【医師監修】立ち会い出産準備で夫ができる4つのポイント

【医師監修】立ち会い出産準備で夫ができる4つのポイント

夫が出産に立ち会う場合、ただ痛がる妻の側にいて見守ればよいというわけにもいきません。夫には、妻が安心して出産に臨めるようにサポートをするという、大切な役割があります。何も知らずにその大役を果たすのは難しく、結局何もできなかったということにならないよう、妊娠中から準備しておきたいことをまとめています。


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※画像はイメージです

最近は、出産の立ち会いを望むパパが増えています。我が子誕生の瞬間を夫婦で共有できる経験は、なにものにも代えがたい感動を生むでしょう。

立ち会い出産する男性が気をつけるべきなのは、しっかりと妻の出産をサポートすることです。特に初めての出産だと、想像以上に苦しむ妻を前に、何をしてよいのかわからず、結局夫はオロオロしていただけだったということも珍しくはありません。一生の宝物にもなる貴重な体験を夫婦で分かちあうためにも、出産を万全の体制でサポートできるよう、準備しておきたいことをまとめました。

出産の立ち会いが本当に可能か確認しておく

夫が出産の立ち会いをすることについては、夫婦それぞれの考え方があるでしょう。もちろん、夫に苦しむ姿を見られたくないから嫌だという女性もいます。ただ、夫が立ち会う予定、または可能なら立ち会うと決めている場合、多くの女性は夫をとても頼りにしています。陣痛や出産に対する不安に立ち向かうとき、信頼できる人が側にいてくれることほど心強いことはありません。出産間際に、準備不足のため立ち会いができないと判明した、なんてことがなるべくないよう、出産の立ち会いが本当に可能か、あらかじめしっかりと確認しておきましょう。

産院の方針を確認

まずは、出産予定の施設が、出産の立ち会いを認めているのかどうか調べましょう。立ち会いをまったく認めていない産院もあれば、条件付きで認めている産院もあります。条件には、例えば次のようなものがあります。

・血縁関係での制限
夫のみ立ち会いが可能な例、夫と両親まで可能な例、実の子供の立ち会いまでが認められる例など

・年齢での制限
立ち会いを認められるのは、小学生以上に限られる例など

・出産立ち会い時に行えることの制限
写真撮影やビデオカメラの持ち込みが不可とされている例など

・その他
立ち会う人は、産院で開催する両親学級への事前参加が必要な例など

なお、里帰り出産をする場合には、妊婦健診を受けている産院ではなく、里帰り先の産院について調べることをうっかり忘れないようにしましょう。

分娩予約は早めに

出産の立ち会いを希望するなら、妊娠初期のできる限り早い段階で、産科に分娩の予約をすることをおすすめします。出産予定日が決まるとすぐに分娩予約を取る人も多く、妊娠3ヶ月になってから動き出しても、すでに出産予定の月の予約がいっぱいになっているということも珍しくはありません。そこから別の産院を探すのは大変ですし、見つかった産院では希望するスタイルでの立ち会い出産ができないという可能性もあります。早めに行動しておきましょう。

妊娠中のサポートも大事

出産は予定どおりに進むとは限りません。どんなに準備していても、さまざまな事情があって、出産当日に立ち会いができないケースもあるでしょう。たとえば、里帰り出産で夫が間に合わなかったという場合もありますし、帝王切開になったので結局立ち会えなかったという場合も多いものです。そういった状況も想定して、出産の立ち会いが現実的に可能であるのかをよく考えておきましょう。妻が望んでいるのにも関わらず立ち会いができない可能性が高い場合には、そのことを早めに妻に伝えて、妊娠中にできる限りのサポートをしましょう。

妻が出産時に望むことについて話し合っておく

夫婦2人の子供ですから、それぞれに希望する出産スタイルがあるとは思います。ただ、命がけで強い痛みに耐えて出産するのは妻ですから、妻の希望を優先にしてもいいかもしれません。妻が出産時に何を望むのか、出産前の段階で具体的に話し合っておくことをおすすめします。陣痛が始まってからの妻は、痛みに耐えるのに精一杯で、質問に答える余裕はほとんどないと考えてください。また、夫がよかれと思ってしていたことが、実は妻にとって辛いことだったというのもよくある話です。あらかじめ、よく妻と話し合っておきたいですね。

誰が立ち会う? 立ち会わない親族をどうする?

