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EXILE系、かわいい系、ドS。岩田剛典が魅せるさまざまな「顔」

#PM6時の偏愛図鑑

土岐花子

定時後、PM6:00。お仕事マインドを切り替えて、大好きなあの映画、あの舞台、あのドラマを観る時間が実は一番幸せかもしれない。さまざまな人が偏愛たっぷりに、働く女性に楽しんでほしいエンタメ作品を紹介する連載です。今回はライターの土岐花子さんが「岩田剛典」への偏愛を綴ります。

文化系、サブカル系というアイデンティティで生きてきた私にとって、その対極にあるようなEXILEとは、一生、縁がないものと思っていた。

いまだに世間のみんなも思っているのかもしれないが、EXILEといえば、マッチョで髭を生やし黒光った半裸の男性陣が『choo choo train』のメロディにのってぐるぐると回転している、そのイメージしかなかったのだ。

でも実は、今のEXILEやJr.EXILEと言われる次世代のメンバーたちは、そんなイメージとはまったく違うのだ!

色黒のメンバーは全体の1割か2割程度で、全体的に色白で細マッチョな人が多い。若いグループのメンバーなら、ジャニーズやK-POPのアイドルとシャッフルされたら見分けがつかないだろう。

そんなEXILEの中で、私が岩ちゃんこと岩田剛典に目を奪われたのは、フジテレビのドラマ『ディア・シスター』で櫻庭永人(ハチ)を演じるところを観た時のことだ。

ニコニコして優しそうな笑顔でヒロインを見守っているのに、むくわれない……。そんなハチの姿を毎週観るのが、いつの間にか楽しみになっていたのだ。

「EXILE系」からの脱皮と「かわいい系」への変遷

彼が三代目J SOUL BROTHERSのメンバーであり、かつEXILEに加入したばかりということは当時も知らないわけではなかったけれど、でも「EXILEのどこにこんな人いたっけ?」と思ったのも事実だ。

過去の記事や写真を検索すると、岩ちゃんも黒光っていた。だから、どこにいたのかわからなかったのだ!

慶應義塾大学のダンスサークルの部長をしていた頃の岩ちゃんの写真を見ると、長髪にキャップ、色黒で髭を生やしていて、まぎれもなく「EXILE系」であり、やっぱり私と遠い世界の人に見えた。

しかし、なぜ今はこんなにかわいらしい笑顔をしているのだろう。その間に何があったのか……? と考えているうちに、ますます岩ちゃんのことが気になってしまった。

ただ、もしかしたら『ディア・シスター』の頃は、まだ「EXILE系」から「かわいい系」にシフトしたことに、岩ちゃん自身は違和感があったのかもしれない。

その頃のインタビューを読むと、「EXILEのために」「三代目のために」と、一肌脱いでいるような発言もあった。

「闇」と「かわいい」、究極の二面性を発揮

その後の岩ちゃんは、「かわいい系」だけでなく、いろんな役を演じるようになる。一見、善良そうでいながら、実は闇を抱いていたり、悪者だったり。

そんな風に、自分の中の二面性を演じるのは楽しそうで、「闇」と「かわいい」の間を行ったり来たりするのもお手の物になっていたように見えた。

特に私が好きなのは、映画『AI崩壊』で演じた警察庁警備局の理事官というエリート役だ。

岩ちゃん自身も、名古屋の小学校から中学受験で慶應義塾に入り、大学時代にはアナウンサー試験を受けたり、誰もが知る一流企業に内定をもらっていたりというほどのエリートだからこそ、こういう役がよく似合う。

しかも、この役はただのエリートではなく、どこか常人には計り知れないような考えの持ち主なのである。そんな難しい役どころにも、岩ちゃんは果敢に挑戦し、見事に演じ切っていたのだ。

そして何よりも岩ちゃん本人が、どこかこういった役を演じるのが嬉しそうなところが、インタビューなどを読んでいて垣間見ることができたのも良かった。

EXILEで魅せるドSキャラと三代目で発揮する自由人というギャップ

複雑な役をやるようになってからは、岩ちゃんは三代目やEXILEでパフォーマンスをする時にも、色気がダダ洩れするようになっていたように思う。

それまで岩ちゃんは、ダンスを踊る時は強さをアピールしようとしたり、舌を出してヤンチャさをアピールしたりすることが多かったが、最近は上から目線でドSっぽい表情を見せたりもする。

特にEXILEは身長が高くて存在感の大きなメンバーも多いし、若いメンバーは皆イケメンではつらつとしている。

そんな中で、この岩ちゃんのクールでドSっぽい存在感というのは年々、際立ってきたし、これからのEXILEの中核を担っていくのだなと思わせてくれる。

一方、三代目のメンバーの中では自由人であり、天然なところもあると言われている。でも、笑顔じゃない時はどこか冷静で、人に怖さを感じさせてしまうほどの素晴らしいパフォーマンスを見せる時もある。

まだまだ変化していく岩ちゃんのこれからに期待

私自身も、まだ岩ちゃんの性格が掴めた感じはしていない。でも、その掴みどころのないところが魅力だし、32歳の岩ちゃんのリアルな感じなのかなと思う。

現在は、TBSのドラマ『プロミス・シンデレラ』に出演中だ。眞栄田郷敦さん演じる壱成という弟は、性格が曲がっていて、その原因が岩ちゃん演じる完璧な兄へのコンプレックスからきているという設定だ。

老舗旅館の若旦那で、いつも着物姿。旅館で働く仲居さんたちの憧れの的という役も、さまざまな「顔」をあわせ持つ岩ちゃんが演じるなら、原作以上に魅力的なものになりそうだ。

(文:土岐花子、イラスト:谷口菜津子)

※この記事は2021年07月20日に公開されたものです

土岐花子

かけだしライター。エンタメへの偏愛を武器に執筆していきたいと奮闘中。

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