上弦の月とは? 由来や下弦の月との見分け方を分かりやすく解説
上弦の月とは、新月から満月に変化する頃に見られる、右半分だけが照らされた月を意味します。同じく、下弦の月という言葉もありますが、具体的にはどんな違いがあるのでしょう。今回は上弦の月と下弦の月の見分け方、月にまつわる基礎知識などを分かりやすく解説します。
「上弦の月」は、半分だけが光って見える月のことです。
同じく半円の月には「下弦の月」もありますが、上弦の月と下弦の月は形が似ているため、正しく見分けられない方は多いでしょう。
両者を見分けるポイントには、月の見え方や見える時間帯などが挙げられます。今回は上弦の月と下弦の月の違いや、月の基礎知識を紹介します。
上弦の月とは?
上弦の月は、新月から満月に変化する頃の月のことです。英語では「first quarter moon」や「waxing moon」といいます。
丸い形ではなく、月の半分だけが光って見えるのが特徴です。
月の半分だけが見える理由
本来は丸い形の月が半分だけに見えるのは、太陽の光が関係しています。
上弦の月は、月の半分だけが輝いているように見えますが、実際に月自体が光っているわけではありません。
そもそも月が光って見えるのは、太陽の光を反射しているからです。上弦の月は、太陽によって月の右半分が照らされることにより、地球からは月の満ち欠けが起きているように見えるのです。
上弦の月の別名
上弦の月にはいくつかの別名があります。
例えば、弓に似た形であることから「弦月(げんげつ)」や「弓張月(ゆみはりづき)」とも呼ばれます。
あるいは、「上の弓張り(かみのゆみはり)」「玉鉤(ぎょっこう)」と呼ばれることも。
玉鉤とは、玉で作られたかぎのことです。古代中国で儀式を行う際に用いられた物で、弧状に曲がっているのが特徴です。
上弦の月が見えるタイミング
上弦の月は、主に昼間から真夜中にかけて空に浮かびます。時期は、新月から数えて月齢が7~10日前後とされています。
月齢とは、月の満ち欠けの状態を表す目安の数字のこと。新月を0、新月の翌日を1というように、1日ごとに数字が1つ大きくなります。
月齢と月の状態の関係は以下の通りです。
・月齢7前後:上弦
・月齢15前後:満月
・月齢22前後:下弦
・月齢30前後:次の新月が近い
「上弦の月」という名前の由来
「上弦の月」と呼ばれる理由は諸説あります。
主に知られているのは、太陰暦と月の沈み方に由来するものです。
太陰暦によるもの
月の満ち欠けを基準とする太陰暦を用いていた時代に、1か月のうちの前半(上旬)の月を上弦、後半(下旬)の月を下弦としていたことが由来といわれています。
月の沈み方によるもの
上弦の月の「弦(つる)」という漢字は、弓に張る糸のことです。上弦の月の特徴である半円が弓に似ていたため、直線部分を弦と表現したという説があります。
そして、月が地平線に沈む時に「弦に見える部分が上に位置する=上弦」とされたことから、上弦の月と呼ばれるようになったといわれています。