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「温かいお言葉」を使った例文は? 上手にお礼を伝えるための表現

にほんご倶楽部

ビジネスシーンや日常シーンで、「温かいお言葉をありがとうございます」というフレーズを見聞きすることも多いのではないでしょうか。今回は、感謝の気持ちを伝える「温かいお言葉」の使い方や類語表現を紹介します。

「温かいお言葉」は、思いやりのある言葉という意味。目上の人からのアドバイスや誉め言葉に対して、感謝の気持ちを伝える際に使用します。

日常会話からビジネスシーンまで、幅広い場面で使われる言葉ですが、正しい意味や使い方をいまいち把握しきれていない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、「温かいお言葉」の正しい意味や使い方、類語や言い換え表現を例文付きで解説します。

「温かいお言葉」の意味は?

「温かいお言葉」とは「肯定的で思いやりのある言葉」という意味合いです。目上の人からアドバイスを受けたり褒めてもらったりした際に、感謝を込めて使われます。

基本的に目下の人に対して使うことはないので、常に「温かいお言葉」と、丁寧さを意味する接頭辞「お」を付けて使われます。

「温かい」という言葉には、もともとの「(温度が)温かい」という意味に加え、思いやりや労りの心があることを表します。

そのため、「温かいお言葉」の原義は「思いやりがある言葉」ということになり、アドバイスや誉め言葉などの肯定的な言葉を表す際に使われます。

「暖かいお言葉」は間違い?

「温かいお言葉」と同じ意味で「暖かいお言葉」と書いてしまう人がいますが、これは誤用です。

「暖かい」は本来、「体全体で感じるあたたかさ」を表します。そのため、主に気温や気候などを指して使われます。

その一方、「温かい」は「体の一部で感じるあたたかさ」を表します。そのため、例えば冬場にカイロをポケットに入れている場合は、「温かい」の表記が適切でしょう。

今回の「温かいお言葉」の場合、あたたかさを感じるのは「心」です。そのため、体の一部で感じると捉え、「温かい」という表記が正しいことになります。

「温かいお言葉」の正しい使い方【例文付き】

「温かいお言葉」は、アドバイスや誉め言葉をくれた目上の人に対して、感謝の気持ちを込めて使われます。そのため、「ありがとうございます」や「感謝しております」などの感謝を表す言葉につなげて使用されることが多いです。

それ以外に「励みになります」や「嬉しく思います」などにつながることもありますが、おおむね肯定的な言葉につながる点が特徴的でしょう。

また、「温かいお言葉」は常に人から「もらう」ものなので、もらうことを意味する表現とセットで使われます。

ここでは、セットでよく使われる表現と合わせて、「温かいお言葉」の正しい使い方と使用例文を確認していきましょう。

「温かいお言葉をいただき」

「温かいお言葉」の使い方で最も一般的なのが、「もらう」を意味する謙譲語「いただく」とのセットです。

「温かいお言葉をいただき」と「いただく」だけで使うこともあれば、「温かいお言葉をかけていただき」というように「かけて」を添える場合もあります。

「温かいお言葉をかけていただき」は、口頭はもちろん文面でも使用できるため、まず覚えておくと重宝するでしょう。

例文

・先日は温かいお言葉をいただき、ありがとうございました。

・日頃温かいお言葉をかけていただき、大変感謝しております。

「温かいお言葉を頂戴し」

「頂戴(ちょうだい)する」は「もらう」を意味する謙譲語で、「いただく」よりさらにフォーマルな印象の言葉です。そのため、「温かいお言葉を頂戴し」と言うと、より丁寧な形で目上の人への感謝を表すことができます。

例文

・多くのお客様から温かいお言葉を頂戴し、大変励みになっております。

・毎度温かいお言葉を頂戴し、大変恐れ入ります。

「温かいお言葉を賜り」

「賜る(たまわる)」は「もらう」を意味する謙譲語のうち、最も丁寧さの度合いが高い表現です。そのため、「温かいお言葉を賜り」と言えば、最大級の敬意を込めて「温かいお言葉」への感謝を伝えられるでしょう。

ただし、「賜る」は非常にフォーマルな表現なので、日常的な会話で使うのは少々不自然です。そのため、主に手紙やメールなど文面での挨拶文として使用されます。

めったに接することのない上役の方などを除き、話し言葉の場合は「いただく」や「頂戴する」を使うことをおすすめします。

例文

・先日は貴社ご担当者さまより温かいお言葉を賜り、社員一同深く感謝いたしております。

・この度は弊社の不手際にもかかわらず温かいお言葉を賜り、誠に痛み入ります。

「温かいお言葉」の類語・言い換え表現

「温かいお言葉」には、類語・言い換え表現がいくつか存在します。しかし、それぞれに表すニュアンスが少しずつ異なるので、適切に使い分けることが必要です。

ここでは、「温かいお言葉」の類語・言い換え表現を、カジュアルからフォーマルの順に紹介します。シーンに合わせて使い分けられるよう、この機会にぜひ覚えておきましょう。

「お心遣い」

「お心遣い(おこころづかい)」は、気配りや配慮を表す言葉で、「温かいお言葉」と似たニュアンスで使えます。

カジュアルからフォーマルまで、使う場面を選ばず使用可能です。

「温かいお心遣い」と言うこともありますが、「お心遣い」だけでも温かさが込められているので、どちらでも問題はありません。

「お心遣い」と「温かいお言葉」の違いは、具体的な言葉かどうかという点。「お心遣い」は言葉でなく行動の場合にも使えるので、表したい感謝の対象に合わせて使い分けるとよいでしょう。

Check!:「お心遣いありがとうございます」の意味とは? 正しい使い方と例文

「ご厚情」

「ご厚情(ごこうじょう)」は、心からの深い思いやりを表す言葉で、「温かいお言葉」と同様に目上の人に対して使える表現です。

字の通り「情けが厚い」という意味で、格別の思いやりや優しさを表す際にはぴったりの表現だといえます。

「ご厚情」も「お心遣い」と同じく、具体的な言葉に限らず、幅広い思いやりを表す言葉です。そのため、実際に「温かいお言葉」をかけられていない場合でも使用できるので、日頃の感謝を伝える際には便利な表現でしょう。

Check!:「ご厚情」の意味とは? 使い方とビジネスでの注意点を解説【例文付】

「ご高配」

「ご高配(ごこうはい)」は、「ご厚情」をフォーマルにした表現で、会話ではほとんど使われないものの、文章ではしばしば使われる表現。字の通り「高い水準の心配り」という意味です。

「ご高配」が特によく使われるのは、メールや手紙の挨拶文。「日頃より格別のご高配を賜り」などと書くことで、日頃の感謝と挨拶を同時に表せます。

「温かいお言葉」は目上の人へ感謝を伝える際に使える言葉

「温かいお言葉」は、目上の人からもらったアドバイスや誉め言葉を表します。多くの場合、「温かいお言葉をいただき」などと、もらったことへの感謝を表す際に使用されます。日常からビジネスシーンまで、幅広い場面で使える便利な言葉です。

特にビジネスシーンでは、「ビジネスライク」というように、やりとりが淡泊になってしまいがち。「温かいお言葉」やその他の感謝の気持ちを表すフレーズを多く活用して、日頃のやりとりに温かさを加えていきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年04月14日に公開されたものです

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