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2023年02月23日 16:50 更新

妊婦の食事に海老(エビ)はおすすめ?それともハイリスク?【管理栄養士監修】

妊娠中はお母さんの健康と赤ちゃんの成長のために食事に気を使いますよね。魚介類は食中毒や水銀など不安要素もあり、よくわからないまま控える方も多いのではないでしょうか。今回は妊娠中の海老の食べ方」について解説していきます。

妊婦が気をつけなければならない海老って?

栄養豊富で美味しい海老ですが、妊娠中には気を付けたい食べ方があります。

刺身や寿司に気を付けて!生の海老にはリスクが

生の海老にはリステリア菌[*4]の感染の危険があります。

リステリア菌感染症は、健康な成人の場合では軽症または無症状で済むこともありますが、妊娠中は感染しやすく重症化するリスクも高いです。また胎内感染する可能性もあるので、注意が必要ですどちらも加熱をすることで菌は死滅し予防することができるので、できる限り生食は控え、しっかり加熱してあるものを選ぶと安心です。

リステリア菌について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎リステリアとは

量やアレルギーにも注意を

どんな食材も食べすぎは体に良くありません。海老にはコレステロールやプリン体が含まれているため元々コレステロール値が高い人などは食べすぎに注意が必要です。

また、妊娠中に限ったことではありませんが、海老にもアレルギーがあります。甲殻類アレルギーは食物アレルギーの一種で、海老や蟹を含む甲殻類を食べたり、触れたり、吸い込んだりすることによって体が過敏に反応して起こる免疫反応です。甲殻類アレルギーは食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因として注意が必要とされています [*5] 。海老を食べたときにかゆみが出たり違和感がある場合は、医療機関を受診しましょう。

妊婦におすすめの海老の食べ方は?

妊娠中は特に生で海老を食べるリスクを考えなければいけません。では妊婦はどんな食べ方をすればいいのでしょうか。

ボイルなど火を通した海老を食べる

蒸し海老の寿司

海老を加熱をすることで、妊婦中でも安全に食べることができます。

海老の栄養は尻尾にも! 水銀の心配はなし

海老は良質な動物性たんぱく質が摂れます。一般的に多く流通している車エビで100gあたり21.6g、ブラックタイガーでは100gあたり18.4g、バナメイエビでは100gあたり19.6gと豊富です。
海老は脂質が少ないのも特徴で、車エビで100gあたり0.6g、ブラックタイガーで100gあたり0.3g、バナメイエビで0.6gなので、茹でた海老ならお寿司やサラダなど、ヘルシーに楽しめます。また、カルシウムや鉄、カリウムなども含まれています [*1] 。そのほかにも血圧の上昇を抑える働きのあるタウリンや抗酸化作用のあるアスタキサンチンなども含まれます。

海老の殻や尻尾まで食べると◎
海老の殻や尻尾には動物性食物繊維のキチン・キトサンという成分が含まれており、腸内で食物繊維として働いてくれます。また、食事中のコレステロールの吸収を抑えてくれる働きもあるのはうれしいですね [*2] 。

海老は水銀の含有量が低い魚介類
魚介類は水銀の影響も気になりますよね。厚生労働省の発表によると、海老は水銀の含有量が低い魚介類に分類されており、妊娠中に控える必要がある魚介類に含まれていません[*3]。水銀の含まれる量が低いといってもどんな食材でも食べすぎはよくないので、バランスよく取り入れたいですね。

相性抜群!妊婦におすすめの海老とアボカドを使ったレシピ

海老とアボカド
【海老アボカドトースト】

■材料
・食パン 1枚
・ボイル海老 4尾
・アボカド 1/2個
・マヨネーズ 大さじ1
・とろけるチーズ 10g
・胡椒 少々

■作り方
① アボカドは種を取り、皮を取ってスライスしておく
② ボイル海老を1/2にスライスしておく
③ 食パンにマヨネーズを塗り、アボカドと海老を交互に並べる
④ 胡椒を振り、とろけるチーズをのせてトースターでチーズが溶けるまで焼いたら出来上がり

切ってのせて焼くだけの簡単なトーストです。

お好みで食パンをバゲットに変えたり、マヨネーズをケチャップに変えてピザトースト風にしても楽しめます。

オリーブやバジルなどを追加してもオシャレ度がアップしておもてなしにもいいですね。


妊娠中のアボカドについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎妊婦にうれしい栄養豊富なアボカド!食べ方には注意が必要?

まとめ

海老料理

どんな食材でも食べすぎには気を付けたいところですが、妊娠中でも適量で楽しむ分には全く問題ありません。栄養豊富で脂質の少ない海老は妊婦にとって大切なたんぱく質補給食材です。加熱したものであれば、茶碗蒸しやてんぷらなどの和食、サラダやパスタなどの洋食、エビチリやシュウマイなどの中華でも幅広い活躍をしてくれます。いろいろな食材と組み合わせてバランスよく楽しめるとよいですね。

(文:宗政祥子 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1] 日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省 (mext.go.jp)
[*2] 一般社団法人日本キチン・キトサン学会 / m3.com学会研究会 (kenkyuukai.jp)
[*3] これからママになるあなたへ(mhlw.go.jp)
[*4] リステリア・モノサイトゲネス感染症とは (niid.go.jp)
[*5] 甲殻類、軟体類、貝類アレルギー|食物アレルギー研究会 (foodallergy.jp)

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、専門家の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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