出産には、夫だけが立ち会うこともあれば、夫とともに他の家族がが立ち会うこともあります。特に、出産を経験していて、何でも相談できる母親は頼もしく、妻が立ち会いを希望することはよくあります。

夫だけが出産に立ち会う場合、夫が立ち会いで分娩室に入っている間、連絡を受けて到着したお互いの両親や兄弟たちは控室などで待つことになります。孫の誕生が楽しみだったり、母子ともに無事なのか心配だったりで、分娩室の様子を伺おうとする人もいるでしょう。そういったときに、夫の独断で分娩室に通すなんてことは避けましょう。苦しむ姿を見られたくなかったり、裸に近い格好で恥ずかしかったりという妻の気持ちを考えましょう。

最近は陣痛から分娩後まで一部屋で過ごせるLDR(エルディーアール Labor:陣痛、Delivery:分娩、Recovery:回復)というスタイルの出産も増えています。LDRの場合、分娩室よりもより気軽に室内に入りやすいでしょうが、出産する本人が知らないうちに、立ち会う予定のない人物が室内にいるなんてことがないよう、注意を払いましょう。

2人目以降の出産では、上の子をどうする?

2人目以降の出産で夫が出産に立ち会う場合は、その間、上の子の面倒は誰が見るのかも考える必要があります。上の子の年齢や性格を考えて、夫の出産立ち会いに同行するのか、または誰かに預かってもらうのかを夫婦でよく話しあい、決めておきましょう。出産の感動を子供にも体験させてあげたいと考えるママもいれば、痛がる姿を見せて怖い思いをさせたくはないと考えるママもいます。子供が出産に立ち会う際には、子供が分娩の進行を妨げたり、医療器具や薬品など危険物に触れたりしないように気をつけるのも、パパの大切な役割です。

記念撮影する際の注意点

立ち会いをすると決めている男性の中には、記念に写真やビデオを撮ろうと気合い十分の方もいるでしょう。産院によっては撮影禁止の場合もあるので、撮影が可能かどうかはあらかじめ確認しておきましょう。また、ビデオカメラをフル充電にしておくことはもちろん、妻の撮ってほしい場面と撮ってほしくない場面を確認しておくことも大事です。撮影はあくまでも常識の範囲内で、出産の邪魔にならないようにしましょう。また、撮影に気をとられすぎて妻のサポートがおろそかにならないようにも気をつけたいですね。

出産について旦那が理解を深めておく

立ち会い出産に備えて、一般的な出産の進み方を知っておきたいですね。出産当日、妻に適切な声かけもしやすくなるので、ぜひ、次のような方法で出産についての理解を深めておきましょう。

両親学級に参加しましょう

以前は母親学級と呼ばれていたものが、最近では両親学級、プレママ・プレパパ学級と呼ばれることが増えてます。産科でも開かれていますし、自治体が開催しているものもあり、たいていは夫の参加が可能です。ここでは、たとえば、陣痛の見分け方や破水、おしるしなど分娩の経過などについて、分かりやすく教えてくれることが多いようです。

妻と一緒に学べるため、産院までどうやって行くか、陣痛より破水が先に起こったときはどうするかなど、夫婦で出産時の相談を具体的にしやすくなるのも、両親学級に夫婦で参加するメリットです。産後の赤ちゃんの沐浴やオムツの替え方などについても講義があることが多いので、新米パパはぜひ参加してみてくださいね。

妊婦健診に同行する

妊婦健診に同行することで、妊娠の経過や妻に起こり得るリスク等を医療従事者から直接聞くことができます。赤ちゃんが逆子(さかご)になっている(骨盤位)、胎盤の位置が低くて子宮口を覆ってしまっている(前置胎盤)などで、帝王切開の可能性があるといった重要な説明を受けることもあります。産院によって方針が異なり、付き添いはできるが診察室には入れないなどの場合もあるので、まずは産院に確認してください。同行した際も、他の妊婦さんや患者さんへの配慮は必要です。待合室が込み合っている場合などは十分に注意しましょう。

【医師監修】帝王切開後の痛みはいつまで続く? 産後の家事や過ごし方

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/93

帝王切開は開腹手術なので、身体の回復には時間を要します。実際に帝王切開をするとなると、痛みはいつまで続くのだろう、ちゃんと家事や育児はできるだろうかと心配になるママも多いはず。そこで、帝王切開による痛みの持続期間や回復までのおおよその期間と、退院後の過ごし方についてお伝えします。

