【医師監修】妊婦はカレーを食べてもいい? 食事で注意すべき7つのポイント

【医師監修】妊婦はカレーを食べてもいい? 食事で注意すべき7つのポイント

疲れているときなど、スパイスの効いたカレーが食べたくなることがあるかもしれません。普段ならちゅうちょなくインドかタイか……と考えるところですが、妊娠中は香辛料の影響も気になるところ。カレーについて産婦人科の先生に話を聞きました。


この記事の監修ドクター
松峯美貴先生
医学博士、東峯婦人クリニック副院長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(ともに東京都江東区)妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします!どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。
http://www.toho-clinic.or.jp/

妊婦は香辛料やハーブをとってもいい?

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香辛料やハーブの中には刺激物も含まれますが、特定のものを偏ってとりすぎなければ食生活に取り入れるのはOKです。
一般的に調味料で使う程度の分量なら、赤ちゃんに影響を与えるようなことはないと思っていいでしょう。

「つわりの時期の妊婦さんは、それまでと味の感じ方や食事の嗜好が変わることが少なくなく、いつもは滅多に食べないタイカレーの香りが食欲をそそる、インドカレーなら食べられる、などという人もいます。つわりの時期にはあまり気にせず、食べられるものを食べることが大切です。
香辛料を使ったスパイシーな料理には食欲増進や体がポカポカするなど、うれしい作用があることも。食欲のない時期に、おいしく食べられるものがあることはよいことです」(松峯先生)

ただし、つわりの時期を過ぎたら少々注意が必要です。

「日本の一般家庭でつくるカレーは、たんぱく質と糖質、食物繊維をバランスよくとることもできるメニューです。
一方、本格的なエスニック料理は自分の体調と相談しながら、ほどほどに。香辛料の中には、頻尿や便秘をまねくものもあります。痔の人は痛みが悪化する場合もあるでしょう」(松峯先生)

なお、医薬基盤・健康・栄養研究所は「『健康食品』の安全性・有効性情報」サイトで一部のハーブに子宮の収縮作用があるなど、海外の情報をもとに妊娠中のハーブ製品に対する注意喚起をしています。

◆参考:妊娠中のハーブ製品の自己判断による摂取に注意
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3009.html

妊娠中の食生活の基本まとめ

おいしく、安全に食べていくための基本をおさらいしておきましょう。

1)規則正しく、多様に食べる

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バランスのよい食事がいいと分かっていても、どうしたらバランスがよくなるか、なかなか難しいもの。

「ひとつの方法として『規則正しく、多様に食べる』ことがバランスをよくしてくれます。食材や料理の多様性を楽しみながら、過不足なく食べていきましょう。
周囲から『赤ちゃんの分も食べて』とすすめられ、断れなくて困っている妊婦さんが少なくないと感じています。葉酸など、妊娠中にいつもの量に加えてとるべき栄養素はありますが、過分な食事の増量は必要ありません。主治医からの指導内容を伝えて、周囲にも理解を促しましょう」(松峯先生)

肥満は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった病気を引き起こしやすくなります。

妊娠高血圧症候群は、悪化すると母子ともに命の危険にさらされます。また妊娠糖尿病は赤ちゃんが巨大児となるリスクを高めたり、生まれてすぐに赤ちゃんが低血糖症を引き起こすことがあります。肥満は危険な病気のリスクになるということです。

とはいえ、体重が増えたからといって極端に食事を減らすのもよくありません。食事の量を減らすのではなく、運動量を増やすなどの工夫も大切です。

なお、平均的な活動レベルの女性が1日に必要とするエネルギー量は2000kcal程度で、妊娠によって1日に追加するエネルギー量は表の通りです [*1]。

カロリーではわかりにくいので、食べ物でいうと50kcalの目安はバナナ1/2本、250kcalはごはん1膳(150g)、450kcalはクロワッサン2つ(@50g)程度になります[*2]。

