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達成できなくてつらい。「高すぎるノルマ」に苦しむ人に届けたい言葉

#お仕事ハック

ぱぴこ

仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。

今回のお仕事ハックは「高すぎるノルマに仕事のモチベーションが見出せない」とのお悩みについて、ライターのぱぴこさんがアドバイス。

高すぎるノルマに仕事のモチベーションが見出せない

販売の仕事をしているのですが、課されるノルマが高すぎて正直きついです……。それに、目標に届かないと上司に説教されるので、毎日が憂うつ。こういう状況で働く人はどんなモチベーションで仕事をしているのか知りたいです。
(20代/販売・サービス職)

達成できてるから楽しい、売れてるからもっと売る

高いノルマを「楽しい! 超楽しい! ノルマがキツければキツいほどやる気がでちゃう!」という生粋の歩合戦士や叩かれることに快感を覚えるような珍しい趣味の人は置いておいて、これらの仕事におけるモチベーション設計ってひとつだけです。

「達成した時のインセンティブが魅力的で大きい」

これだけ。

1.達成率によって賞与が跳ね上がる
2.達成すると賞与以外にもすごくうれしいご褒美がある
3.達成すると社内で名誉が与えられ、名誉欲が満たされる

このように「達成した時に相応のリターン」がある状態だと、少なくとも達成している人にとっては「きついけど、報われる」状態が生まれます。そして、達成した後の名誉や栄誉が担保されていれば見ている周囲も「頑張ればいいことがある」と信じられるため希望や野望が生まれます。

例として、ホストクラブを想像してみましょう。ホストクラブのホストは、売ってなんぼの世界で、売れなければタコ部屋での雑魚寝、報酬は雀の涙で、体力的にも精神的にもキツいです。

しかし、ひとたび売れれば高い給与はもちろんのこと、No.1から飾られる顔写真を初めとした「ナンバークラス」としての栄誉、周囲からの尊敬を集め、「金も女も俺のもの」な世界観が成立します。そうした世界に憧れて、多くの人間がこの世界に身を投じます。

夜の世界だけでなく、例えば証券営業や保険営業、キーエンス社や外資IT営業職などはこの「インセンティブ設計」によりモチベーション管理及び「やったらやっただけ報われる」と錯覚させる世界観を完璧に構築しています。

あと、下世話な話ですが売れたら売れたで他の職種で同程度の給与を出せる場所を見つけるのが困難になり、翌年の税金や生活を保持するために「続けざるを得ない」沼がつくられています。いやぁ、よくできた制度ですね。

もちろんモチベーションの全てがお金を始めとする報酬ではありませんが、「きっついけど、でもちゃんとご褒美があるしな」と思えるかどうかは、その仕事を続けていくことに対して大きく寄与します。

“にんじん”もなく高すぎるノルマでモチベーションを保つのは無理

どんなにマインドセットを変えても、ポジティブに考えようとしても「この仕事で何が得られるか」のリターンに対しての納得感がない仕事は続きません。リターンは金銭に限りませんが、スキルでも経験でも「これを得ている」という実感がなければ難しいのは宇宙の理です。

というわけで、ご質問事項の「こういう状況で働く人はどんなモチベーションで仕事をしているのか」は、モチベーションで働けるのは“にんじん”が適切に与えられるからです。

ご質問者の方も一度今の仕事と向き合って、自分にとってのリターンを得られる環境かどうかを判断してみることをおすすめします。リターンを感じるなら、そこまで「ノルマ達成」にとらわれず働いてもいいのではないでしょうか。

でももし、今の環境でリターンが得られないと判断したのであれば、転職という手段を視野に入れてもいいと思いますよ。

・達成した時のインセンティブが魅力的で大きければモチベーションは保てる
・成功すればよい循環が生まれ、かつ維持したい理由ができる
・報酬設計がなくてノルマがキツイ仕事は、自分にとってのリターンがある環境かどうかを判断し、場合によっては転職も視野に入れる

(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)

※この記事は2022年05月24日に公開されたものです

ぱぴこ (外資系ときどき激務OLコラムニスト)

外資系ときどき激務OLコラムニスト。オシャレとズボラの狭間に生息し、ストレスを課金で潰すことに余念がない。趣味はNetflix、お酒、豚を塩漬けにすること。目標はゆとりのある生活(物理)。
Twitter:@inucococo

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