「仰る通り」の意味とは? 使い方&「おっしゃる」との違いを解説
「仰る通り」を使う時のポイント
「仰る通り」は相手の言ったことを肯定する時に使われる言葉ですが、使用にはいくつかのポイントがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
(1)二重敬語に注意する
「仰る通り」を使う時は二重敬語に注意が必要です。「仰る」は「おっしゃられる」と用いられることがありますが、これは「おっしゃる」と「られる」の2つの尊敬語が重なった二重敬語です。
「○○様がおっしゃられた通り」と用いると、誤った表現となるため注意しましょう。
(2)反論する時のクッション言葉に使える
「仰る通り」は相手の言うことに同意する言葉ですが、実は相手へ反論する時のクッション言葉としても使用できます。下記の例文を参考に考えてみましょう。
A:「このプロモーションでは、当社の顧客層に響かないのではないでしょうか」
B:「いえ、この新商品では既存顧客だけでなく、新たな顧客層の獲得にも注力すべきだと考えています」
A:「このプロモーションでは、当社の顧客層に響かないのではないでしょうか」
B:「Aさんの仰る通りです。ただ、この新商品では既存顧客だけでなく、新たな顧客層の獲得にも注力すべきだと考えています」
Aさんの言った内容を「仰る通りです」と一度肯定していることで、その後の反論も柔らかい印象を受けます。
相手の言ったことに反論したいけれど、角を立てたくないという場合は、一度「仰る通りです」と肯定してから伝えると良いでしょう。
(3)語尾を省略しない
「仰る通り」という言葉は単体でも使える言葉。しかし前述の通り、目上の人に使う場合は、「仰る通りです」や「仰る通りでございます」など、語尾を付けて用いるのがおすすめです。
「仰る通り」だけでも意味は伝わるものの、目上の人に使う場合は無礼な印象を与えてしまいます。「失礼な人だな」と思われないように、語尾を省略しないように気をつけましょう。
▶次のページでは、「仰る通り」の言い換え表現を紹介します。