「関心」と「興味」の違いとは? 意味・使い方・類語を解説【例文付き】
「関心」と「興味」はとてもよく似ていますが、ニュアンスが異なります。
そのため、うまく使い分けないと異なる意図で相手に伝わってしまうかもしれません。
そこで今回は、「関心」と「興味」のそれぞれの違いを解説します。また、類語もまとめているため、ぜひチェックしてください。
「関心」と「興味」の違い
「関心」と「興味」の違いを辞書で見てみると、以下のように記載されています。
興味/関心の使い分け
(1)「興味」は、おもしろいと感じる気持ちや、知りたいと食指を動かされるような気持ちをいう。
(2)「関心」は、対象に向けて注意を払う心。「興味」が対象のある一点に感情的に向けられることがあるのに対し、「関心」は対象全体に理性的に向けられることが多い。
(出典:『類語例解辞典』小学館)
「関心」とは物事全体をよく知りたいという気持ちであり、その中の感情の1つに「興味」が含まれるといえます。
どちらも本質的な意味は同じであるものの、「関心」があるからこそ、「興味」を持って、より深く知りたいという気持ちへと切り替わっていくのです。
使い分けのポイントは「好意的な感情が伴うかどうか」
「関心」と「興味」を使い分ける時のポイントは、好意的な感情を伴っているかどうかです。
「興味」には「面白いと感じる気持ち」が含まれます。そのため、ある物事に対して「好き」とか「ワクワク」といったポジティブな意味合いを強調したい場合はこちらを用いると良いでしょう。
一方、「関心」は「注意を向ける」「気に掛ける」という意味を持つ言葉であり、そこに「面白い」「好き・嫌い」などの感情は含まれません。
ややフォーマルな印象がある言い回しともいえるので、ビジネスシーンなどでは「関心」を用いる方が好ましいでしょう。
「関心」の使い方【例文付き】
「関心」は、ある物事について深く知りたいという感情を表現する時に使います。特定の狭いジャンルよりも、全般的なものに広く使うケースが多いでしょう。
また、この単語には「意識的に注意を向ける」といった意味合いも含まれているので、芸術やスポーツに関心があると述べれば、それらについて詳しく知りたいという知識欲に近いニュアンスを表現できます。
「興味」と比べると少しフォーマルな印象がある言い回しなので、ビジネスシーンや政治・経済など堅いイメージの対象に対しては「関心」を用いるのが良いでしょう。
例文は以下の通りです。
例文
・「芸術を知るために美術展に関心を持っている」
・「今後の経済情報の動きに関心がある」
・「若い人が政治に関心を抱いていることは素晴らしい」
「興味」の使い方【例文付き】
「興味」はその物事に気を引かれるだけでなく、面白さも感じる時に使う表現です。どちらかといえば、嫌いなものではなく好きなものに対して用いることが多いでしょう。
個人的な趣味やエンタメなど、カジュアルなジャンルへの強い関心を意味する時は「興味」と表現するのが最適です。
以下で例文を紹介します。
例文
・「テレビで紹介していた新商品に興味がある」
・「ファッションに興味があって、雑誌をいろいろ読んでいる」
・「駅前にできた新しいお店に興味がある」
「関心」の類語
ここからは、「関心」の言い換え表現を紹介します。
(1)「注目」
「注目」は、注意して見ることを意味する表現です。
「関心」が広いジャンルに用いる言葉だとすると、「注目」はその中の特定の部分にのみ気を引かれているような時に使います。
(2)「着目」
「着目」は、ある物事へ目を向けることを意味する表現です。
例えば、「相手のやり方に着目する」「この建物の建築方法に着目したい」といった、関心を持った中でも特に注意して見たい部分がある時に使えます。
(3)「目を留める」
「目を留める」とは、集中して見る様子を意味する言葉です。
どちらかといえば、突然視界に入ってきたものに対して強烈なインパクトを受けた時などに使うことが多いでしょう。
「興味」の類語
次に、「興味」に似た意味を持つ3つの類語を紹介します。
(1)「探究心」
「探究心」とは、特定の物事に興味を持った上で、より深く知りたいという気持ちが強くなっている状態です。
「興味」よりもさらに1歩踏み込んで、本質を見極めたい時に使うと良いでしょう。
(2)「冒険心」
「冒険心」は、興味を持った未知なる物事に対して、積極的に取り組む気持ちを表現した言葉です。
調べるというよりも、自分で実際に体験したくなるような知的好奇心が刺激された時に使いましょう。
(3)「食いつく」
「食いつく」とは、魚が釣りのエサに食いつくようなイメージから、ある物事に興味を持つ様子を表現する意味合いがあります。
「テレビで流れていたグルメ情報に食いつく」「食いつくように眺めている」など、そのことにしか全く興味がないかのように熱中している状態を言い表したい時に用いると良いでしょう。
「関心」の中に「興味」がある
「関心」と「興味」は似た意味があり、「興味関心」というようにそのままセットで使われることもあります。
しかし、ニュアンスには若干の違いがあり、「興味」は「関心」を持ったものの中で生まれる感情です。そこには、ワクワクや面白さなどの気持ちが含まれるのが特徴といえます。
それぞれの違いを理解した上で、自分が言い表したい内容によって言葉を柔軟に使い分けていきましょう。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2024年04月18日に公開されたものです