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「断る」の正しい敬語は? ビジネスで使える丁寧な表現一覧

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

より丁寧さが伝わる「断る」時のポイント

前段では、「断る」に代わる婉曲的な表現を紹介しました。

ただし、中には「より丁寧にしたい」場面もあることでしょう。そんな時は、次のような工夫をするといいでしょう。

断る理由を添えて誠意を伝える

断る理由を添えることで、相手の納得度が高まります。

例文

例文のように事細かく伝える場合と、「先約」とだけ伝える場合があります。

・せっかくですが、その日は出張で東京におりませんので、お引き受けいたしかねます。

・あいにくその日は、先約がありますので、参加は難しいです。

クッション言葉を加えてより丁寧に

婉曲的な表現の前に、クッション言葉を使うと、よりやわらかい、丁寧な印象になります。

例文

あいにくですが、伺うことが難しいです。

せっかくですが、ご辞退申し上げます。

せっかくのお誘いですが、今回は見合わせたいと存じます。

残念ながら、難しい状況です。

申し訳ございませんが、私の一存では決めかねます。

恐縮ですが、どうしてもお引き受けいたしかねます。

感謝の言葉と未来への期待を示す

断る場合でも、相手への感謝の気持ちを述べることで、次回への希望をつなぐことができます。

例えば、展示会などに誘われて断った場合、相手に「誘って悪かったかな」と思わせてしまうことがあります。

そのため、「今回は伺えませんが、お誘いいただきうれしく思っております」と感謝の気持ちを伝えても良いでしょう。

また、関心があり、次回は応じたい場合「またチャンスがあれば、ぜひお知らせください」と伝えましょう。

相手に失礼のない「断り上手」を目指そう

仕事でも日常の生活でも、何かを断る作業は人にストレスを与えます。しかも、相手が目上の人や取引先であればなおさらです。

「あの件、無理だなあ。どうやって断ろう」と心にモヤモヤを抱えていると、目の前のことに集中できないでしょう。

逆に、上手に断ることができたら、自分にも他人にもストレスをかけず、仕事もはかどります。相手に失礼のない断り方を工夫することは、ノンストレスで穏やかな日々のためにも大切なことですね。

(前田めぐる)

※画像はイメージです

※この記事は2021年12月02日に公開されたものです

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師) (ライティングコーチ・文章術講師)

コピーライターとして長年「ことば」に関わってきた経験値を元にまとめた「ほどよい敬語」(https://ameblo.jp/comkeigo/)が好評。過剰さや不適切さを排し、明快に説く内容は「違和感の理由がわかりスッキリした」と質問サイトなどでたびたび引用される。

自治体・団体・医療機関向けSNS活用、文章術研修の講師でもある。

著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』(青春出版社)『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』(日本経済新聞出版社)『ソーシャルメディアで伝わる文章術』(秀和システム)など。公益社団法人日本広報協会アドバイザー。

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