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「堪能する」と「楽しむ」の違いとは? 意味・使い方・類語を解説【例文付き】

にほんご倶楽部

「堪能する」と「楽しむ」は、どちらも満足していることを意味する言葉です。

しかし、それぞれのニュアンスは異なるため、上手に使い分けることで、自分の気持ちを正確に表現することができるはず。

今回は、「堪能する」と「楽しむ」の違いと言葉の使い方、類語を紹介します。

「堪能する」と「楽しむ」の違いとは?

まずは、それぞれの言葉の意味を見ていきましょう。

「堪能する」は「存分に味わうこと」

「堪能」を辞書で調べてみると、次のように紹介されています。

たんのう【堪能】

(1)十分に満足すること。「おいしい料理を—する」

(2)気が済むこと。納得すること。

(出典:『デジタル大辞泉』小学館)

「堪能する」には、満足するまで楽しむことや納得するまで味わうといった意味合いがあります。何かの魅力や価値を存分に感じた時に用いる言葉といえるでしょう。

「楽しむ」は「愉快な気持ちになること」

一方、「楽しむ」の意味は以下の通りです。

たのしむ【楽しむ】

(1)満ち足りていることを実感して愉快な気持ちになる。「独身生活を—・む」「休日を—・む」「余生を—・む」

(2)好きなことをして満足を感じる。「読書を—・む」「ドライブを—・む」

(3)先のことに期待をかけ、そうなることを心待ちにする。「子供の成長を—・む」

(出典:『デジタル大辞泉』小学館)

「楽しむ」は、あることに喜びや満足感を得られる気持ちを表現する言葉といえます。

使い分けのポイントは「専門的な知識や経験を伴うかどうか」

「堪能する」と「楽しむ」を使い分けるなら、専門的な知識や経験を伴うかどうかに着目してみましょう。

特に深い理解は不要で体験することそのものに価値があり、明るい気分を表現したい時は「楽しむ」を用います。幅広いシーンで活用できるので、悩む時はこちらを使うのが無難でしょう。

一方、ある出来事に対して専門的な知識を持って深く理解したり、自分が納得いくまで味わうことを強調したい場合は「堪能する」を用いると効果的です。

「堪能する」の使い方【例文付き】

「堪能する」は、何かを納得するまで味わったり、体験したりする時に使います。

主に食事や芸術鑑賞に対して使用されることが多く、その出来事を経験したことで知識が深まったということを暗に表現できるでしょう。

その時の感情は必ずしも「楽しい」だけとは限りません。「納得する」「気が済む」「感動する」など、ある出来事の魅力や価値を十分に満喫できた時に使う傾向があります

以下で、例文を紹介します。

例文

・「おいしい料理を心ゆくまで堪能する

・「芸術作品を細部までじっくりと堪能する

・「先日の旅行では美しい風景や風情を堪能できて良かった」

「楽しむ」の使い方【例文付き】

「楽しむ」は、何かの体験をすることで喜びや充足感を得られる時に使います

この時、深い理解や専門的な知識は不要です。あくまでも、体験することそのものに価値があり、その瞬間瞬間を楽しむような場面で使います。

「楽しむ」は幅広いシーンで使用できるので、日常におけるプラスの感情を表現する時に役立つ言葉といえるでしょう。

例文は以下の通りです。

例文

・「友達との卒業旅行を楽しむ

・「はじめてのスキー体験を思う存分楽しむ

・「やったことがない仕事で不安があるけれど、せっかくなら楽しむことにした」

「堪能する」の類語

ここからは、「堪能する」の類語を紹介します。

(1)「味わう」

「味わう」は、食べ物の味をじっくりと楽しむ時の表現だけでなく、あるものを心ゆくまで経験して納得する時にも用いることができます

物事の真髄まで深く感じ取る意味合いがあるため、「堪能する」の言い換えとして活用できるでしょう。

(2)「満喫する」

「満喫する」は「堪能する」と同様、「十分に満足する」という意味があります。

例えば、食事のシーンで欲望を満たすまでたっぷりと食べたり、制限せずにいろいろ口にしたりすることも、「満喫する」と表現できるでしょう。

十分に味わい尽くすと同時に、気持ちも満足のいく結果になった時に用いるのがおすすめです。

(3)「享受する」

「享受」とは、物事を受け取って自分のものにする時の表現。「享受する」と述べることで、新しい知恵や知識を得たことを表現できます

また、味わい楽しむという意味もあるため、「堪能する」の言い換え表現としても使用可能です。

例えば、「作品を見て悲しみの感情を享受した」と述べれば、芸術作品をじっくり見ながら、知識や感覚を自分のものとして得たことを表現できるでしょう。

「楽しむ」の類語

「楽しむ」に似た意味を持つ類語は次の通りです。

(1)「エンジョイする」

「エンジョイ」には、楽しむ・満喫するといった意味があり、ポジティブな気持ちをカジュアルに伝えられます。

知人や友人に話す時など、フランクな会話が求められるシーンにおすすめのフレーズです。

(2)「喜ぶ」

「喜ぶ」という表現も「楽しむ」の類語として使えます。何かを満喫した上で、うれしい感情が強かったことを表現したい時に便利です。

例えば、「友人が観光を楽しんでくれた」といった相手の気持ちを表す場面でも、「友人に観光案内をしたら喜んでくれた」と言い換えることができるでしょう。

(3)「面白がる」

「面白がる」も「楽しむ」に似た言葉の1つです。特に、笑いが多いような時に用いるのがおすすめ

「初めての経験だったが、怖がらずに面白がっていた」など、ポジティブな気持ちを表すことができるでしょう。

「堪能する」と「楽しむ」は理解の深さと感情の違い

「堪能する」と「楽しむ」は似た言葉ですが、同じ体験に対して深く理解し、学びを得た時は「堪能する」を用いるのが効果的です。

一方、「楽しむ」はその場での感情が楽しかったか、みんなと過ごした時間が良い思い出になったといった、感情を重視した言葉になります。

どちらも意味は似ていますが、ニュアンスが異なるため、正しく使い分けて自分の気持ちを上手に表現していきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2024年04月16日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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