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黒島結菜『明け方の若者たち』インタビューで語る「永遠の愛」の形

#恋するシネマ

マイナビウーマン編集部

直球のラブストーリーも、心温まる人間ドラマも、ちょっと怖い任侠映画だって。どんな作品にも、どこかに「愛」が散りばめられている。そんな映画の中の恋や愛にフォーカスするインタビュー連載「恋するシネマ」。今回は、映画『明け方の若者たち』から黒島結菜さんのインタビューをお届けします。

取材・文:杉田穂南/マイナビウーマン編集部
撮影:佐々木康太

愛する人とはずっと一緒にいたいもの。恋愛をしていて、今この瞬間が永遠に続けばいいのにと願うことはないだろうか。

12月31日(金)公開の映画『明け方の若者たち』は、学生最後に出会う主人公・僕(北村匠海)と、彼女(黒島結菜)の沼のような5年間を描いた大人の青春ラブストーリー。

互いに惹かれ合った2人は社会人になり、夢見た未来と異なる現実に直面しながらも、夜明けまで飲み明かし、夢を語り合う時間を過ごす。

「青春が終わる前に楽しいこと全部しなきゃ」と、この二度と来ない20代の青春を謳歌する2人の姿に、心温まる瞬間もあればどこか切なさも感じられる。

今回、話をうかがったのは本作で彼女を演じた黒島結菜さん。黒島さんが思う「永遠の愛」に大事なものとは?

彼女は「弱さすらも魅力に感じられる女性」

――黒島さんが演じた彼女は大人っぽさと無邪気さを持つ魅力的な女性に見えました。黒島さんから見て彼女はどういう女性だと感じましたか?

もちろん魅力的な一面もあるけれど、きっとすごい弱い人なんだろうなって思いました。自分の弱さを見せないことで少しミステリアスな部分もあって、その弱さすらも魅力に感じられる女性なんだと思います。

――“弱さすらも魅力に見せるどこかミステリアスな女性”というのはかなり難しい役どころだったのではないでしょうか。やはり役作りは苦労しましたか?

そうですね。本当に難しくて、どういう気持ちで演じようか、僕とはどういう距離感でいようかな、とか最初はすごく考えたんですけど、考えても分からなかったので、一つひとつのシーンを純粋に楽しもうと思いました。

撮影中、心から楽しんでいる自分を面白く感じることもありました(笑)。

――確かに、デートシーンや日常のシーンは見ていてうらやましくなるほど2人ともすごく楽しそうでした。そんな時間を過ごしている彼女はどんな思いだったのでしょうか?

彼女は自分の気持ちに嘘はつかない人で、きっと僕も彼女も嘘のないピュアな恋をしていたんじゃないかなと思います。

自分の全部を好きでいてくれる「僕」

――本作は、彼女が僕に送った16文字のメッセージをきっかけに始まる物語ですが、メッセージを送った時の彼女はどんな心境だったのでしょうか?

もしかしたら彼女には彼を落とす自信があったのかもしれないですね。

――自信……! かっこいいです。黒島さんが彼女の立場だったら同じような言動をしますか?

私だったらしないです(笑)。彼女を演じていて、ちょっとずるいなって思う瞬間もありました。でも、どんな彼女も僕は受け入れてくれるんですよね。

――僕は一途に彼女のことを思う素敵な男性でしたね。黒島さんから見て、そんな僕はどんな男性に感じられましたか?

かわいい一面もあるけれど、心を任せられる強さのある男性だと思いました。

――具体的にどんなところが?

僕は彼女に「全部好き」って言ってくれるんですよ。

自分の全部が好きってすごくないですか?(笑)。きっと、どんな障壁よりも彼女に対する「好き」が勝っているんですよね。だからこそ居心地も良いし、心を任せることができるんだと思います。

――実際に黒島さんももしそういう男性がいたらに惹かれますか?

そうでうすね。いや、でもちょっと重いかな?(笑)。

それが重く感じてしまったらよくないんでしょうね。

――というのは?

自分も同じくらい好きじゃないと成り立たない。片方だけが好きの気持ちが大きかったり、少なかったりするとだめなんでしょうね。恋愛って難しいですね(笑)。

永遠の愛に大事なのは「相手に期待をしないこと」

――確かに、「好き」という気持ちが同じくらいでないと、2人の間にどこかズレが生じてしまうかもしれません。でも、最初は同じくらい「好き」だったとしても、お互いにそれをキープするのはなかなか難しいような気もします……。

そうでうね。私は、自分のおじいちゃんとおばあちゃんの関係性にすごく憧れていて。2人は子どもの頃からの付き合いらしいんですけど、今でもすごく仲が良いんですよ。

一緒にいた年月がそうさせたのかもしれないですけど、お互いをとても信頼しているし、どちらかができないことは、どちらかがやればいいっていうスタンスで。いつまでもそんな関係性でいられたら理想ですよね。

――素敵ですね。そういう関係性でいるために大事なことって何でしょう?

多分、相手に期待をしないことだと思います。

「私はこんなに好きなのに、なんであなたは思ってくれないの」「僕はこんなに好きなのに……」って思ったら良くないですよね。

相手のために何かやってあげたい、それが自分の幸せになることこそ“愛”だと思うし、永遠に続く関係においては大事なんだと思います。

――本作は恋愛に限らず、人生の時間についても考えさせられました。私自身、劇中で“人生のマジックアワー”と表現された20代前半の時期を過ぎた今、共感できる部分や刺激される瞬間が多くあった気がします。

誰しもが人生において、描いていた未来と異なる現実に直面し「こんなはずじゃなかなった」と思う瞬間ってあると思うんです。

でも、その時のことを将来自分の中で「ああいう時もあったな」って思えるくらいの生き方をすれば、きっといい思い出として残ると思います。

だからこそ、今を一生懸命生きることってすごく大事で、この作品を見てその瞬間を楽しんでもらうきっかけになったらいいなと思います。

『明け方の若者たち』

製作:「明け方の若者たち」製作委員会 配給:パルコ ©カツセマサヒコ・幻冬舎/「明け方の若者たち」製作委員会

Twitterでの”妄想ツイート”が話題となり、10〜20代から圧倒的な支持を得たWebライター・カツセマサヒコの大ヒットを記録した話題の青春恋愛小説『明け方の若者たち』(幻冬舎)がついに映画化!

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?笑」

その16文字から始まった、沼のような5年間。人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。

※この記事は2021年12月28日に公開されたものです

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