meltやTHE ANSWER、メリットにエッセンシャルと名高いヘアケアブランドを取り扱っている花王が、2024年2月から進めているヘアケア事業変革の進捗説明会を開催しました。
ヘアケアへの関心がますます高まっている今、2年目を迎えるヘアケア事業変革の現況と7月12日に発売を控える「エッセンシャル プレミアム」シリーズのハイダメージ髪に向けた新ラインについて、詳しくお話を聞いてきました。
■ヘアケア事業変革は好調。売り上げシェアは9年ぶりにプラスへ
「髪の生きる力を、人の生きる力へ」の事業ビジョンのもと、ヘアケアブランドのフォーメーションを、人間の本質的な感情ニーズに基づき再編している花王。感情を起点としながら、花王のヘアケア研究100年の知見を活かし、各ブランドにおいて、常に生活者の期待を上回るモノづくりを推進しています。
事業変革では、「拡大するハイプレミアム市場(※1)への参入」と「既存のマスブランドのリブランディング」の2軸で強化を進めています。
「拡大するハイプレミアム市場(※1)への参入」では、第一弾として2024年春にmelt、同年秋にはTHE ANSWERを発売。2025年夏には3つ目の新ブランドのローンチも控えているのだそうです。
また、「既存のマスブランドのリブランディング」では、2024年春にエッセンシャル、2024年秋にセグレタ、2025年春にメリットと次々にリブランディングを行うなど、これまでのアクションの中で、さまざまな結果が出てきたと花王 ヘアケア事業部 ブランドマネジャーの野原聡さんはいいます。
これまではマスブランドの構成比が高く、ハイプレミアムの構成比が低い状態でしたが、事業変革を受け、現在はインバスヘアケアのシェアが13%、そのうちハイプレミアムの構成比は20%強にまで伸長し、一年巻きの状態で計画が前倒される結果となり、インバスケア市場における花王のシェアも9年ぶりに前年を上回るプラス成長に転じたといいます。
これらの結果から、当初の目標である2027年にインバスヘアケア市場内シェアを16%から18%へ、ハイプレミアムの構成比を30%から45%に再設定。それに伴い売上も2025年当初計画が2023年比121%に対し、それを上回る126%できていることから、2023年比137%から156%に上方修正しました。
V字回復への支えとなっているのは、発売からさまざまなベストコスメを受賞しているmeltとTHE ANSWERの2つのハイプレミアムブランドです。
昨年春に登場したmeltは、販売店内3%強のシェアを獲得。出荷本数は発売約1年で250本を突破したのだそう。
また、@cosmeベストコスメアワード2025 上半期新作ベストコスメにて、総合大賞を受賞したことでも知られるTHE ANSWERは、今年4月から配荷が広がり、販売店内4%強のシェアを獲得。出荷本数は発売約8カ月で120万本を突破したといいます。
野原さんは「melt、THE ANSWERともに配荷店がまだ少ない状態。これからも配荷店を伸ばしながら、目標に伸びてくると予想している」と話しました。
一方マスブランドでは、今年の4月にリブランディングを果たしたメリットを含め各ブランド結果が出てきており、「全体戦略とともに各ブランドのプランが的確にはまった結果、V字回復への道筋ができた」と進捗を解説しました。
■刷新後20代No.1を獲得したエッセンシャルからハイダメージ髪に向けた新ラインが登場
説明会では、7月12日から発売する「エッセンシャル プレミアム」シリーズの新ラインが初お披露目に。生まれ変わったエッセンシャルについて、ハイダメージ髪に向けた新ラインの特徴を担当者に聞いてみました。
――2024年にリブランディングを開始したエッセンシャルですが、どのようなブランドに生まれ変わったのでしょうか?
エッセンシャルが来年50周年を迎えるロングセラーブランドということもあり、昨今のパッケージや世界観推しの商品と比較して、若年層の中では古臭いイメージのブランドになってしまっていました。
花王ヘアケア事業全体で進めている事業変革の中でエッセンシャルも2024年からリブランディングを行い、パッケージや中身も刷新。「エッセンシャル プレミアム」を発売すると同時にZ世代に人気の新しいタレントを起用したコミュニケーションにすることで、「ときめき」・「ハッピー」・「かわいい」という今までもブランドが大事にしてきたメッセージをより伝えることができるブランドに生まれ変わりました。
また、エッセンシャルはマスブランドとして、Z世代を含めより多くの方の手に取っていただけるように、こだわりの成分・処方であっても、価格を1,000円台前半と手に取りやすい価格で提供できるようにこだわっています。
――第一弾として発売した「エッセンシャル プレミアム」、第二弾の「エッセンシャル ベーシック」の反響はいかがでしたか?
