
お腹が空いて泣いている以外にも、気分転換が必要だったり、オムツが気持ち悪かったり、暑かったり寒かったりなど、いろいろな理由で赤ちゃんは泣くものです。授乳をすると赤ちゃんは泣き止みやすいものですが、そうすると本当に空腹で泣いているサインを見逃してしまいます。
空腹なタイミングが離乳食開始後の「食事の時間」になっていきますので、まずは泣いている理由を考えてみましょう。
離乳食の進め方とポイント
離乳食は段階に合わせて食べやすく調理したものを与えます。
おかゆはトロトロのつぶしがゆから
おかゆは、なめらかなトロトロの「つぶしがゆ」から始め、慣れたら粗つぶし、それからつぶさないままにして、軟飯へと移行していきます。
野菜なども最初は裏ごしを
野菜や魚・肉などは、最初は裏ごしなどでなめらかな形状にして、次第に粗くきざんでいきます。赤ちゃんは離乳中期(生後7~8ヶ月ごろ)に入ると、口の中でつぶした食べ物を舌でひとつにまとめる動きを覚えていきます。このころには、飲み込みやすいように「とろみ」をつけることも必要です。
序盤は調味料不要
離乳初期では調味料による味付けは不要です。離乳食が進むにつれて塩、砂糖、しょうゆ、みそなどを使用するレシピがでてきますが、素材の味を生かした薄味を心がけます。素材の味だけだと食べない場合は、だし汁で煮ると野菜のえぐみなどが減って食べやすくなるので、様子をみて試してみてもいいでしょう。
衛生には十分注意を
赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いので、離乳食作りの際は衛生に気をつかいましょう。手や食材、食器、調理器具はよく洗って清潔に保ってください。
離乳食の進め方についてもっと詳しく知りたいときは、下記も参考にしてください。

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あると便利な離乳食で使うものリスト
離乳食作りに備えて、どんな風に作るのかもイメージしながら、次のものを揃えていきましょう。
おかゆを作る道具
当分はおかゆが赤ちゃんにとってメインの主食になります。炊飯器でもまとめておかゆを炊くことはできますが、最初は食べる量がごくわずか。冷凍保存の目安は1週間程度なので、初めは少量のおかゆを作れる道具があると便利です。
たとえば、炊飯器で普通のご飯と一緒におかゆが炊けるカップ。湯呑み茶碗などでも代用できますが、専用のカップは裏ごし器や計量スプーンなどが付属しているほか、目盛りがついているので使いやすくなっています。電子レンジでおかゆが作れる製品も販売されています。
専用の道具がなくても、小鍋で作るか、耐熱容器やシリコンスチーマーを使って電子レンジで作ることもできます。おかゆはかたさを変えながら長い期間作ることになるので、どうやって作っていくかイメージしながら道具を準備してください。
おかずを作る調理器具
・すり鉢、すりこぎ(小さなサイズを用意する)
・すりおろし器(おろし金)
・耐熱容器(電子レンジ加熱のため)
・小鍋(少ない量を調理できるサイズ。茹でる、煮るなど)
・まな板
・包丁
・調理はさみ
・計量スプーン、計量カップ
離乳食調理セットがあれば「裏ごし器」「すり鉢、すりこぎ」「すりおろし器」がそろいます。調理セットは必ず購入する必要はありませんが、少量の離乳食を作るのに適しているのであると便利。裏ごしができるので初期から活躍します。家にある調理器具を見直して、裏ごし器やすり鉢などをそろえる必要があるなら、調理セットを購入してもいいでしょう。電子レンジ対応のタイプなら、食材を加熱してそのまま同じ容器ですりつぶすことができます。フィーディングスプーンやおかゆポットがセットされているタイプもあります。
食べるための道具
・赤ちゃんが使うスプーン、フォーク(先が丸く持ちやすいベビー用を)
・お皿(ベビー用食器でなくても小さめの器、プラスチック製のお皿でも)
・マグ
・エプロン(ポケットがあるもの、食器と一緒に洗えるシリコン製が便利)
離乳食には、段階によって舌や歯ぐきの使い方を学び、ものを食べる練習をする意味もあります。フィーディングスプーンはできれば専用のものを。用意できない場合は、なるべく深くないものがおすすめです。食器は必ずベビー用である必要はありませんが、吸盤でテーブルに固定できるタイプなど、ベビー用ならではの使い勝手がいい食器もあります。
また、赤ちゃんがひとりで座れるようになったら水分を摂る練習も始めましょう。はじめはスプーンでお茶や水などを飲ませますが、月齢があがると少しずつ口をすぼめることができるようになり、コップで飲めるようになっていきます。ただ、まだまだこぼしやすい時期でもあるので、スパウトやストローマグを使ってもいいですね。
冷凍保存用の容器
・フリージング用の保存袋
冷凍保存は効率よく離乳食を準備するための強い味方。おかゆや冷凍できる食材のほか、だしやスープなども冷凍保存できます。細かく分かれた容器で凍らせたあと、冷凍保存用の密閉できる袋に入れて冷凍保存をします。
そのほか
離乳食が進んで自分で食べ始めると、赤ちゃんも周りも汚れてしまいます。おしぼり、ウエットティッシュ、テーブルの下に敷くビニールシートや新聞紙など、後片付けに必要なものも考えて準備しておきましょう。
便利グッズは使用するシーンをイメージしてから
離乳食の便利グッズが本当に便利かどうかは使う人によって異なります。
必要なものは人それぞれ
ミキサー、ブレンダーは作業が楽になる反面、先輩ママ・パパの間では洗うのが手間だった、少量を作りたいので裏ごし器があれば必要なかったという意見も。離乳食以外にも使う予定があれば取り入れてもいいでしょう。麺類などをカットする離乳食用のはさみは、外食時や取り分けの際に重宝するもの。ただ、家ではキッチンばさみで十分だったという意見も。便利グッズは各家庭で使用する機会があるか、本当に便利かを考えて選びましょう。
まとめ
「時間があるときに作り置きをする」「大人の分から取り分けながら作る」など、離乳食の作り方は家庭によってさまざま。また、「便利なものならぜひ使いたい」「なるべく今あるもので済ませたい」などアイテムへの考え方もそれぞれでしょう。現在、キッチンにどのぐらいの調理アイテムがあるかによっても必要なものが変わってきます。先輩ママ・パパなどのアドバイスも受けながら、自分のスタイルに合うようにそろえましょう。裏ごし、すり潰すという手間がかかりますし、一時的だけではなく、すりごまにして豆腐を裏ごして白和えにするなど、習慣づければ、意外とその後も使うことができたりもします。使い勝手がいいものを選んで離乳食作りを楽しんでくださいね。
(文:佐藤華奈子、監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです

女子栄養大学 生涯学習講師。大学時に小児栄養学を学んだのち、育児用品メーカーでベビーフード開発を経て栄養相談、離乳食レシピ執筆、講演会に携わる。2児の母。現在は、母子栄養協会にて離乳食アドバイザー®他、専門家を養成している。
◆一般社団法人母子栄養協会HP:https://boshieiyou.org/
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