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日本の女性たちに、時計の魅力を広めていきたい。Chrono24 Japan 合同会社日本アジア太平洋地域代表、真木可奈さんの素顔

#リーダーの素顔

ミクニシオリ

経営者やいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でも、リーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて……そして仕事をしている普通の人。そんなリーダーの素顔を探るべく、「子どもの頃はどんな子だった?」「毎日どれくらい働いている?」「やっぱりタワマン住みですか?」など、素朴な疑問をぶつけます。

取材・文:ミクニシオリ
撮影:洞澤佐智子
編集:松岡紘子/マイナビウーマン編集部

経営者やマネージャーなどのいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でもリーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて、そして仕事をしていて……私たちと同じように生活を送る、ビジネスパーソンの一人でもあります。

そんなリーダーたちの素顔や、これまでを探る本企画。今回の「リーダー」は、ドイツ発の高級時計ECサイト「Chrono24」のアジア太平洋地域代表で、日本法人代表執行役でもある真木可奈さんです。外資系企業の代表として、日本を超えて海外のメンバーたちと関わる真木さんは、正真正銘のキャリアウーマン。だけど……インタビューからは、彼女の優しさや人としての魅力も伝わってくるはず。真木さんにとって、リーダーとしてのキャリアは急に始まったものでした。しかし、会社員として様々な苦労をしてきたからこそ、リーダーとしての彼女の素質も、磨かれてきたようです。

真木 可奈さん

学生時代に、ジュエリーや時計の修理等を扱う店舗でのアルバイトを通し、さまざまな時計や職人と出会ったことから時計の世界に引き込まれる。もともと人と話すことが好きで、新卒として念願の海外営業職に就くも、事務職をあてがわれる。しかし地道な活動を続け社内初の女性営業職をつかみ取ったのをきっかけに営業職に邁進し、同時に異文化とのやり取りの難しさについても知ることに。 2012 年に渡豪し、グローバルに展開するテクノロジー企業のアジア太平洋本部にて、主に日本市場での事業拡大に従事。キャリアの途中では、前例のない仕事を推し進めるバイタリティと共感力の高さをもった上司との出会いを通し、強いリーダーシップとチームメイトと共鳴しあって仕事を進めることの大切さに気が付く。コロナ禍だった2021年、活気を失っていた日本の小売業の力になれるかもしれないと、男性社会とも言われる腕時計の世界に飛び込み、以来 Chrono24 にて日本とアジア太平洋での事業拡大に従事。

留学を経験するも、やりたいことが見つからず……自分探しに注力した学生時代

Q.1 幼少期はどんな性格でしたか?

色々なことに興味がある、アクティブな子どもだったと思います。習い事をたくさんやらせてもらったのですが、当時一般的だったピアノや習字、そろばんの他に、冬のオリンピックを見たことをきっかけに、スケートを習わせてもらった時もありました。けれどその後、夏のオリンピックを見てアーティスティックスイミングにも憧れてしまい、途中から両親に「よく考えてから始めろ」と注意されるようになりました。

Q.2 どのようなご家庭で育ちましたか?

父は厳しい人で、したいことがあるなら「なぜやりたいのか」を説明して、納得させてみろというタイプでした。それに対して母は、興味を持ったことはなんでもやってみたらいいと言ってくれる人だったので、幼い頃は母に父を説得してもらって、何か挑戦させてもらうことが多かったです。

Q.3 思春期は学校でどんな存在でしたか?

自分から手を挙げるわけではないのですが、自然と前で話すような役割を与えられることが多かったです。中でも人生のターニングポイントとなったのが、14歳の時に英語の先生に勧められて始めた、英語スピーチコンテストでの経験です。英語が得意だったわけではないのに、勧められてなんとなく始めたのですが、実際にネイティブの先生に英語を教えていただいて英語に強い興味を持ったため、留学が経験できる国際コースの高校を目指しました。

Q.4 留学の経験はありますか?

高校生の時に1年間、オーストラリアに留学しました。初めてのホームステイ先ではなかなかNOが言えず、食べすぎで8キロも太ってしまい、その時はじめて「自分の意見をきちんと言えるようにならないといけない」と感じました。

また、オーストラリアは多民族国家で、いい意味で固定概念のない国なので、生徒たちは学校でも自分が学びたい教科を自然と選択していきます。そこで私も「自分が将来何をしたいのか」を深く考えなければと感じるようになっていきました。

Q.5 学生時代に注力したことは?

留学中には「自分が何をしたいのか」の答えが出ず、大学時代は自分探しに時間を費やしました。大学も英語が学べる学科を選択したので、アルバイトで塾講師として英語を教えてみたりもしたのですが、将来的に長く続ける仕事としてはしっくり来ませんでした。

英語以外にファッションやジュエリーにも興味があったので、時計やジュエリーを販売したり、リフォームしたりする店舗でアルバイトもしました。そこで、現在の仕事にも通ずる、時計に関する深い知識や経験を養わせてもらいました。

一度は諦めた宝飾業界にリーダーとして再帰。立場が変わったからこそ、働き方も再考

Q.6 就職先はどのように決めましたか?

宝飾店でのアルバイトが楽しかったので、個人的にはそのまま宝飾業界に進みたかったのですが、両親の意見もあり、まずは営業の経験を積むことにしました。高校から英語を学ばせてくれた両親のためにも、英語を使って仕事をしようと考え、最初は海外営業のできるメーカーへ就職しました。

最初に入った会社はマーケティングに力を入れておらず、上司に直談判するも上手く受け入れてもらえなかったこともあり、マーケティングを活用できる会社へ転職することにしました。2社目の海外ソフトウェアメーカーでは、マーケティングを駆使しながら海外製品を日本に卸す経験を積むことができました。

Q.7 リーダー職に就いたきっかけはなんでしたか?

