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2023年01月17日 14:47 更新

生後4ヶ月で離乳食を開始していい?スタートの目安は?【管理栄養士監修】

離乳食のスタートは、赤ちゃんの成長が感じられるうれしい節目。生後4ヶ月ごろになると「そろそろ離乳食を始めた方がいいかな?」と思うご家庭もあるようです。では、4ヶ月の赤ちゃんに離乳食をあげ始めるのは問題ないのでしょうか。離乳開始の目安などと一緒に考えてみましょう。

離乳食の開始時期はどうやって決める?

赤ちゃんの離乳食の開始時期はどうやって決める?
Lazy dummy

それまで母乳や育児用ミルクを飲んでいた赤ちゃんが、食べ物に挑戦する離乳食。いつごろから始めるものなのでしょうか。

9割の赤ちゃんが5~6ヶ月で離乳食をスタートさせている

離乳食をスタートした5~6ヶ月の赤ちゃん
Lazy dummy

「平成27年乳幼児栄養調査」によると、離乳食を開始した時期は生後6ヶ月が44.9%ともっとも多く、ついで5ヶ月が46.8%、4ヶ月で開始した人は0.8%(4ヶ月未満全体では2.1%)という結果でした。[*1]。

離乳食を開始する目安は月齢だけじゃない

8割以上の人が月齢を離乳食開始の目安としているようです[*1]が、赤ちゃんの発育発達には個人差があるので、月齢はあくまでも目安のひとつ。

「授乳・離乳の支援ガイド」[*2]では以下のように記載されています。

離乳の開始
その時期は生後5~6か月頃が適当である。ただし、子どもの発育及び発達には個人差があるので、月齢はあくまでも目安であり、子どもの様子をよく観察しながら、親が子どもの「食べたがっているサイン」に気がつくように進められる支援が重要である。


厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」p.30より

出典: https://www.mhlw.go.jp

離乳開始のサインって?

以下は、離乳食スタートの目安となるものです。生後何ヶ月になったかだけでなく、赤ちゃんの様子をよく観察してみましょう。


スタート時期の目安については、以下の記事でも詳しく解説しています。

生後4ヶ月、離乳食を始めてもいい?

さて、ここからが今回の本題。離乳食をスタートさせる時期として5~6ヶ月が目安であるものの、赤ちゃんが食べたがっていたらスタートを前倒ししてもいいのでしょうか。発達の面から時期を考えてみましょう。

首すわり、寝返りの時期

首すわりができるようになった赤ちゃん
Lazy dummy

離乳食開始時期の目安にある「首がしっかりすわり、寝返りができている」について見てみましょう。

寝返り、4ヶ月でできる子は半々

赤ちゃんの発達には個人差があり、寝返りなどができるようになる時期にも幅があります。

厚労省の資料を見ると、首すわりに関しては4ヶ月で93.8%の赤ちゃんができていますが、寝返りができる生後4ヶ月の子は約半数(52.7%)という結果でした。
その後、生後5ヶ月になると86.6%、生後6ヶ月では95.8%と多くの子が寝返りができるようになります[*3]。

この時期赤ちゃんのの運動機能はどんどん発達していくので、焦らず時期を見守りたいものです。

寝返りの時期については、こちらの記事でもお伝えしています。

スプーンを押し出さなくなる時期

では、目安の中の「スプーンなどが口に入っても舌で押し出すことが少なくなっている」についてはどうでしょうか。

スプーンを出してしまう哺乳反射

スプーンを出してしまう赤ちゃんの哺乳反射
Lazy dummy

生まれてすぐから母乳やミルクを飲めたのは、もともと赤ちゃんに備わっている「哺乳反射」のおかげ。この反射は成長に伴って消えていきますが、残っているうちはスプーンなどの固形物が口の中に入ると、舌を突き出して追い出してしまいます。つまり、哺乳反射がなくなる・弱くなるのが離乳食開始の条件となるのです。

生後5~7ヶ月で消えていく

多くの場合、哺乳反射は生後5~7ヶ月ごろにだんだんと消えていくとされています[*4]。それ以前に口に固形物を入れられると、嫌がる赤ちゃんもいるでしょう。

離乳食開始は遅ければ遅いほどいいってこと?

スプーンをくわえる赤ちゃん
Lazy dummy

離乳食は、運動機能などの発達、そして赤ちゃんの消化機能や咀嚼(そしゃく)機能の発達に合わせて、開始することが大切です。

しかし、遅くすればいいかというとそうでもありません。アトピー性皮膚炎を心配して離乳食の開始を遅らせようと考える人もいるようですが、開始を遅らせても防げないことがわかっています。また、適切な時期に始め、進めていかないと、鉄やビタミンDなどの大切な栄養素が不足しやすくなります。

焦る必要はありませんが、時期になったら赤ちゃんの様子を見て開始しましょうね。スタート時期について、詳しくは以下の記事も参考にしてください。

4ヶ月の離乳食、Q&A

生後4ヶ月ごろの離乳食の疑問について、川口先生にお答えいただきます。

Q:食べたそうにしていたので4ヶ月から離乳食を始めました。大丈夫でしょうか?

離乳食を食べようとする赤ちゃん
Lazy dummy

首がすわっていて、支えがあれば座れ、問題なく食べられているようであれば大丈夫ですが、そこまで急ぐ必要はありません。おかゆや野菜程度にとどめて、便の様子や体重変化などもみられるといいですね。ちゃんと飲み込めていないようであれば、離乳食を開始後でも一旦母乳・ミルクに戻してあげる必要があります。

Q:離乳食を始める前に、果汁などで味に慣れさせる必要はあるのでしょうか?

離乳食を食べる赤ちゃん
Lazy dummy

かつては離乳食を始める前に果汁などを与えていた時期もありましたが、今ではその必要はないとされています。離乳食スタートの時期が近づき、何か準備をしておきたいということであれば、哺乳反射がどのぐらいあるかを確認がてら、スプーン遊びをしてみてはいかがでしょうか。
スプーンに入れるのは母乳やミルクでOK。最初は嫌がるかもしれませんが、時間を置きながら繰り返していると、受け入れてくれるようになります。無理強いはせず、コミュニケーションのひとつぐらいで気楽に試してみてください。

果汁など赤ちゃんの水分補給について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

パパと一緒にベビーフードを選ぶ赤ちゃん
Lazy dummy

離乳食の開始は5~6ヶ月ごろが適切とされていますが、月齢はあくまでも目安のひとつ。赤ちゃんの様子や発達具合を見て、判断しましょう。開始の時期は早すぎても、遅すぎてもリスクがあります。焦る必要はありませんので、4ヶ月ごろの場合は、そろそろ離乳食の準備があるなと意識をして、食器などを準備するのが楽しい時期と考え、タイミングを考えて始めていきましょうね。

(文:村山真由美/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

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