妊娠の時期 付加エネルギー量(kcal/日)
妊娠初期 +50
妊娠中期 +250
妊娠後期 +450
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年度版)より

2)よく噛んで食べる

よく噛むと消化吸収がよくなるうえ、脳からヒスタミンの分泌が増えて満腹中枢を刺激するので[*3]、食べ過ぎの防止になります。また、唾液も多く分泌されるので、口腔トラブルの予防にも効果が期待できます。

3)野菜を意識的にとる

摂取カロリーを抑えることができ、妊娠中に必要なビタミンやミネラルを摂取できます。食物繊維が豊富な食品をとると血糖値の急激な上昇が抑えられ、妊娠糖尿病につながる食後高血糖を予防できます。便秘の予防・解消にも役立ちます。

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4)塩分は控えめに

塩分のとりすぎは、むくみや妊娠高血圧症候群につながります。味の濃いおかずが食欲をそそり、ついついお米などの炭水化物(糖質)を食べすぎてしまう場合も。
妊娠中の塩分摂取は1日6.5g程度[*1]にし、出汁を効かせる、香味野菜を足すなどして薄味に慣れましょう。

5)加工食品やお菓子はほどほどに

カロリー・脂質・塩分・糖質をとりすぎないよう注意し、成分表示を確かめながら適度に食べましょう。
自炊で利用するカレーのルゥなどの調味料にも脂質豊富でカロリーが高いものもあるので、要注意。なるべくローファット・塩分控えめの製品を選んで!

「つわりの時期が過ぎ、普段通りの食欲が戻ったら、濃い味つけの外食を控え、なるべくシンプルな料理を自炊して食べるのが体調管理のこつです。
最近は、塩分を控えたお惣菜も販売されているので、そうしたものを上手に利用するのもいいかもしれません」(松峯先生)

6)水分補給は十分に

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妊娠中、特につわりの時期は普段以上に脱水に注意が必要です。メインで飲むのは水かノンカフェインのお茶などが適しています。清涼飲料水やジュースは糖分が多く、妊娠中に必要な体重コントロールの妨げになる可能性があるので、飲みすぎないようにしましょう。

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

「飲用水にこだわり『硬水』を利用している人もいますが、日本人は『軟水』で育っているので体に合わないこともありますし、必要以上にミネラル分をとってしまう場合もあります。コンディションを見ながら、体に無理のない選び方をしましょう」(松峯先生)

7)サプリメントに頼りすぎない

ビタミンB群の1つ「葉酸」は “造血のビタミン” などと呼ばれます。先にも述べた通り、妊娠中は血液量が増えますが、葉酸が不足すると赤血球が十分に作れず、貧血を引き起こすことも。また、葉酸は人間の細胞の分裂や成熟にも関わる栄養素で、不足するとお腹の中の赤ちゃんの先天異常を引き起こす恐れがあります。そのため、葉酸についてはサプリメントで適切に補うことが勧められています。

ただし、その他の栄養については基本的に食事からとり、サプリメントの利用については主治医に相談し、使うにしても妊娠中の女性向けに配慮されたものを選びましょう。

「マルチビタミンを利用する女性が多くみられますが、妊娠初期(特に妊娠3ヶ月以内)は摂取量に気をつけたいビタミンAも含まれますので、妊娠が分かってからは必ず主治医に相談してみましょう」(松峯先生)

まとめ

家庭でつくる一般的なカレーは、特に注意する必要はないようです。もとより、つわりの時期は「食べられるものを食べられるだけ食べる」でOK。ただし一部の本格的なカレーに利用されるスパイスには排泄トラブルや痔と関係するものもあるとのことなので、体調と相談しながら、ほどほどに楽しみましょう。

(文・構成:下平貴子、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版) 妊婦・授乳婦」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
[*2] 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
[*3] 一般社団法人日本健康倶楽部「健康用語辞典 満腹中枢」
https://www.kenkou-club.or.jp/kenko_yogo/m_01.jsp

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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