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日本にたった5人しかいない、スターバックスの「コーヒースペシャリスト」とは? 本人に直撃取材してみた

#スターバックスさん、教えて!

マイナビウーマン編集部

日々、何気なく利用するスターバックス コーヒー。普段は店頭に立つスタッフとしかコミュニケーションを取ることはできませんが、実は日本には5人の「コーヒースペシャリスト」がいるそう。「スターバックスのコーヒースペシャリストってつまり、コーヒーの専門家……ってこと!?」気になったマイナビウーマン編集部が早速お話を伺ってきました。

みなさん、スターバックスは好きですか? 私は大好きです!

スターバックス コーヒーのパートナー(店舗スタッフのこと)といえば、利用者の私たちにいつも笑顔で接客してくれて、時には気さくにコミュニケーションまで取ってくれる……接客が向いてなさすぎて居酒屋のホールバイトを秒で辞めた経験を持つ筆者にとっては、「THE キラキラ」な存在。学生時代も「スタババイト」をしている子はだいたいキラキラ系の子だったような記憶があります。

そんなスターバックス コーヒー ジャパンのパートナーには、「ブラックエプロン」と呼ばれる、通常の緑のエプロンではなく黒のエプロンを身に着けたバリスタがいることがファンの間では知られています。

ブラックエプロンは年に一度行われる試験で合格したパートナーだけが身に着けられるもの。だから、「スターバックスで黒いエプロンをしている人にコーヒーを淹れてもらうとおいしい」なんてうわさされることもあるんですね。

ここまでは意外と広く知られている「スタバ豆知識」。……ですが、さらに「その上」があることはご存知でしょうか? 日本で現在たった5名しかいない、スターバックス コーヒー ジャパンの「コーヒースペシャリスト」に、今回は直接取材! いったいどのような人なのか根掘り葉掘り聞いてきました。

取材を受けてくれたのは……

若林茜さん
スターバックス コーヒー ジャパン株式会社 商品本部コーヒー部コーヒーエンゲージメント&コミュニケーションチーム コーヒースペシャリスト。2013年コーヒーアンバサダー。

そもそも、コーヒースペシャリストって何をしている人?

――今日はよろしくお願いします。若林さんはスターバックス コーヒー ジャパンのコーヒースペシャリストとのことですが、そもそもコーヒースペシャリストって一体どういった役割なのですか?

お堅く言うと「社内外にコーヒーを啓発する」ことを目的としているのですが、私はお客様や店舗で働いているパートナーにとって「コーヒーを身近にしてくれる存在」を目指しています。社内から見てみると、スターバックス コーヒー ジャパンにおけるコーヒーの知識やサービスを含めた全てを担っている存在として見られているように思います。

ブラックエプロンを店頭で見かけることがあるかと思うのですが、ブラックエプロンの試験をつくるのもコーヒースペシャリストの役割です。

また、ブラックエプロンの保持者が参加できる2年に1回の大会があります。パートナーの代表である“コーヒーアンバサダー”を決める社内の大会なのですが、コーヒースペシャリストはそのコーヒーアンバサダーをさらにプロデュースする立ち位置にある……と言えます。

今、スターバックス コーヒー ジャパンのパートナーは約4万人いるのですが、その中で5名がコーヒースペシャリストとして働いています。

――「ブラックエプロン」は聞いた事あります! コーヒーアンバサダーの試験ではどのようなことが問われるのですか?

コーヒーアンバサダーの大会は、知識と情熱とサービスを競います。コロナ禍で形を変えてはいるのですが、昔は目隠しでスターバックスのコーヒーを飲んで当てたり、知識クイズなどがありました。コロナ禍ではコーヒーを抽出しながらプレゼンテーションをして……といった形に変わっていますが、接客のロールプレイの競技は継続して行っています。

東日本・西日本・中日本(※スターバックス コーヒー ジャパン特有の分け方)・ロースタリーから選出された計4名がコーヒーアンバサダーになり、2年間、店頭に立ちながら活動します。コーヒーアンバサダーとしてコーヒーアンバサダーの歴史も今は17代になりました。

――コーヒーアンバサダーも厳しい試験を通過してようやくなれるものなのですね。それを教育する立場のコーヒースペシャリスト……すごいですね。普段は教育プログラムを作る他にどのようなお仕事があるのですか?

商品開発に近いような仕事と、マーケティングに近い仕事の、大きく二つに分けられます。

味覚を使う仕事でいうと、新しいコーヒーがシアトルの会社から来た時に、風味表現がすべて英語なので、それをお客様の分かりやすい日本語に変えたりとか、フードペアリングの開発を行ったりしています。あとはお客様向けに店舗でコーヒーセミナーをしているのですが、そのプログラムの開発も私たちの仕事です。

マーケティング寄りの仕事だと、教育プログラムを考えたり、私はエシカルな調達について店舗のパートナーとお客様にどう伝えるかを考えたりする仕事を担当しています。

――若林さんはコーヒースペシャリストの皆さんの中でも特にSDGsに関する知識が豊富と伺ったのですが、他の皆さんはどのような分野に長けているのでしょうか?

先ほども出てきたフードペアリングやスターバックス リザーブ ロースタリーの開発、教育など、それぞれの興味関心や個性を強みとしてスペシャリストが活動しています。

コーヒースペシャリストは店頭や店内の話だけではなく、会社としての話やコーヒー業界の話としての見解が求められます。

「人を幸せにできる仕事がしたい」という思いから入社

――若林さんは元々コーヒーがお好きだったのですか? コーヒーやスターバックスに興味を持ったきっかけを教えてください。

中学生のころからすごくインスタントコーヒーを飲んでいて、大学生の時は缶コーヒーをたくさん飲んでいました。

社会人になるまで演劇をやっていたのですが、演劇を見ると幸せになるように、人の一日を幸せにする仕事をしたいと思った時に、「コーヒーも嗜好品だし、コーヒーで人を幸せにできるってすごい仕事だな」と思って、スターバックス コーヒー ジャパンに入りました。その中でさらにコーヒーに興味を持っていったんです。

新入社員はみんな店舗からスタートし、私は8年間店舗に立っていました。その後、コーヒースペシャリストになった形です。

――8年間店舗に立つ中でコーヒースペシャリストを目指そうと思ったのには何かきっかけがあったのでしょうか。

私は11代のコーヒーアンバサダーだったのですが、その時からずっとお客様と店舗に立つ自分たちと生産者を繋ぐような仕事がしたいと考えていました。

アンバサダーになると全国のパートナーに会えるのですが、各国のすばらしいコーヒーを伝えてくれているパートナーがいて、これをもっと大きくしたい、お客様により伝えるためにブラッシュアップしたいと思ったんです。

コーヒーアンバサダーだった時にコーヒースペシャリストと一緒に働いて、この仕事だったらそれができそうだなと思い、コーヒースペシャリストを目指すようになりました。

――コーヒーアンバサダーとしての活動から、若林さんのさらなる夢が生まれたんですね。

次回はおすすめの“フードペアリング”を教えてもらうことに!

若林さんのお話から、コーヒースペシャリストとはどのような存在なのか分かりました。普段店頭に立つ機会は無いとのことで、レアな人物に出会えた気がします。次回はスターバックス コーヒーのメニューから、コーヒーとフードのペアリングについて教えていただきます!

(撮影:稲垣佑季、取材・文:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部)

※この記事は2022年12月27日に公開されたものです

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