結婚を機にオーストラリアに移住し、3社目のソフトウェアメーカーで「Chrono24」の社長と知り合いました。最初は、事業の日本参入を手伝うコンサルとしてジョインしていたのですが、社長に誘われてアジア本部の社長に就任することになりました。外資企業の日本でのブランド育成に興味がありましたし、一度は諦めた宝飾関係の仕事に関われることもまた運命と考え、気に入っていたオーストラリア生活に幕を引き、今のキャリアをスタートしました。

Q.8 就任当初、大変だったエピソードがあれば教えてください。

就任当初はアジア支部が香港にあったので、日本と香港を行き来する生活でした。日本進出に関わる業務に加え、香港での既存業務も回し続ける必要があり、優先順位の決定やマインドセットに苦労しました。最初は責任を背負い込んでしまいましたが、どんどん忙しくなる生活の中で、時に部下やメンバーに「任せる」ことの大切さを知りました。裁量権を持ってもらうことで成長できたメンバーもいましたし、彼らとの絆も深まりました。

Q.9 毎日のタイムスケジュールを教えてください。

本社がドイツにあるので、夜中に届くメールのチェックで1日を始めます。昼間は社内のミーティングや、お客様との打ち合わせに対応します。週3回は出社するので、ランチはメンバーと一緒に食べることが多いですね。夕方から夜にかけては、国外のメンバーとのミーティングが入ります。時差があるので夜遅くまで仕事をすることもありますが、睡眠時間はしっかり取るように気をつけています。

メーカー時代はよく無理をしていたのですが、無理して身体を壊すと、より周囲に迷惑をかけてしまうし、自身のモチベーション低下にもつながります。周囲のやる気を保つのもリーダーの務めなので、私自身が元気に働けるよう調整するのも仕事のうちです。

Q.10 業務時間を調整するコツはありますか?

気をつけているのは、目の前にある仕事は「やらなくてはいけないもの」なのか、それとも「やらなくてはいけないと思い込んでいるものなのか」をはっきりさせることです。会社員時代は、期待以上に働くべきだと思い込んでいたのですが、今は責任ある立場だからこそ、相手の期待値を確認してから取りかかるようにしています。期待を超えると喜んでもらえることもありますが、その分時間も体力も取られます。時に無理が必要なこともありますが、有限な時間と体力は、使いどころを考えるべきだと思っています。

メンバーの成長、ときめく瞬間、そして時計に感じる「ロマン」を大切に

Q.11 仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?

仕事で関わるメンバーの成長を感じるのが、一番のやりがいです。私自身をこれまで支えてくれた上司やコーチの背中を見て、上から指示するのではなく、伴走していくようなリーダーシップを持てるよう気をつけています。メンバーの能力を最大限に発揮するための選択肢を増やしてあげる存在になることで、彼ら自身にできることが増えていきます。メンバーたちにやりがいを感じてもらうのが、私にとっての仕事のやりがいにつながっています。

Q.12 お休みの日はどんなふうに過ごしていますか?

一生懸命働き、一生懸命遊ぶことをモットーにしているので、休日は体力に合わせて、自身も刺激を感じる活動をします。私は感動した時にエネルギーを得ることができるので、ときめきを感じる瞬間を大切にしています。食べることが好きなので、素敵な食事の場を楽しんだり、プロコーチの資格を持っているので、ボランティアで外部の方のコーチングをしたりすることもあります。ときめく瞬間に目を向けると、自分自身のことをより深く理解できるようになっていくと思います。

Q.13 どんなところに住んでいますか?

夜景の見えるマンションに住んでいるので、友人を呼んでホームパーティーすることも。食べるだけではなく、料理を作ることも好きなので、夫と一緒に食事を用意して振る舞う日もあります。気の置けない環境を楽しむのも大切だと思っているので、そういう日は割り切って、お酒やカラオケを楽しみます。

Q.14 趣味はありますか?

アートが好きなので、美術館などに行くことも多いのですが、アクリルペインティングで抽象絵画を描くのも好きです。ただ、描いた絵がクローゼットを圧迫するようになってしまったので、最近は創作料理を作るのが一番の趣味かもしれません。目で見て楽しめて、食べておいしいので一石二鳥なんですよね。

Q.15 今後の展望を教えてください。

「Chrono24」は日本法人を設立したばかりなので、サービスをもっと広めていくことも一つの目標なのですが、将来的には日本の女性たちに、時計の魅力そのものを広めていけたらいいなと思っています。時計が持つ長いヒストリーには、ロマンや夢がたくさん詰まっています。

時計は今、世界的に価値が認められており、数十年経っても価値が落ちないどころか、むしろ価値が上がっていくものもあります。自分の記念に購入した時計も、いつか大切な誰かに譲るかもしれない。そうして時計は、さらに長いヒストリーを紡いでいきます。時計が身近ではなかった女性にもこういった魅力が伝わるよう、会社としても個人としても、発信を続けていきたいです。

※この記事は2023年10月26日に公開されたものです

ミクニシオリ

1992年生まれ。2017年にライター・編集として独立。芸能人やインフルエンサー、起業家など、主に女性に対するインタビューを多数執筆。恋バナと恋愛考察も得意ジャンル。ハッピーとラッキーがみんなに届きますように。

Twitter:https://twitter.com/oohrin

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