エッセンシャルのリブランディング後、2024年の売上としては市場105%に対し、エッセンシャルは116%と市場以上に伸長させることができました。
また、ターゲットである10代から20代のシェアが第一弾、第二弾のコミュニケーションを実施した、4~5月、8月のタイミングでブランドとして一位を獲得するなど、エッセンシャルのイメージを古臭いブランドから、イマドキのかわいいブランドでZ世代の方たちに自分向けのブランドであるという印象へと変えることに成功いたしました。
――7月12日より登場する「エッセンシャル プレミアム バリアシャンプー&コンディショナー スパークルモイスト」が生まれた背景を教えてください。
風に自然になびくようなさらさら髪や、やわらかな質感に仕上げることがトレンドになっている中、ターゲットである若年層はファッション感覚でヘアカラーやヘアアレンジを楽しんでいる方も多く、ヘアカラーやブリーチ、ヘアアイロンの熱などによって、髪の毛にハイダメージを負ってしまい、髪のパサつきや切れ毛悩みを抱える方が存在しています。
そのようなハイダメージ髪は、洗髪時に絡まりやすく、摩擦で傷んだり、剤がなじみにくいというお悩みがありました。そのお悩みを解決するために、ハイダメージ髪でも洗いやすく、剤が髪にもなじみ、とろとろでトゥルンとまとまる髪になれる商品を開発いたしました。
――インバストリートメントや、アウトバストリートメント2種も発売されるということで、シャンプー&コンディショナーを含め、それぞれのアイテムの特徴を教えてください。
「エッセンシャル プレミアム バリアシャンプー&コンディショナー スパークルモイスト」は、新感覚です! 洗い流した瞬間から驚きのとろとろ感で、翌朝までトゥルンとまとまり髪が続きます。
ハイダメージ髪でもとろり濃密スフレ泡でやさしく洗えることができ、独自開発技術「瞬間とろとろラメラ処方」でケア成分が髪全体になじみ、毛束に浸透します。
「エッセンシャル プレミアム うるりジェリーミルク」は、ベタつかずみずみずしい新感覚のジェリーミルクです。うるおいチャージと一晩中パックで、ぷるんとまとまる髪にへと導きます。さらに、速乾効果もあります。
使い方は、夜のケアとして、根元から毛先に向けて、しっかりと塗りこんでください。セミロングヘアで合計3~4プッシュが適量です。
「エッセンシャル プレミアム うるりキラリオイル」はベタつかず、透明感あるツヤ髪に導くオイルで、濡れ髪と乾いた髪どちらにも使えて、スタイリングにもお使いいただけます。熱ダメージ予防もできます。
夜のケアや朝のスタイリングとしてお使いください。ポンプ式なので、プッシュ回数で好みのツヤ感を作り出せます。
「エッセンシャル プレミアム とろ生ヘアマスク」は、エッセンシャルプレミアム史上最高濃度の厳選した美容液成分(※2)を配合しており、髪内部と表面を集中補修することができる、よりハイダメージ髪が気になる方に向けた商品です。コンディショナーの代わりに毎日使用も可能です。
香りは全アイテム共通で、「ときめくホワイトピーチ&ムスク」と、Z世代のトレンド研究を踏まえた清潔感が感じられながら万人受けするような香りです。動くたび感じる香りで気分が上がります。
――ターゲットである若年層に向けてこだわったポイントはありますか?
多くの若年層の方に手に取っていただけるように、実際に多くのインフルエンサーの方々や社内の新入社員や若手メンバーにもヒアリングを実施し、「若年層にもかわいいと思っていただけるようなパッケージ」「Z世代のトレンドを感じながら、万人モテできるような香り」「トレンドのニーズである“サラサラ”な仕上がり」「新しさを感じていただけるような新剤形の開発」の4つにこだわりました。
――来年で50周年を迎えるエッセンシャルですが、今後の展望を教えてください。
エッセンシャルの商品を使って、「心ときめくヘアケア体験」を実感いただき、なりたい自分になってハッピーな生活を送るお手伝いが出来ればと考えています。
来年50周年という記念すべき年を迎えるにあたり、エッセンシャルが大切にしている「ときめき」・「ハッピー」・「かわいい」世界観をより、Z世代を中心により多くの方々に伝えていけるような施策などをたくさん準備しておりますので、ぜひご期待ください。
――ありがとうございました!
感情を起点としながら、ヘアケア研究100年の知見を活かし、新感覚や安心感を与えてくれる花王のヘアケアブランド。2025年夏にはハイプレミアムから新ブランドが登場するなど今後も目が離せません。
※1 ハイプレミアム(1,400円以上)、マス(プレミアムマス/リーズナブルマス)(1,400円未満)に分類(※ポンプ型シャンプー/コンディショナーの販売価格をベース)
※2 加水分解コンキオリン、グリセリン
(取材・文:吉川夏澄)