【医師監修】妊婦健診はいつ受ける?採血はする?頻度・検査内容・費用について

【医師監修】妊婦健診はいつ受ける?採血はする?頻度・検査内容・費用について

ふだん以上に健康管理が大切な妊娠中、定期的にお母さんと赤ちゃんの健康状態を確認するのが一般的に“妊婦健診”と呼ばれる「妊婦健康診査」になります。 妊娠・出産・育児について何でも相談できる機会でもある妊婦健診について解説します。


この記事の監修ドクター
医学博士、東峯婦人クリニック副院長、東峯ラウンジクリニック副所長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(いずれも東京都江東区)。妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします! どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。
http://www.toho-clinic.or.jp/

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妊婦健診、いつ受ける?何をする?いくらかかる?

妊娠するとみんなが受けることになり、出産するまで続く妊婦健診ですが、その頻度や内容、費用など知らないことが意外と多いものです。まずは基本的な事項について説明します。

妊婦健診はなぜ受けるの?

妊婦健診はお母さんと赤ちゃんの健康と安全、安心を守るため、主に次の2つの目的で実施されています。

・お母さんと赤ちゃんの健康状態をチェックし、病気や出産にかかわるリスクなどの早期発見・早期ケアにつなげる
・お母さんが医師や助産師などとコミュニケーションをとり、妊娠・出産・育児について気軽に相談できる機会となることで、妊娠期間中を安心して過ごせるようにする

受診頻度は?

妊婦健診が受けられる主な場所は産婦人科病院、診療所、助産所です。標準的な妊婦健診(全14回)としては妊娠期間別に次のような受診回数/間隔が実施されます。

・妊娠初期〜23週までの間:全4回/4週間に1回
・妊娠24週〜35週の間:全6回/2週間に1回
・妊娠36週〜出産までの間:4回〜/1週間に1回

検査内容は?

<基本的項目/毎回共通>
基本的には妊婦さんと赤ちゃんの健康状態を把握するため、妊娠週数に応じて問診と診察が行われ、腹囲や子宮の大きさ(お腹の外からメジャーなどで計測)、血圧、糖やたんぱくの値(尿検査)、体重、むくみの有無(問診や触診)などの検査と、心身の健やかさを守るための生活上のアドバイスなどを個別に行う保健指導があります。

また、お母さんから医師・助産師に相談することも可能です。必要に応じて、家庭的・経済的な問題などにも対応する市区町村の保健師のサポートにつないでもらうこともできます。 

<医学的検査/必要に応じて>
「必要に応じて行う医学的検査」の代表的なものは次の通りです。
ただし、「必要に応じて行う医学的検査」の何が必要になるかは医療機関の方針や、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態による主治医の判断で変わり、検査が必要な場合は主治医から説明があります。

以下は、妊娠期間別「必要に応じて行う医学的検査」の代表的なものです(回数は目安)。

・妊娠初期〜23週までの間(一部、妊娠30週まで)

血液検査:初期に1回(血液型のほか、血液の状態、血糖値、血液でわかる病気の有無などの検査)
子宮頸がん検診:初期に1回
超音波検査:期間内に2回
ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)感染の有無の検査:妊娠30週までに1回
性器クラミジア感染の有無の検査:妊娠30週までに1回

・妊娠24週〜35週の間

血液検査:期間内に1回(血液の状態、血糖値の検査)
膣内常在菌の検査:期間内に1回
超音波検査:期間内に1回

・妊娠36週〜出産までの間

血液検査(血液の状態の検査):期間内に1回
超音波検査:期間内に1回

費用の負担は?

標準的な妊婦健診などにかかる費用は、総額約10万円程度(初診約1万円程度に加え、以後@約5000円程度×13回)ですが、これには公費による補助制度があり、全国平均で妊婦さん1人あたり約10万円(102,097円、平成28年4月時点)が公費で補助されています[*1]。

つまり、平均で見ると自己負担はほとんどないことになりますが、実際は住んでいる市区町村によって差があり、自己負担が必要な市区町村もあれば、補助額の上限を定めていない市区町村もあります。また、費用は施設の方針や妊婦さんと赤ちゃんの健康状態によって、必要な検査を追加などすると変わります。

補助は住まいのある市区町村に「妊娠届」を出し、検査項目が示されている「受診券」または補助金額の記載された「受診補助券」の交付を受けて、利用しましょう。受け取る際、市区町村ごとの補助の内訳や受診券などの利用法について説明があります。

妊婦健診、よくある質問!

体調が悪くなければ受けなくてもいい?

妊娠期間中、体調がよく、体力に自信があって不安もないのは素晴らしいことで、日頃から健康管理などに気をつけている成果だといえますが、それでも、今後の体調の維持と安全な出産のために、定期的に妊婦健診を受けるようにしましょう。

妊婦さんも、赤ちゃんも、生活上のさまざまなことから影響を受け、健康状態は変化し続けています。妊婦健診で行う検査等では、妊娠・出産に伴うリスクを早期に見つけ、適切なケアにつなげることができます。

松峯先生
「出産に向けて、必要な医療とセルフケアでコンディションを整えていく、その要になるのが妊婦健診です」

妊婦さんと赤ちゃんの大切な体ですから、医学的に状態をチェックしながら、出産に備えていきましょう。

妊娠中に帰国、途中からでもいい?

家庭や仕事の事情で海外で過ごしたのち妊娠中に帰国、という人は少なくありません。そのような場合も、たとえ途中からでも、住まいのある市区町村に「妊娠届」を出し、しかるべき補助を受け、妊婦健診を受診しましょう。

そのような場合、妊娠期間に応じて必要な検査内容を主治医が提案してくれます。帰国したら体調のよいとき、なるべく早めに受診しましょう。

里帰り出産予定の場合はどうする?

里帰り出産を予定している人は、産休が始まる妊娠34週を目安になるべく早めに転院し、以後の妊婦健診を転院先で受けましょう。

先にも述べた通り、住まいのある地域ではない転院先での受診も、公費補助の対象です。ただし一時的には自己負担し後に公費補助分が戻る場合と、市区町村が転院先と直接契約する場合があり、その対応は市区町村によって変わります。

詳しくは住まいのある市区町村の担当課に尋ね、転院先での受診のときも利用してきた受診券などは母子手帳とともに持参しましょう。

なお、帝王切開の予定や可能性がある場合は、事前に転院先と連絡をとり、何週までに診察を受けるか、産院でのスケジュールを聞いておき、それに合わせて転院してください。

まとめ

妊娠期間中、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態を定期的に確認していく妊婦健診についてご紹介しました。出産まで、また、赤ちゃんとの生活が始まった後も安心して過ごすために、妊婦健診の折に「妊娠・出産・育児」について専門家と話せるのは有意義ではないでしょうか。妊婦健診そのものについても何か聞いてみたいことがあれば医師や助産師に尋ねてみましょう。

(文・構成:下平貴子/日本医療企画、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省「妊婦健康診査の公費負担の状況にかかる調査結果について」
厚生労働省「リーフレット“妊婦健診”を受けましょう」
公益財団法人母子衛生研究会「母子健康手帳副読本」(2019.04〜2020.03配布版)

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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