また、妊婦健診を受けている産院で出産するのであれば、健診に同行した時に施設内を見学して、スタッフステーションや分娩室、自動販売機の位置等を確認する機会があるかもしれません。出産に立ち会うときに、できる限り不安を抱える妻の側を離れずスムーズに行動できるように、あらかじめ下調べしておきたいですね。

自発的な学習は欠かせない

毎回、妊婦健診に同行するのは難しい場合もあるでしょう。そういう場合でも、出産間際になって焦らないためには、自分から出産について学んでおけるといいですね。出産当日、必死に痛みに耐える妻に、どうすればいいかなどといちいち聞くわけにはいきません。妻がもらってくるパンフレットや母子手帳にあらかじめ目を通したり、出産する産院にHPがあればじっくり見てみたりするとよいでしょう。妊婦健診に同行できなかった日は、「今日はどうだった?」などの会話も大切です。

立ち会い当日に役立つこと

出産は痛いものです。自然分娩ならもちろん、無痛分娩でも完全に痛みがないわけではありません。平均で身長50cm、体重3㎏の人間がお腹から出てくるのですから、それはもう言葉では表現できない痛みです。少しでも妻の痛みを和らげてあげられるよう、立ち会い当日にできることを知っておきましょう。

呼吸法

「ラマーズ法」という言葉は、たいていの方が知っているのではないでしょうか。あらかじめ分娩について心構えをつくっておき、出産中は呼吸に集中することで陣痛の痛みを少しでも軽くしようというものです。妊婦さんは、出産前にこうした呼吸法を練習していることも多いのですが、痛みでパニックになり、練習どおりに実践できない方も実はたくさんいます。妻がうまく呼吸できないでいたら、一緒に呼吸法を実践してサポートしてあげましょう。ただし、呼吸法は絶対にこうしなければいけないというものではないので、当日、実践できなくても焦る必要はありません。

痛みを逃がすための小道具

陣痛の最中に、妻の背中や腰をさすってあげると痛みがやわらぐことが多いです。長時間さすり続ける心づもりをしておきましょう。強さや場所などは、実際の場面で妻に確認しながら進めるしかないのですが、思っていたより強い力が必要だったという声が多いようです。腰などを押すために、テニスの硬球やゴルフボール等を準備しておくと役に立つことがあります。何時間もさすり続ける可能性があるのですが、ママは激しい痛みに耐えているのですからパパも辛抱強くサポートしましょう。

妻が好きな音楽や飲み物など

妻がリラックスして、痛みを少しでも忘れることができるように、妻が好きな音楽を用意するのもいいでしょう。また、陣痛の最中には食欲も落ちることが多いので、食べやすいゼリーや好きなジュースなどを準備するのもおすすめです。陣痛は徐々に強くなり、痛む間隔も短くなっていきます。当日の買い物は、余裕があるうちに早めに済ませておくといいでしょう。

出産準備で最低限必要なものはなに?チェックリストと費用を押さえるコツ

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/3447

出産準備リストなどを見るとさまざまな項目があって、全部そろえることを考えるとなかなかの出費に青ざめてしまいますよね。本当にこれ全部必要なの?と疑問になる方も多いのでは。そこで、こちらでは妊娠中に準備しておきたい最低限必要なグッズと、なくても問題ないもの、出費を抑えるコツについてお伝えします。

まとめ

「夫が出産立ち会いの準備でできる4つのこと」をご紹介してきました。日々忙しいと思いますが、できる限りの準備を進めて、出産当日、感動の瞬間を夫婦で迎えたいものですね。また、出産が終わったら、命がけで赤ちゃんを産んだ妻に、感謝とねぎらいの言葉を忘れず伝えてあげましょう。

この記事の監修ドクター
 産婦人科医 加藤智子 先生
浜松医科大学医学部医学科卒業、社会医療法人財団新和会八千代病院勤務 産婦人科医長を経て、三河安城クリニック勤務。
日本産科婦人科学会(専門医)、日本医師会認定産業医、健康スポーツ医、日本抗加齢医学会(専門医)、NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会(更年期カウンセラー)、日本産婦人科内視鏡学会、日本女性心身医学会、検診マンモグラフィ読影認定医、女医+(じょいぷらす)所属。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.07.02)

※記事の修正を行いました(2019.06.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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