「説教おじさん」とは。見極め方・特徴や心理、上手に付き合うための対処法も紹介
X(旧Twitter)などのSNSで見掛けることがある「説教おじさん」というワード。近くにいると厄介な存在のようですが、具体的にはどんな人を意味し、どう関わっていけばいいのでしょうか。本記事では説教おじさんについて、1,000以上の研修先に講義を行ってきた、話し方インストラクターの櫻井弘さんに教えてもらいます。
「会社の上司によく説教をされるが、指導というより責められている感じがしてつらい」「会うたびに『ああしなきゃだめ』『こうしなきゃ絶対後悔する』とうるさい親戚がいて苦手」など、いわゆる「説教おじさん」に悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、説教おじさんとはどんな存在なのか、そして彼らとの上手な付き合い方について、解説いたします。
今回紹介する方法を実践すれば、皆さんが「ちょっと嫌だな」と感じている「説教おじさん」を「好感度おじさん」に変身させることができるかもしれません。
「説教おじさん」とは
結論から言うと、説教おじさんとは「一方的に、やみくもに、決めつけて意見を押しつけてくる人」のことです。
そもそも「説教」は、さまざまな教えを人々に説き聞かせ、導くという意味の言葉。この説教自体には本来、メリットがある場合がほとんど。
しかし「説教おじさん」の場合は、「私の言うことなのだから、分かる『ハズ』・分かる『ベキ』・当然分かる『モノダ』」と、受け手を無視した自己中心的な考えになっています。
このような状態では、せっかく良い内容の話でも素直に耳に入ってきません。そのため、いわゆる「説教おじさん」は厄介な存在として、周囲の悩みの種となったり、煙たがられたりしてしまうのです。
ちなみに上記の定義に当てはまれば、性別や年齢に限らず、誰でも疎まれる存在になり得るため注意が必要です。
説教おじさんの特徴・見極め方
説教おじさんの概要が分かったところで、ここからはその特徴や見極め方のポイントについて、より詳しく紹介します。
(1)「一方的に」説教する
説教おじさんの特徴は、相手の言い分を聞かずに、一方的に話してしまうことです。
人の話を遮るのはもちろん、「相手が何を知りたいのか?」を聞き出したり探ったりする作業をせずに、自分の考えを押しつけるのに終始してしまいます。
(2)「上から目線で」説教する
彼らは、自分が実際に体験(学習)してきたのだから「正しい」という前提で、上から目線で意見を述べます。
自分自身の正当性にこだわるあまり、相手を真っ向から批判することになっていても、何とも思わないでしょう。
そして、「せっかく自分が教えてあげているのだから受け入れるべきだ」と、戸惑う相手を尻目に意見を押しつけてしまうのです。
(3)「相手に注意が向いてない状態で」説教する
説教おじさんは「自分が、自分が!」「何を話そう、どう話そう」ということに注力していて、あくまで己が主役といった気持ちが強い状態なので、相手の態度や表情から気持ちをくみ取れない傾向にあるでしょう。
自分の知識や武勇伝をひけらかし、「すごいと思われたい欲」で動いているのです。
説教おじさんの心理
では、説教おじさんは主にどんな心理を抱いているのでしょうか? 下記で見ていきましょう。
(1)自分が正しいという固定概念
説教おじさんは基本的に、自らの知識や経験に自負があります。さらに「相手は自分よりも劣っているに違いない」「彼らの考えていることなんて間違っている」などの心理を抱いている場合がほとんどでしょう。
心の中では、人さし指を相手に突きつけて、批判している状態といえます。でも、人さし指以外の残りの3本の指は、全て自分自身に向いていること、つまり批判されるべきは自分といった事実に気付かないのです。
(2)わざわざ「やってあげている」という気持ち
「忙しい時間を割いて、わざわざ指導してあげている」という気持ちを抱きがちな説教おじさん。
「相手のためになるからアドバイスしてあげよう」などの親切心を持っており、悪い人ではない場合も多いのですが、「一方的な押しつけ状態」にあるため、受け手からすれば余計なお世話・ありがた迷惑になっているケースがほとんどです。
相手が本当に助かったかどうかよりも、「やってあげている」といった部分に意義を感じているのでしょう。
(3)実は批判や想定外のことには弱い
自信満々に思える説教おじさんですが、意外にも、実は批判や想定外のことには弱いという場合も多いです。だからこそ、相手に負けないようにと、人の言い分を無視して、自分の中にある一方的な理論を展開しがちです。
物理的に「目を閉じ、腕組みをして、眉間に皺」の状態で話をするケースも少なくありません。そもそも、相手とコミュニケーションを取るつもりがないことを態度で示しているのです。