寝方で分かる心理とは? 寝相と性格の関連性を解説【心理学】
人の寝方にはその時の心理状態が反映されることがあるといわれています。自分や子ども、パートナーの寝方をチェックして、相手の心理を確かめてみましょう。この記事では、心理カウンセラーの秋カヲリさんが、寝方で分かる心理について解説します。
みなさんはどんな寝方をしていますか? 寝ている間は無意識の状態になっていますが、脳の活動は続いています。
寝ている時の姿勢は潜在意識が働いていて、寝方には今の心理状態が反映されていることがよくあるのです。
自分や子ども、パートナーの寝方に癖がある場合は、心の状態を知る目安にするといいかもしれません。今回は、よくある寝方から考えられる心理状態について解説します。
寝方で分かる心理とは
熟睡している時に寝方をコントロールするのは難しく、普段は隠している心理が現れることがあります。
子どもがたくさん寝返りを打ち、寝相が悪いのは熟睡しているサインですが、大人になるにつれて動くことは少なくなり、決まった寝方をするようになります。
では、寝方にはそれぞれどんな心理が働いているのか、詳しくご紹介します。
(1)うつぶせ寝
うつぶせは体の正面を隠す寝方で、自分の大切なものを守ろうとする保守的な心理が表れている可能性があります。周囲に対して警戒心があり、やや神経質な状態になっているかもしれません。
自信がなく消極的な人は特に「自分を守りたい」という気持ちが強く、うつぶせ寝をしやすいです。
また、自分を守ろうとするあまり「この場をコントロールしたい」といった支配欲が生まれていることもあります。責任ある立場になっていたり、何かしらのプレッシャーや不安を感じていたりすると、うつぶせの寝方になりやすいと言えるでしょう。
(2)横向き(右向き・左向き)
この寝方は自分を隠そうとも見せようともしていないので、特にトラブルや悩みがない安定した心理状態であり、バランスがいい生活を送れていると思われます。
右向きに寝るのは右利きの人が多く、無意識に利き手を守ろうとしているのかもしれません。
また、左向きも横向きの寝方なので、基本的な心理状態は右向きと変わらず、落ち着いた心理状態だと言えます。
(3)仰向けで手を組む
仰向けの寝方をする人はオープンな心理状態で、現状を「安心できて心地いい」と感じていることが多いです。自分に注目が集まるのを好む目立ちたがり屋な人も多く、積極的に行動したいと考えている可能性もあります。
一方で、手を組んでいるのは保守的な考えの表れでもあり、「安心できて心地いい今の状態を保ちたい」「自分に注目を集め続けたい」と現状維持を望んでいる状態かもしれません。
しっかりと計画を立てて成功確率を上げてから、長期的にコツコツ努力を続け、絶対の自信をつけようとする慎重な心理が伺えます。
(4)仰向けでバンザイ
こちらも仰向けの寝方で、より楽な姿勢を取ることができます。現状に安心していて、オープンな心理状態だと言えるでしょう。
また、バンザイをして両手を上げると人間の急所であるわきの下が見えるので、手を組む人よりもさらに開放的な姿勢になり、安心に加えて自信があることも分かります。自信を持って自己アピールをしたがる、能動的な主人公キャラの人であることが多いです。
手を組む人に比べてリスクを恐れることが少なく、フットワーク軽くどんどん行動しようとする傾向にあります。現状維持よりは現状打破への意欲の方が高く、「とにかく新しいことをやってみよう」という挑戦意欲が強くなっている状態かもしれません。
「失敗してもそこから学べばいい」といったポジティブな行動力が高まっている、野心ある人だと言えます。
(5)胎児のように膝を抱え込んでいる
横向きではありますが、体を丸めて膝を抱え込み、自分の顔やおなかを隠す寝方です。うつ伏せよりもさらに防御的で自分を守ろうとする意識が強く、何かしらの大きなストレスを抱えて不安になっている人や、元々ストレスに弱い人に見られます。
ずっと胎児のような姿勢で寝ていた人なら問題ない可能性が高いですが、急にこの寝方になった場合は強いストレスを感じているサインかもしれません。
限界を超えてしまうと、急に攻撃的になって人間関係を壊してしまったり、自分の身を省みず相手に従って余計にストレスをためたりと、悪循環に陥ります。この機会にストレスの原因を探り、心の健康を見直しましょう。
(6)仰向けで足を立てている
仰向けで足を立てる寝方は、骨盤が下に引っぱられず腰が浮かないため、腰痛を持っている人には楽に感じる寝姿勢かもしれません。
この寝方をしている人は、自然と体にとって楽な姿勢を選んでいるので、少し心身に負担がかかっている可能性があります。とはいえ無意識に改善する姿勢を取っていて、対策する余裕はあるようです。
腰に負担がかかっていないか注意しながら、ストレスのケアに注力しましょう。
(7)仰向けで足を組んでいる
仰向けで足を組むのも、足を立てるのと同じように、寝具から腰が浮くのを防ぎ負担を軽減しようとする寝方。ただ、片方だけ曲げている状態なので、足を立てるよりも、一時しのぎの体勢になりやすい印象です。
仰向けで足を組んでいる寝方の人も、心身のストレスに何とか対処しようとしている状態かもしれません。
足を立てている人より余裕がなく、一時しのぎになっているので、長期的な視野を持てずに場面ごとの短期的な対処に留まっている可能性があります。キャパオーバーになっていないか、仕事やプライベートの見直しとするといいでしょう。
(8)横向きで足を曲げている
横向きで足を曲げる寝方は、とても楽な姿勢といわれます。体にとって心地いい姿勢を選んでいるので、横向きの寝方と同じく落ち着いていて安定した心理状態だと言えます。
ただ、普段は違う寝方をしているのにこの体勢になった場合は、ストレスを軽減するために楽な姿勢に切り替わっている可能性があります。
対処できているので深刻な状態にはなっていませんが、放置すると対処する余裕がなくなるほど追い詰められてしまう人もいます。何か心配の種になっている出来事がないか早めに振り返り、対処しておくことをおすすめします。
その寝方、ストレスのサインかも?
このように、寝方によってさまざまな心理状態が推測できます。基本的には体に負担がかからない寝方を選ぶのがおすすめですが、自分ではコントロールできないので意識だけで矯正するのは難しいです。
その時の心理状態によって寝方が変わることもあり、自分でも気がついていないストレスのサインかもしれないので、心身の健康のためにも自分の寝方に気を配ってはいかがでしょうか。
(文:秋カヲリ、イラスト:スズキマナ)
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※この記事は2023年06月22日に公開されたものです