お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「説教おじさん」とは。見極め方・特徴や心理、上手に付き合うための対処法も紹介

櫻井弘

説教おじさんと上手に付き合うための対処法

厄介な説教おじさんたちの言うことの中にも、有益な情報が含まれている場合があります。

そこで、もし余裕があれば、「双方向性」「水平性」「対面性」の3つを意識して、彼らが「説教モード」にならないようコントロールしつつ、コミュニケーションを取るのがおすすめ。下記で詳しいやり方を紹介します。

(1)「一方通行」ではなく「双方向性」を意識させる

説教おじさんは口を開くと、一方的な自分語りをしがちです。また「言い負かされたくない」という気持ちから、相手の言い分を無視する場合もあります。

ですから、彼らを持ち上げつつ「双方向性の会話」に持ち込む必要があります。

例えば「今の話で思い出したのですが、〇〇の件はどうでしょうか?」「ありがとうございます。ちなみに○○のケースはどう考えたらいいでしょうか?」のように問い掛けましょう。

「あなたの話が思い出すきっかけになった」とすることで相手の自尊感情を守り、良い気分にさせて話を転換して、説教モードを回避するテクニックです。

(2)「上から」ではなく「水平性」を意識させる

説教おじさんは自分が常に正しいと思いがちで、上から目線で意見を述べることが多いです。そこで「おうむ返しの確認話法」で自分の発言を客観視できるように仕向け、対等で公平、つまり水平な状態をつくるのも大切です。

おうむ返しの確認話法とは、相手が発したキーワードを、相手が言った通りの言葉で、その場で確認する聞き方のこと。

これにより、説教モードに突入している相手に対して「上からの押しつけになっていて、話し合いのための同じテーブルについていませんよ!」と、イエローカードを差し出し、注意喚起することができます。

(3)「目線・うなずき」で「対面性」を意識させる

説教おじさんは目の前の相手にきちんと注意を向けずに、「自分が主役」という気持ちが強くなりがちです。それだと相手のためのアドバイスにならず、ただの自慢になってしまいます。

そのため説教おじさんと対峙する時は、対面性を意識させるために、彼らの左目を見て話すように心掛けるといいでしょう。

脳科学では、視界の左側から入る情報は右脳へ、右側から入る情報は左脳に送られるとされています。そして右脳は感覚やフィーリングをつかさどっているので、この右脳に強く訴え掛ければ、あなたの感じの良さや、本気度を伝えることができるでしょう。

さらに、彼らの話をうなずきながら聞くことで、積極性のアピールが可能となります。

目線やうなずきであなたのひたむきさが伝われば、「この人に対しては、自己満足で終わらないよう、しっかり冷静に話さなければ!」などと自覚するように促せるでしょう。

説教おじさんと向き合う時は、このような3つのポイントを意識することによって、彼らの意識や行動を変えられるかもしれません。またあなた自身も、説教おじさんや、その主張に対する見方が変わるはずですよ。

捉え方を変えれば相手もあなたも変わる!

今回は説教おじさんについて、彼らの特徴や心理の他、「双方向性」「水平性」「対面性」を意識した上手な付き合い方を紹介しました。

「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである」というニーチェの言葉があります。

説教おじさんは、一見すると癖が強く、厄介な存在に思えます。ただ私たちが彼らと向き合う姿勢やコミュニケーションの取り方を振り返り、前向きなものにすることで、豊かな人間関係の構築を目指せます。そして、きっとあなた自身の人生の可能性も広がるでしょう。

説教おじさんは揺るがない脅威というわけではなく、あなたの解釈次第でどうにでもなる存在なのです。

(櫻井弘)

※画像はイメージです

※この記事は2024年08月19日に公開されたものです

櫻井弘

株式会社櫻井弘話し方研究所代表取締役社長。各種コミュニケーションに関する研修を手掛け研修先は1,000以上に及ぶ。主な著書に、『図解 「話す力」が面白いほどつく本』(三笠書房)、『マンガでわかる! 雑談力』(宝島社)、監修に『大人なら知っておきたいモノの言い方サクッとノート』(永岡書店)などがある。

この著者の記事一覧 

SHARE