貯金ゼロの20代はヤバい? 社会人の先輩が伝える将来と今について
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「貯金がないとそんなにヤバい?」とのお悩みに、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
貯金がないとそんなにヤバい?
最近、周りの友達は結婚をしたり出産をしたりしています。そんな友達が口をそろえて言うのが「お金がないと何もできない」ということです。今、貯金や投資など何もしていない私に対して「本当にヤバいよ!」とみんな言います。そんなにヤバいのでしょうか? 今を楽しく生きていたら問題ないのでは? 社会人の先輩の意見が聞きたいです。(営業職/20代)
今を楽しく生きていたら問題ない。ある意味、その通りだと思います。
ただ、今を楽しく生きた結果、40代や50代や60代になった時、「今を楽しく生きる」ができなくなるかもしれない。
それは避けたい! と思うから、人は貯金や投資をするわけですよね。未来の「今」のために。
この先も、今と同じくらいの収入を得られる保証はない。いつ仕事がなくなるか、いつ病気になって働けなくなるかも分からない。莫大な治療費が必要になる可能性だってある。だから、貯金や投資で未来に備えることは大事。
……ですが!
ぶっちゃけ、20代のうちからお金のことばかり考えて生きるのはもったいない、とも個人的には思います。
何か目的があるならいいのです。30代で戸建てを買うんだ! とか、起業するんだ! とか。
あるいは、目的は特になくても、お金を貯めること、貯まっていくこと自体が楽しいなら全然いいと思います。
でも、貯金や投資に全く楽しさを感じず、本当はやりたいことがあるのだとしたら。「それでもやりたいことは我慢して貯金や投資をすべき?」と聞かれたら、「やりたいこと、やってみたら?」と私なら答えます。
なぜなら、お金は確かに大事だけれど、「経験」も大事だから。今だからチャレンジできること、今だからやる気になれることもあるからです。
例えば、日本各地や世界各地をバックパックしょって貧乏旅行、なんてのは若くて体が元気でないと難しい。しょっちゅう大勢で飲み会、しょっちゅう合コン、なんてのもまたしかり。若さゆえのエネルギーと好奇心、それを支えられる体力があってこそできることです。
後悔や傷心も味わうでしょう。「私の時間とお金を返せーー!」とジタバタすることもあるでしょう。でもその経験は今後の人生で必ず役立ちます。特に自分という人間を知る上で。
自分は何が好きで、何には頑張ることができて、何に耐えられないか。数字とにらめっこしているだけでは、それを知ることはできません。
若い頃にいろいろ経験して自分を知ることができると、自分に合う生き方、合う人なども分かってきます。つまり人生の節目で選択を誤ることが減ります。
あと単純に、やった後悔より、やらなかった後悔の方が尾を引く可能性が高いです。
ただ、だからといって「未来など気にするな」とは思いません。どちらかに絞らなくてもいいですよね。
なので、やりたいことはやりつつ、できる範囲で貯金をする。これが最適解かなと。
例えば私は、大学卒業後に会社勤めを始めた頃は実家住まいでしたが、家に入れるお金以外は給料をなるべく貯金するようにしていました。早く自立したかったのと、突然の就職氷河期で就職難を経験し、「人生いつ何が起きるか分からない」と身をもって感じていたからです。
その時に貯めたお金は、不安定の権化とも言えるフリーランスの自分にとって“ お守り ”になっています。本気で貯めている人の貯金に比べたら全然大した額ではないのですが(汗)、「不測の事態が起きても、これがあればなんとかなる! しばらくは!」と思えることは大きいです。自分らしさを保てるというか。
今を楽しく生きましょ。やりたいことをやりましょ。その上で、可能な時は、月に1万でもいいので貯金もしましょ! それが今後の人生で、あなたがあなたらしく生きるための“お守り”になってくれるかもしれません。
Point.
・誰しも今と同じくらいの収入や健康な体を維持できる保証はないので、未来に備えることは大事
・しかし貯蓄を最優先してやりたいことを我慢すると、「経験」という財産を得られな
・また、「やった後悔」と「やらなかった後悔」とでは、後者が尾を引きがち
・「今を楽しむ」と「未来に備える」の片方に絞るのではなく、やりたいことをやりつつ、できる範囲で貯蓄をするのがおすすめ
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2024年10月15日に公開されたものです